食事動作の見るポイント②

前回は、上肢機能に必要な股関節の動きを整理しました。
右にリーチングする際
・右股関節は伸展
・左股関節は屈曲
することで、バランスが整い、安定した上肢操作となります。
まだ読んでいない方はこちらから

食事動作の見るポイント①

本日は上肢操作で股関節の他に見逃しがちな動きを整理していきましょう。

1 上肢はどう動くのか?

上肢の各関節はどのような役割を担っているのでしょうか?

このように各関節は上肢を的確に動かすためにそれぞれの役割を担っています。
食事動作を見る際には、
それぞれの関節が担当している役割を担えているのか?
を観察していきましょう。

 

2 注目するべきポイント

上記の各関節の機能で注意するできポイントがあります。
それは肩関節です。

肩関節は大方向を決定する役割を持っています。
しかし、この方向を決定するには肩関節だけではありません。

肩関節以外で大方向を担当しているのが体幹です。
体幹が回旋することで、操作したい目的物の正面と向き合えます。
つまり、脊柱の回旋も上肢の方向を決定するために必要な要素となります。

みなさんも、意識して動作をしてみると
物を取る際に肩関節と同時に体幹の回旋が生じ、
方向を決定していることが体感できると思います。

3 脊柱の回旋に必要な要素は?

では脊柱が安定した回旋をするためにはどのような要素が必要なのでしょうか?
まずは関節の動きを確認すると

体幹の回旋要素で多くを占めているのが上部胸椎です。
つまり上部胸椎の動きをしっかりと評価していくことが必要です。

次に脊柱の主動作筋を確認していきましょう。
回旋時に主に動くのは
・内腹斜筋
・外腹斜筋
となっています。

この2つの筋は以下のように協調的に働き、
脊柱を回旋させます。
つまり、腹斜筋のMMTを測定しておくことが必要になります。

4 まとめ

上肢が機能する際には
まずは上肢の方向を決定します。
そのためには肩関節だけでなく体幹の回旋も必要です。

ぜひ体幹の回旋に必要な
・上部体幹の可動性
・腹斜筋の筋力
を測定していきましょう。

ぜひ臨床で意識していただき、動作分析から評価へつなげていきましょう。

最後まで読んでいただき
ありがとうございます。


作業療法士 加藤淳

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