【作業療法士の苦手克服講座】集団療法の組み立て方(3)「基本のん?」で学ぶ集団療法に加える要素とは?

集団療法3

「集団療法の組み立て方」をテーマにお話しする3回目。
前回は、集団療法を組み立てる上で考えておきたい「構造」を確認しました。

今回は、サイトー流ということで、応用編に近い内容をお話しします。

 

■集団療法の組み立て方の概要

今後、紹介する内容と順番をザックリ紹介しますね。

    1. 集団療法とは?定義と基本的な考え方
    2. 集団療法の基本構造
    3. サイトー流の構造

こんな流れで考えています。
全3回、今回が最終回です。

 

■今回も先に注意点を!

発見

今回は応用編です。筆者サイトーが組み立てる際に注意していたポイントをお伝えします。
前回までの「目的・目標」や「構造」に加え、プラスアルファの部分をお話ししています。
今回初めて読み始めた、という方は1回目2回目を必ず読んでおいてくださいね^^

 

■集団療法にはつかみが必要だ!

つかみネタ

ということで「集団療法にはつかみが必要」とまずは主張したい。
というのも、患者さんに「前回何をしたっけ?」と先週の内容を想起してもらおうとしても……
「何してたっけ?」と、覚えていないんです!

記憶に残るリハビリになっていなかった……結局そういうことですよね。

だったら、まずは覚えていてもらえる、そしてリハ室から出ても時々思い出してもらえる、そんな構成をしなきゃ!と僕は考えました。
その手段の一つが「つかみ」なんですね。

 

■つかみを何故いれるのか?

対応に困る

集団療法をおこなううえで、その場だからできることを考えますよね。
治療因子として何を提供するかを考え、そのためにその場をどのように用いるのか……と組み立てます。
ですが、その内容に入る前に、患者さん達は病棟からリハ室に来たばかりで、まだ集団療法を行う場に馴染めていません。
そこで馴染んでいただくために「つかみネタ」を入れるんですね。
SSTなどでもウォーミングアップゲームをしてから始めますよね。アレです。

 

■つかみの効果

記憶

とはいえ、やみくもにネタをぶち込めば良いワケありません!

確かに、場を和ませて、緊張をほどき、本日のテーマ、内容を始めるという黄金パターンでいくなら、時事ネタ、季節ネタ、ニュースなどから話題を膨らませるだけでも「つかみネタ」になります。

なりますが、まだ片手落ち。

「つかみネタ」は「伏線」でなければなりません!

「つかみネタ」で行ったミニゲームや話題、クイズなどなどの回答やオチが、本日のテーマで行う「必ず覚えて帰ってほしい内容」とリンクさせることがポイントです。

そうすることで「一貫性」がうまれ「記憶に残るリハビリ」へと変貌します。

 

■つかみ作成例

フラグ伏線

では、つかみをどのような手順で作っていくのかを紹介しますね。

    1. まず最初に考えることは、その日に何を提供するのか、その目的と目標の確認です。
    2. 目的と目標を確認したら、その内容のなかで最も伝えたいことを抜き出します。
    3. 最も伝えたいことの骨組みは変えずに、どんな肉付け(つかみネタ)をするか考えます。

例えば……

    • 何を提供?:自分の病気について学ぶ学習プログラム
    • 目的・目標は?:普遍的体験、同じ病いや障害を生きる人たちからの情報、体験の共有
    • 最も伝えたいことは?:普遍的体験
    • どんなつかみネタ?:自分が記憶力は悪いという先入観や固定観念を壊す記憶ゲームを行う。

つまり、学習につなげるために、記憶力が悪いという先入観というだれもが何となく感じているが言語化しないことを共有する機会を、誰も傷つかない、難しいけどシンプルな記憶ゲームを準備することで提供する。

これが普遍的(私だけじゃなかった)体験を安心できる場で提供したうえで、本題に入るつかみネタの一つです。

 

■つかみネタはテーマにあわせて無限大

「つかみネタ」ときいて、何か壮大なものを考えなければ、と思ったかもしれませんね。

でも、そんなことはありません。

今回のネタ自体は「記憶ゲーム」ですし、よく使うものは「連想ゲーム」や「表情ゲーム」、「体操」など皆さんもご存知のものばかりです。
ただ、ゲームの内容と本題となるテーマをリンクさせただけです。
つかみネタは「ゲーム」と「テーマ」の掛け算です。組み合わせ次第で増えていくので試してみてくださいね。

 

■記憶に残るリハビリの構成

さて、最後に「記憶にのこるリハビリの構成」なのですが、実はこのお話しだけで数時間話していられる内容になっています。
なので、今回は割愛!
以前朝活でいくつか紹介した動画がありますのでご視聴いただければと思います。

脳と学習のメカニズム

記憶に残るリハビリ

 

■まとめ

今回はサイトーが行っている応用編として、「つかみネタ」を冒頭に仕込む例をお話ししました。

本題のテーマ」と連動するように「一貫性」を持たせることで、「記憶に残るリハビリ」にすることができます。

もちろん、単に記憶に残る方法ではなく、目的や目標に応じて「本当に覚えておいて欲しいこと」を持ち帰っていただける方法の一つです。是非、今あなたが行っているプログラムに付け加えてくださいね。

 

現在、ご要望もあり「集団療法のつくり方」をeラーニング教材またはLIVE講義にむけ準備中です。
内容をいち早く知りたい方は、リハビリカレッジの公式LINEとお友達になって、トークで「集団療法」とコメントをくださいね^^
優先してお知らせできるよう頑張ります!

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本日は、最後まで読んでいただきありがとうございました。

サイトー
リハカレ認定講師 齋藤 信

 

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参考文献

 

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