肩関節周囲炎の評価ポイント③

前回は、肩関節周囲炎の回復期で介入に必要な
肩関節の基本的な動きの確認をしていきました。

まだ確認されていない場合はこちらから
肩関節周囲炎の評価ポイント②

本日は、まず最初にみていきたいポイントとして
胸鎖関節の動きとその評価方法について整理していきましょう。

1 胸鎖関節の構成

胸鎖関節は、鎖骨の胸骨端と胸骨柄の鎖骨切痕との間で関節を形成します。

胸鎖関節内には鞍関節に分類されますが、関節内に関節円板が存在し、関節の適合を高めつつ3軸の動きを可能としています。

3軸の動きが可能としており、鎖骨の運動の自由度を担当し、鎖骨運動の支点としても働きます。

(引用:筋骨格系のキネシオロジーより)

 

2 関節の動き

胸鎖関節の関節円板により、鎖骨の3軸の動きが可能となっています。
具体的には、鎖骨の外側端は前方に10cm,後方に3cm動く。
また,この関節では,第3番目のタイプの運動すなわち30°の軸回旋が生じる.

では、肩関節が動くときには鎖骨はどのように動いているのでしょうか?
鎖骨は屈曲時に挙上と後方回旋が生じます。
この動きがない場合は、肩甲胸郭関節の動きを制限してしまい、
肩関節の可動域制限の要因の1つとなります。

(引用:カパンディ関節の生理学より)

3 評価方法

この胸鎖関節の動きを評価するためには、
どのようにすればいいのでしょうか?

簡単な方法としては
下の写真のように胸鎖関節を触診し、
他動的に屈曲させたときの鎖骨の動きを確認することです。
胸鎖関節に可動性があった場合は鎖骨の動きが確認できますが、
可動性が低下している場合には、鎖骨の動きが感じられません。
この場合には、しっかりと胸鎖関節のアプローチをし、
検証していくことが重要となります。

4 まとめ

いかがだったでしょう?
肩関節周囲炎の評価をするためには、
しっかりと肩関節のそれぞれの動きを知っておくことが重要です。
ぜひ、臨床で様々な人の胸鎖関節の動きを感じてみてください。

最後まで読んでいただき

ありがとうございます。

作業療法士 加藤淳

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