「作業療法士の苦手克服講座」新シリーズ「作業療法レシピ集」です。
【まとめ記事】精神科作業療法・精神科リハビリテーションの基礎知識
*アクティビティの構築や概念、作成例、領域外の案などをまとめています。
前回まで
作業療法レシピ集(01)作業療法レシピ集ってどう?
作業療法レシピ集(02)ネタ切れせずに毎週集団レクを続ける方法
作業療法レシピ集(03)集団レクリエーションのバリエーションを増やす方法
作業療法レシピ集(04)ストーリーネタの例を紹介!
今回は「ネタ切れせずに毎週集団レクリエーションを続ける方法」を紹介します。
Table of Contents
■集団レクリエーションを行う頻度は?
精神科作業療法に限らず、デイケア、老健、通所リハなどでは、集団で行うアクティビティを採用していますね。
もちろん、集団によって(集まった人、集めた人、目的、障害の内容)、行うこと、行えることが変わってきます。
施設の方針によっては、毎週、あるいは毎日午後は集団で行うアクティビティを運営しているのではないでしょうか?
■ネタ切れはすぐにやってくる?
正直な話、既にネタ切れしているのではありませんか?
特に新人さんは、この先毎週毎日アイデアを捻り出さなければならいとヒヤヒヤしているかもしれません。
中堅になれば、マンネリ感は否めないから、同じ内容でも雰囲気を変えたいと思うこともあるでしょう。
そんな時、
- ベテランさんたちが行っているひと工夫
- 新人さんのフレッシュなアイデア
- 中堅さんのやってみたいけど前例が気になって踏み出せないアイデア
を共有して、実現のヒントにできたらいいな、と思いませんか?
■アレンジ歓迎!最初の一歩を踏み出すためのレシピ集を作りませんか?
ということで、この「作業療法レシピ集」シリーズでは、
- 困った時のヒントに
- 最初の一歩を踏み出す勇気の一助に
- アレンジしてくれることを期待して
みなさんの行っているアクティビティやアイデアの断片を集め、レシピ集を作っていこう!としている次第です。
とはいえ、全く何のレシピも無いのでは、面白くありませんね。
そこで、まずは筆者の持ちネタや思考回路を紹介していきますね。
■ネタ切れせずに毎週集団レクリエーションを続ける方法
ようやくですが、タイトルの内容です。
僕の話をすれば、正直言って毎週集団レクリエーションのネタを捻り出すのが大変でした。
毎回大きく内容を変えると患者さんが混乱するかな?ということもあり、おおまかなジャンル分けをしたなかで行ってきました。
*プログラム紹介編を参照
【作業療法士の苦手克服講座】[まとめ動画]新人OT向け 身体に働きかける作業療法!動画講義を公開します!
ですが、それでも毎回同じことを繰り返すわけにもいきません。
そんな時に、バリエーションを増やした方法を紹介します。
◆テーマは変えても実施内容は変えない
今回紹介するバリエーションを増やした方法は……
「テーマは変えても実施内容は変えない」です。
このままでは一体何を言っているのか分からないですよね。
ここで言う「テーマ」は、全体の雰囲気を作るための物語性を指します。
対して「実施内容」は、リハビリテーションとして期待する効果に合わせた具体的なプログラム部分を指します。
◆実施内容を変えない理由
実施内容から先に解説します。
実施内容は、基本的には変えません。
例えば、集団の大目的が「身体感覚の回復」で「リラクセーションストレッチ」の実施と設定したのなら、その目的の期間中に行う具体的な内容は変えずに継続して行います。
この例に理由をつけるなら、
「目的に合致した内容を継続して行う為に、頻繁に実施内容が変わることを避け、安心して取り組んでもらうため」
といったところでしょう。
目的を置き去りにして、マンネリ感の打破を優先しては本末転倒です。
◆テーマを変える理由
テーマは雰囲気、とお伝えしました。
テーマを変える理由としては、先に言った通り「マンネリ感の打破」もそうですが、同じ実施内容でも夏と冬は同じにならない、と言えばいいでしょうか。
病院や施設のなかは、一定の環境が整えられており、中でただ生活をしているだけでは季節感を気にせずに過ごせてしまいます。
そこで、あえて季節感のあること、月々のその土地で行われる行事を取り入れるなど、同じ実施内容であったとしても、参加者が感じる雰囲気を変えることによって、違った印象を与えるようにします。
◆極端に言えば言葉巧みに場を動かすこと
「テーマは変えても実施内容は変えない」
既にピンときた方もいるかもしれませんね。
極端な言い方をすれば、その季節にあわせた「前説」をするだけでも雰囲気が変わると言うことです。
「リラクセーションストレッチ」と「4月」や「花見」を組み合わせたらどうでしょう?
普段はストレッチをする際、「腕を気持ちがいいと感じるところまで上げて~」と言っていたとします。
そこに「花見」をテーマにした際は、「見上げた桜の枝に手が届くように上げてみましょう」と言い換えます。
言葉だけでもテーマに合わせて演出することができます。
もちろん、あらかじめお花紙などで、桜の花びらを作っておいて部屋に撒いておいたり、桜の木を模した絵や造形物を配置しておくのもいいですね。
準備できる時間にあわせて、テーマの演出をチョイスしていきましょう。
■まとめ
今回は「ネタ切れせずに毎週集団レクリエーションを続ける方法」の基本になる考え方を紹介しました。
次回は更にバリエーションを広げるアイデアのヒントをお伝えしますね。
お楽しみに。
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本日も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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■ 参考資料