肩関節周囲炎の評価ポイント⑥

シリーズでお伝えしています、
肩関節周囲炎の評価ポイント。
前回までに
・胸鎖関節
・肩鎖関節
・肩甲胸郭関節
の評価法について整理していきました。

今回は最後の肩甲上腕関節について
整理していきましょう。

1 肩甲上腕リズムの構造

肩甲上腕関節は上腕骨の大きな凸状の骨頭と凹状の浅い関節窩で形成されています。

この構造は非常にゆるい結合をしており、関節の安定性は骨性の適合によるものではなく、
関節周囲の結合組織によってもたらされる他動的緊張や筋による自動的な力に依存しています。

安定性をもたらせている組織は具体的には以下の組織になっています。
・腱板筋
・肩甲上腕関節の関節包靭帯
・烏口上腕靭帯
・上腕二頭筋の長頭腱
・関節唇

(引用:筋骨格系のキネシオロジーより)

2 何を評価する?

肩甲上腕関節の評価でしっかり診ておきたいポイントの1つに
臼蓋上腕リズムがあります。

臼蓋上腕リズムとは、
関節窩に対して、上腕骨が回旋などをしていく動きのことを指しています。
具体的には以下のように動いています。

肩関節運動関節窩上の骨頭の動き
挙上0°〜90°回旋
90°〜180°下方+後方スライディング
下制180°〜90°上方+前方スライディング
90°〜0°回旋
外転下方+前方スライディング
内転上方+後方スライディング

(引用:整形外科運動療法ナビゲーション)

この表を確認すると、肩関節の動きが生じる時に、
骨頭が安定し、関節内運動が生じいることが重要となります。

この動きが安定して生じているか?どうか?を評価していくことが
肩甲上腕関節の評価に繋がっていきます。

3 どう評価する?

上記で整理した通り、
骨頭が安定して動くことが可能か?をしっかりと評価していきましょう。
そのために、しておきた評価が
・1st
・2nd
・3rd
の肩関節の各ポジションです。
この各ポジションで内外旋を評価することで、
肩甲上腕関節のさまざまな組織の評価に繋がっていきます。

臨床では、しっかりと各ポジションを評価していきましょう。

4 まとめ

肩甲上腕関節は、
周囲の結合組織に依存して安定しています。
その結合組織をしっかりと評価していくことが、
評価となります。
ぜひ、臨床で各ポジションを評価し、
仮説に繋げていきましょう。

最後まで読んでいただき

ありがとうございます。

作業療法士 加藤淳

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