『OTさん、〇〇さんの食事をみてもらえますか?』
と依頼が来た時、どきっとしませんか?
それは、
・どこを見ればいいのかわからない
と悩んでいるからではないでしょうか?
今回から、食事動作をみるときに知っておきたい
基礎的なリーチングの知識を整理していきましょう。
動作の基礎的な機能解剖を知っておくことで、
実際の動作をみる時の視点が絞られます。
Table of Contents
1 上肢はどう動くのか?
上肢が機能的に動くためには体幹が安定していることが条件としてあります。
例えば座位姿勢で骨盤が後傾するとどのような影響があるでしょう?
骨盤が後傾することで、円背姿勢が助長されます。
それにより肩甲骨が外転位となり、肩甲骨の安定性と可動性を失います。
肩甲骨の安定性と可動性が失ったことで上肢操作に困難さが生じてしまいます。
食事動作などの際に、上肢機能をみる際には
まずは体幹が安定しているのか?を確認しておくことが必要です。
2 体幹の見るべきポイント
では、体幹が安定して動くためにはどのような条件があるのでしょか?
ポイントは静止時と動作時の両方をしっかりみておくことです。
その中でに、みておきたいポイントを整理していきましょう。
静止時のポイント
静止時にはしっかりと安定した姿勢が保てるのか?をみていきましょう。
そのため
・骨盤の前傾が可能か?
・脊柱が生理的S字を描いているか?
をみていくことが大切です。
動作時のポイント
動作時には安定した体幹姿勢のまま動かすためのポイントがあります。
それは
・股関節のコントロール
です。
つまり、
・骨盤の状態
・脊柱の状態
・股関節の状態
をしっかりと評価していきましょう
3 意外に見逃す股関節の動き
上記でご紹介した股関節の動きですが、私が新人の頃はよく見逃していました。
ぜひ、みてもらいたいポイントです。
では具体的に股関節はどう動いているのでしょうか?
下の写真のように、左へのリーチング時には
・左股関節は伸展
・右股関節は屈曲
をします。これによりバランスをとり、リーチングを可能とします。
ご自身でも試してみるとより分かりやすくなります。
つまり股関節が能動的にコントロールすることが必要になります。
4 まとめ
食事の時に、上肢機能をみる時には体幹・股関節まで視野を広げていきましょう。
しかし、機能解剖を整理することで見るべきポイントが絞られてきます。
このように参考書と臨床をつなげてみると養成校で学んだ内容が活きてきます。
ぜひ臨床で意識していただき、動作分析から評価へつなげていきましょう。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
作業療法士 加藤淳
◇◆◇◆◇◆お知らせ◆◇◆◇◆◇
< 摂食・嚥下のリハビリテーション 〜PT・OTだからこそできる評価とアプローチ〜 >・第1回 2022年10月19日(水)20:00〜21:00
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