動作分析の前に姿勢分析?〜姿勢分析の基本 番外編 立位から歩行を予測する〜

前回のおさらい

前回でひとまず姿勢分析シリーズは終了でしたが、皆さん実際の臨床で実践されましたでしょうか?
まだという方、もう一度見たいけど探せないという方は下記をご参照ください。

背臥位① https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3319
背臥位② https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3359
背臥位③寝返り1 https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3391
背臥位④寝返り2 https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3420
座位① https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3440
座位② https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3482
座位③ https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3502
座位④ https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3521
立位① https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3561
立位② https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/3611

ここまで姿勢分析について書いてきましたが、ざっくりまとめると、姿勢分析は動作の予測をするために行なっているということになります。
各姿勢のアライメントの変化が重力から受ける影響により振る舞いを変化させ、バランスや動作の傾向性を生み出します。その傾向性を捉えることが姿勢分析の肝になっています。

動作分析の基本に戻る

動作は「姿勢の連続である」と言われています。中でも開始姿勢と終了姿勢は重要で、動作は特に開始姿勢の影響を受けています。

つまり上図のようは立位姿勢の方は、歩き出してもその傾向性を持ったまま歩くということです。

開始姿勢は「構え」といわれることもあります。構えとは動作をするために最適な姿勢を示します。
ここでいう最適な姿勢は「正しい姿勢」ではなく「今のその人にとって最適」な姿勢です。

片麻痺の方ならその人なりに、膝OAの方ならその人なりに。それぞれ抱えた身体条件によって、「最適」は変化していきます。

立位から歩行を予測する

ここまで書くと、もう歩行の予測はできるはずです。特に立位における頭頸部・体幹のアライメントは重心の位置を決めます
どの方向にバランスを崩しやすいのか?一歩目はどちらから出すのか?(左右荷重)、歩き出しがスムーズか?(前後荷重)、骨盤と下肢の状態から、ガニ股歩行をするのか、正常歩行に近い歩容になるか?などなど、立位の全体像+背臥位・座位の姿勢分析から得たデータがこれから起こり得る動作のヒントになります。

一番いいのは自分で真似してみること

本当に立位姿勢が変われば歩行が変わる?と思った方は、ぜひ患者さんの立位姿勢の真似をしてみてください。
フォームの詳細を詰められなくても、前後左右どちらに荷重が多いかぐらいはみて予測がつくと思うので、その真似でもOKです。
一番簡単な方法は「休めの姿勢」になって歩き出してみましょう。「休めの姿勢」は必ず支持する足と休む足に分けるので荷重に左右差が生まれます。この状態で足が前後揃っていれば、どっち足から一歩目を出しやすいでしょうか?また休む足が半歩ほど前にあれば、どっち足から1歩目を出しやすいでしょうか?

最後に

私たちは「知識」として体の動き、姿勢を知っています。しかし、それだけでは患者さんがのなぜそう動くのか?という感覚がわかりません。
実際に姿勢を真似して、動いてみて、そこから得る自身の体感からも患者さんはなぜそう動くのか?ということを見つけていければ良いなと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
リハカレ認定講師 理学療法士 中嶋 光秀

 

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