前回までの姿勢分析について
下記を参照してください
背臥位① https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3319
背臥位② https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3359
背臥位③寝返り1 https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3391
背臥位④寝返り2 https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3420
座位① https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3440
座位② https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3482
座位③ https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3502
座位④ https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3521
立位① https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3561
立位② https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3611
番外編① https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3650
前回の番外編を含めて、動作分析につなげるための姿勢分析について解説してきました。
これを読んで実践された方、そうでない方、概知の知識だった方、初めて聞いた方、様々だったと思います。
療法士にとって、姿勢・動作分析は切っても切れない関係ですが、改めて皆さんに質問です。
姿勢・動作分析ってなぜ必要なのでしょうか?
姿勢・動作分析はなぜ必要?
私たちは、様々な疾患や怪我をした患者さんをリハビリテーションの対象とします。
病期によってその対応は変化し、見るべき視点も変化していきます。
急性期なら、疾患や怪我そのものの影響を受けた結果が患者さんの身体機能やADLの低下をきたします。
しかし、回復期や生活期に移行すると、疾患や怪我そのものの影響+入院生活で構築された2次的な影響(臥床による体力・筋力低下や拘縮など)が混ざった状態で担当することの方が多いかと思います。
例えば、上記の姿勢の患者さんがいたとします。前傾姿勢で前に倒れそうな状態です。
ではこの姿勢になってしまう原因ってなんでしょうか?
片麻痺でも、パーキンソン病でも、股・膝OAでも、地域高齢者でもこの姿勢になり得ます。つまり原因は様々です。
しかし、原因がなんであれ、「この姿勢」になった場合、身体は重力からどんな影響を受け、それに対して身体はどんな反応をするのか?ということは共通しています。
姿勢・動作分析ができることで、原因が違えど同じ姿勢であれば重力から受ける影響と身体反応の予測がつきます。
あとは、身体反応が予測と違った場合、それが疾患特有のものなのか(麻痺があるから反応できないなど)、もしくは2次的要因(拘縮等)なのか?を分けて考えることができるようになります。
姿勢分析の中には必ず評価として可動域と筋出力の評価(なぜその姿勢になるのかの確認)が入ります。
可動域が足りないなら、その原因は神経系由来なのか?(急性期に多い)、筋骨格系由来なのか(生活期に多い)を見極めます。筋出力も同様です。
つまり姿勢・動作分析は、患者さんの生活障害が「疾患そのものからの影響」なのか、「姿勢からくる力学的な影響」なのか?「2次的要因からくる影響」なのか?を分けて考えるために必要なツールになります。
最後に
姿勢動作分析は基本ではありますが、どんなに勉強してもこれでOK!という状況にはなりません。数をみて経験すればするほど見えることも増えていきますし、分かっていなかった自分に気付かされます。
「基礎を飽きない」
この言葉を胸にまた臨床に励んでいきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
リハカレ認定講師 理学療法士 中嶋 光秀