背臥位姿勢からみる寝返り
姿勢分析の背臥位シリーズも4回目。
今回は姿勢からみる寝返りについて。
背臥位の筋緊張の分布がわかると、どちらに寝返りやすいのか?
が予想できますよというお話でした。実際に皆さんで動いてみてくだいさいという
締めでしたが、実際どうだったでしょうか?
上図のように、全体が右に回転しているような右に回転しやすい傾向というのは予想ができますが、
大抵の場合、上半身と下半身が骨盤付近を境にねじれていることが多いと思います。
アクティブでの寝返り動作ではなかなかわかりずらかった方は、まずはパッシブで寝返りさせてみましょう。
他動運動で寝返りをみるメリット
先程の図のように全体が右に回転している場合、他動的に右側へ寝返りさせると、簡単に回転していきます。
その際の動作パターンも寝返りの正常パターンとも言われる、頭頸部&上肢の動きから始まる屈曲パターン
を呈すことが多いです。
では逆の左側へ他動的に寝返りをさせるとどうなるでしょう?
よくみられるパターンとしては、頭頸部の屈曲回旋や右肩甲帯のプロトラクションが起こらず、
伸展方向に突っ張りながら、肩と骨盤で突っかかりながら「よっ」と乗り越えて側臥位になると思います。
たとえスムーズに回転できたとしても、パターン自体は伸展パターンを使うことが多いはず。
つまり、筋緊張の分布の左右を見て、他動的に寝返りをさせてパターンや抵抗感をみると、
余計な筋力を使わない、素の寝返りがみえてきます。
背臥位の姿勢と、筋緊張の分布から、この人がどんなパターンを使って寝返る傾向にあるのか?
ということがみえるので、実際に寝返りをしてもらった際に使う代償動作も「それならそう使うよね〜」
というように悪いものではなく、必要だから使っているという視点に変わってきます。
代表的な代償動作としては下肢で床を押して回転する方法があります。これも、回転しにくいから
下肢で床を押しているので、「なぜ回転しにくいのか?」というところを姿勢分析から探してみると、
代償動作を減らすことができるかもしれません。
姿勢分析を考えるのに、背臥位はとても使いやすい姿勢です。姿勢アライメント、筋緊張の分布、プラスして
関節可動域とMMTがあれば、大枠の姿勢分析はできるはず。
またまた同僚を捕まえて、背臥位から寝返りをパッシブでしてみましょう!
また違った発見があるかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
リハカレ認定講師 理学療法士 中嶋光秀