日本の65歳以上の高齢者は2017年度で3,515万人であり、その内、推計認知症者数は520万人程度と言われている。
(参考:高齢者白書 平成30年度版)
要介護等になる原因としては、「認知症」が18.7%ともっとも高く
臨床においても
・認知症の症状への介入
・認知症を併発している人への身体的介入
に悩んでいる療法士が多いのではないでしょうか?
基本的な介入方法として
介護予防マニュアルでは
介護予防とは「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらには軽減を目指すこと」と定義されている
(引用:介護予防マニュアルより)
では、この実践を具体的にはどのように進めて行けばいいのか?
今回からは認知症をテーマに整理していきましょう。
1 認知症とは
まずは認知症について整理していくために、
病態を理解していきましょう。
認知症の診断基準は
・ICD-10
・NIA-AA
・DSM-5
など様々あり、定義つけられていません。
認知症疾患ガイドライン2010では
一度正常に発達した認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態をいい、それが意識障害によらないもの
とされています。
ここでのポイントは、
『認知症は脳の障害であること』
と理解しておきましょう。
2 原因疾患
認知症症状をきたす疾患は様々です。
代表的なのが、大脳皮質の病変によって発症するアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症です。
割合に関しては全国7都市の調査結果から
・アルツハイマー型認知症 67.6%
・血管性認知症 19.5%
・レビー小体型/パーキンソン病の認知症 4.3%
となっています。
(引用:認知症をもつ人への作業療法アプローチ)
3 認知症の症状
認知症の症状は
・中核症状
・周辺症状(BPSD)
の2つに分けられます。
(引用:認知症をもつ人への作業療法アプローチ)
中核症状は脳の器質的な障害が現にであり、記憶障害や実行機能障害が当てはまります。
周辺症状は脳の障害に加えて、環境や心理的な状態などの二次的な影響により、妄想や徘徊などがあわられる症状であり、
最近では「認知症の行動・心理症状」と呼ばれてもいます。
ここでポイントとなるのが、
BPSDは認知症の重症度や個人の心身の状態・環境因子によって影響を受け症状は変化するが、
全ての人に現れるわけではないということです。
逆にいうと、療法士としてその人の環境や心理状態に対して
考慮していくことでその人の生きやすさをサポートすることが可能ということです。
4 まとめ
認知症の症状で、
悩むことが多いのが、BPSDです。
しかし、療法士がICFでみていくことで色々と対応方法が見えて来ます。
そのために、まずは、認知症について1つ1つ整理していきましょう。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
作業療法士 加藤淳
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