前回、前々回に引き続き、筋肉博士こと東京大学石井直方教授に、IAIRの森本とシドニーオリンピック競歩日本代表の柳澤哲さんで、独占インタビューをさせていただきました。
前々回の記事はこちら。
「筋肉博士こと東大石井直方教授に聴く。ウォーキングの価値と魅力!!〜東京大学石井直方教授。独占インタビュー報告Vol.1〜」
前回の記事はこちら。
「ウォーキングが健康に及ぼすエビデンスとは!?〜東京大学石井直方教授。独占インタビュー報告Vol.2〜」
(※東京大学石井直方教授:プロフィール)
森本)
ずばり、理学療法士や作業療法士が健康増進に関わることができるか否かというとどうでしょうか。
石井教授)
もちろんできると思います。
例えば「歩き過ぎで問題が起きる」というのはあまり顕在化していないとは思います。それに膝が痛くなってきて、それで変形性膝関節症になると言う方もいますよね。日常生活の中で(負担の大きい歩き方を)繰り返してしまうから、膝関節症になってしまうわけですよね。そうならないためにも未然に防ぐということも非常に大事だと思います。
そういう点で「負担の大きい歩き方」を、ずっと長年やってることによってだんだん関節の障害が進んでしまうといくのは、絶対にあるはずなので、そうならないためにも早い時期から、世の中の多くの人に膝や腰が痛くならないような歩き方というのを啓蒙していくというのが重要なポイントだと思います。
森本)
サルコペニアとかフレイルとか MCIとか認知症の前の状態に対して、医学的には診断がしづらいようなものに対しても、ウォーキングって有効だなと個人的には考えています。運動生理学的にサルコペニアとかフレイルの方に、ウォーキングが有効とお考えでしょうか?
石井教授)
サルコペニアに関して言うと、少なくとも普通に何も考えずにただウォーキングしていたんでは十分には抑えられないと考えています。
それは、一つは信州大学のデータなんかでもそうですし、 工夫したウォーキングさえすればプラス効果って出てきます。当然、ただ漠然と歩いてるだけでは、ただあまり効果は得られないですよね。<以下に効果を得られる方法で行うか?><いかに筋肉や骨の動きというものをどう動かすか?><どういうウォーキングをすればサルコペニアの予防につながるのか?>啓蒙と研究、両方が必要ですよね。
現在の様々なエビデンスから見えるのは、毎日30分ぐらいウォーキングをするというのは習慣としてはとても良いことですし、認知症予防にも効果があると疫学的に言われています。しかし、それだけを漠然と続けていても、やがて筋力が落ちてきて歩けなくなってきてしまう危険性もあります。それだったらウォーキングをする前に、例えば10分間スロートレーニング(※)をやってから歩きましょうとか、筋肉にも刺激が加わってそれを使ってウォーキングをするというのもいいでしょう。
※関節を伸ばしきらない、ゆっくりとした動作で行うエクササイズ。
(Amazon:https://www.amazon.co.jp/スロトレ完全版-DVDレッスンつき-石井-直方/dp/4471034081/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1553003676&sr=8-1&keywords=スロトレ)
石井教授)
ウォーキングの仕方によってはスポーツ的な要素を取り入れたりとか、そういったことで十分に筋肉に対しても強い刺激が入る動きが出来るわけなので、そういったことも考えていくべきでしょう。
フレイルなどに関して言えば、歩行速度が落ちていくというのがフレイルの一つの判定要素の重要なポイントになってくると思うんです。歩行速度が落ちてくるというのはやがて【歩けなくなってくるという過程】と考えることができるので、より安定した方法でウォーキングができるようにするには何が必要か?そのために必要な筋力のトレーニングもありますし、それだけをやるんではなくて、最終的に歩行速度というのは若い時のように戻してくると思いますので、どういう風に戻して行くのかっていうのにも歩行の専門家が関わらないといけないと思うんですよね。
「速く歩きましょう!」ではなく、速く歩くために、【ピッチが早いのか?】【ストライド大きくするのか?】【個人の問題点がどこにあるのか?】というのを考えていくのが非常に重要だと思います。
なので、フレイルという観点でもウォーキングはすごくキーポイントになると思います。
僕らの研究でもウエラブルセンサをつけて、外を普通に歩行してもらって、それを分析することによってフレイルの予兆とかプレフレイルになった状態とかっていうのが検出できたりすればいいなと研究しているんですけどね。なかなかそれは難しいはっきりというものが出てこないんですよね。
おそらくそういうのはじわじわと歩行パターンが悪くなってきて、スピードが遅くなってきてとか、段々とで、一変にポッと出たりとかそういうわけではなく、じわじわ進んでいくと思うんですよね。そういう予兆が出てくるというのがいいな、と思いながらやってます。
森本)
そこは、なかなかデータとして出づらいところですよね。
石井教授)
そういう研究は、ウォーキングの専門家と一緒に進めていただくのが良いかと思います。あんまりウォーキング専門家じゃない研究者がやっているものですから(笑)数学的な処理をして、自己相関がどうかとか、、、専門家に診てもらった方がこの辺りのポイントがハッキリするかなと思うんですよね。
森本)
何かご協力できることがあれば是非やらせてください。
柳澤先生)
以前、石井先生にお会いしたときに、ウォーキングのイベントと研究を一緒に出来たらいいな。とお話をしていたかと思いますが、今何かお考えになっていることはありますか?
石井教授)
基本的には研究のための測定ではなくて、そのデータを見て専門家がアドバイスをやってあげます。っていう風な形のイベントにすればいいと思っています。そこで取れたデータを研究に使わせていただくという流れです。
森本)
お客さんからすると物質的な解析があったらいいですよね。
イベントなので楽しくていうのが前提で。せっかく東大周辺を観光しながら歩くとか。そして僕らの専門家からのフィードバックがあるというのが良いのかなと思います。
ついでと言ってはなんですが、ウェアラブル端末を使ってデータを取って、後はアンケート調査をしてそれで解析するというぐらいでいいのかなと思っています。
柳澤先生)
それでこういうアンケートに答える人はこういう傾向歩き方の傾向があるよね、みたいなのが取れればいいですよね。
だから僕のイメージでいうと、9月くらいを想像しています。
その頃にはウォーキング療法士の先生方も最低でも2〜30人に増えていると思うんですよね。
石井教授)
一番の目玉は、【個別的な指導で今一番あなたに良い歩き方を考えながら歩きましょう!】【実際にウォーキングして行きましょう!】というような形ですね。
森本)
そこで取れたデータを元に、”学会発表なども行っていきたい”と考えています。先生はいつもどこの学会に所属されているとかはありますか?
石井教授)
ウォーキング関連は基本的には、<体力医学会>とか<ウォーキング学会>とかですね。
サルコペニアとかにも触れるので<老年医学会>も行けそうな感じですね。あとは、理学療法学会、リハビリテーション医学会くらいですね。
森本)
ありがとうございます。それでは、そのイベントまでに研究のプロトコールを作ってプロジェクトチームで進めさせていただきたいと思います。
森本・柳澤先生)
石井先生、今回は貴重な時間をありがとうございました。
今後とも引き続き、よろしくお願い致します。
【ウォーキング療法士の具体的活動】
ウォーキング療法士は様々な活動を通して、関わるすべての方のQOLにお応えします。
【クラブツーリズム様との旅行プログラム】
<ハイク初級>『★元オリンピック選手&ウォーキング療法士と歩こう★奥庭・御中道ハイキング』
【各地のウォーキングイベントでのサポート】
医療従事者に限定した『ウォーキング療法士(医学的裏付けを基礎に”歩く”を科学した専門職)』の資格認定制度を構築しています。
しおやでは、79.3km地点となる道の駅湧水の郷しおやにてIAIRのウォーキング療法士によるボディーケア用ブースが開設されます。
ぐんま、つくばでも同様のブースの開設が予定されています。
【健康経営サポート】
【株式会社ラフール 会社概要】
社名:株式会社ラフール
本社所在地:〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2-9-5 日進ビル7F
設立:2011年11月30日
代表:代表取締役社長 結城啓太
事業内容:メンタルヘルステック事業・スリープテック事業・コンサルティング事業・保育園事業・有料職業紹介事業
コーポレートサイト:http://www.lafool.co.jp
【ウォーキング研修会】
行政や企業など、場所を問わずウォーキングに関する研修会を受け付けます。
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<サポートウォーキングイベント>
○地獄の100km vol.3 しおや100キロウォーク
2019年4月13日(土)~14日(日)→https://www.shioya100.com/
○第9回ぐんま100kmウォーク
2019年5月11日(土)~12日(日)→http://gunma100kmwalk.com
○2019つくば100kmウォーク
2019年5月25日(土)~26日(日)→https://www.tsukubarinrin100.com
○408ウォークVol.5 2019
2019年8月11日(日)→https://www.408walk.com
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