「作業療法士の苦手克服講座」新シリーズ「作業療法レシピ集」です。
【まとめ記事】精神科作業療法・精神科リハビリテーションの基礎知識
*アクティビティの構築や概念、作成例、領域外の案などをまとめています。
前回まで
作業療法レシピ集(01)作業療法レシピ集ってどう?
作業療法レシピ集(02)ネタ切れせずに毎週集団レクを続ける方法
作業療法レシピ集(03)集団レクリエーションのバリエーションを増やす方法
作業療法レシピ集(04)ストーリーネタの例を紹介!
今回は「集団レクリエーションのバリエーションを増やす方法」を紹介します。
Table of Contents
■お知らせ:アレンジ歓迎!最初の一歩を踏み出すためのレシピ集を作りませんか?
ということで、この「作業療法レシピ集」シリーズでは、
- 困った時のヒントに
- 最初の一歩を踏み出す勇気の一助に
- アレンジしてくれることを期待して
みなさんの行っているアクティビティやアイデアの断片を集め、レシピ集を作っていこう!としている次第です。
とはいえ、全く何のレシピも無いのでは、面白くありませんね。
そこで、まずは筆者の持ちネタや思考回路を紹介していきますね。
■前回の振り返り
前回は、ネタ切れしない方法を紹介しました。
プログラム構築の基本となる考え方の内容でしたね。
参考になっていたら嬉しいです。
チャレンジ報告やご意見などがあれば投稿フォームよりお知らせくださいね。
■集団レクのバリエーションを増やす方法
今回は「集団レクのバリエーションを増やす方法」です。
前回「テーマは変えても内容は変えない」とお伝えしたものの、「テーマ」が見つからない!というご意見がありました。
確かにそうですね。
なので、バリエーションを増やすためのアイデアの種……3つのネタパターンを紹介します。
◆季節ネタ
最も使いやすく、目的に合わせやすいネタ。
「年中行事」などと検索するとすぐに出てきますね。
【季節の行事2022年一覧】専門家に聞く暦と由来、行事の楽しみ方(引用:イエモネ)
季節感を感じてもらいつつ、身体外界の変化に気づき、感覚刺激をしながら身体感覚の調整をしていくには使いやすいです。
何より、毎月3〜4のイベントがあるので、テーマの元ネタには困らないですね。
5月なら端午の節句、6月は紫陽花、7月は七夕、8月は盆踊り、9月は納涼、10月は体育祭……
と、メジャーなものだとスタッフ間でネタの奪い合いになりそうですね。
そこでもう一つ紹介しておきたいのが「七十二候」です。
七十二候(しちじゅうにこう)とは、古代中国で考案された季節を表す方式のひとつ。 二十四節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間のこと。 各七十二候の名称は、気象の動きや動植物の変化を知らせる短文になっている。(Wikipediaより)
患者さんへのウェルカムカードとして作ったりもしましたが、とにかくネタが豊富です。特に「日本の七十二候を楽しむ」という本は72ある季節毎に詳しく小ネタが記載されており、他のOTさんがメジャーなものを先にやっちゃった時に重宝しました。
◆時事ネタ
季節ネタよりやや難易度が上がります。
いわゆる「朝のニュース」をネタにします。
最近話題の……と言うように、ニュースなどで取り上げられた話題をテーマに行います。
「スポーツ」、「芸能」、「国内外の話題」、「経済」、日々時事ネタも溢れます。
変わらない、平板化した日常を送りがちな入院、施設生活。
世の中で何が起きているのかを気にしつつ、社会活動につなげていきたい時などに用います。
大人数の集団レクでも結構使いましたが、SSTなどの小集団で社会復帰訓練のセッションとの親和性が高いですね。
ちなみに、2022年4月15日現在で言えば、「ウクライナ情勢から買い物値上がり」、「藤子不二雄A先生追悼マンガの思い出」などなど……
「時事ネタ」×「身近な日常」という公式で考えています。
◆物ネタ
担当していたOTさんが病欠したり、お子さん関連で早退した時、御鉢が回ってきますよね。
緊急事態です。
季節ネタや時事ネタのように、ある程度仕込みが必要な内容をするには準備時間が足りません。
あなたなら、どうしますか?
と、いうことでOT室の棚や倉庫を見回して、物……道具を手に取り、組み立て行きます。
そう、あくまで物ありきのネタです。
なので……難易度は高めです。
以前、当時の同僚に教えてもらい、学生さんとみんなで練習した方法を紹介しますね。
「〇〇で遊ぼう」という思考の瞬発力を上げる練習法です。
参加者で円になり、◯◯……バスタオルなどを1つ準備します。
そして、その○○を使って、一人30〜1分間遊んで見せます。
一人が実演したら、隣の人にその◯◯を渡し、また実演……とそれを繰り返していきます。
バスタオルの例で言えば……
「幽霊のモノマネ」→「猫のモノマネ」→「女優になって演劇」→「棒状にしてストレッチ」→「自分の身体どこから洗う?」→「タオルチャンバラ」→「手を使わない風船バレー」→「綱引きゲーム」→「小林幸子のモノマネ」→「切って丸めてキャッチボール」……
と、発想の赴くままに色々な遊びネタを捻り出しました。
あとは、緊急時に慌てないよう、余裕のある時に、患者さんと道具作りをしておくのもいいですね。
「連射できるゴム鉄砲」をパラレルな場で作って遊び、好評ならいつか緊急時にそれを持ち出す……なんてこともありました。
ゴムを仕込むのに時間がかかり、改善の余地ありでしたが。
糸電話で伝言ゲームとかもしましたね。
ホワイトボードでお絵かき連想ゲーム。
行事で使った衣装を引っ張り出してきて、ジェスチャーゲームとか。
時間をかける余裕があるなら、大型の道具を作っておくのもいいですね。
2010年当時、段ボールで巨大な携帯電話を作り、使い方の解説をしたOTさんもいました。
というように、条件が色々出てきちゃいますが、物ネタはバリエーションを無限に広がられるのでオススメす。
■まとめ
今回は、「季節ネタ」、「時事ネタ」、「物ネタ」を紹介しました。
日々のレクリエーションネタに困っている方のヒントになっていれば幸いです。
実は最も難易度が高い「ストーリーネタ」と言うものもありますが、ちと難解なので今回は割愛しました。
今度、メンバーシップ限定で公開しようかしら……
お楽しみに。
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本日も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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