*2018年11月の記事を加筆修正しています。
未来のことを考えても無意味かもしれないとは思いながら、リハビリの未来のことを考えていて、こんな記事を書きました。
厚生労働省は22年先の計画を立て始めました。その内容をチェックしましょう。【リハビリの未来】
「国家資格さえ持っていればいいから」っていう仕事はしたくない【リハビリの未来】
過去や未来にとらわれず、「今」を生きよう、というのは大切なことだとは思いますが、そうはいっても未来を想定しないまま生きていると、誤った選択をする場合も出てくるので、過去に起きたことから未来を予想しながら「今」を生きるといいのだろうと考えます。
「今」を生きるというのは過去や未来を無視するというわけではありませんので。。。
さて、厚生労働省の見解や、理学療法士協会の見解はなんとなく理解できました。
リハビリの未来というテーマで見ていくと、作業療法士、言語聴覚士の未来は?というのも気になるところです。
またもやインターネットで検索していると、、、
2018年度診療報酬・介護報酬同時改定 現場の想いは届いたか
リハビリ3会長鼎談:始動する地域包括ケアシステム リハビリの目標を問い直す
リハビリ3会長鼎談:2019年消費税引き上げ その財源をどう活かすか
リハビリ3会長鼎談:ともに歩み続けるリハビリテーション3協会
というシリーズを発見しました。(マイナビコメディカルのPR記事です)
リハビリ3団体の会長の鼎談です。
それぞれの会長が、現状の認識、未来への課題などを語ってくれています。
「リハビリテーション料」と括られていることからもわかるように、国の評価としては、PT、OT、STの境界線を意識されていないように感じます。
各会長ともそこには危機感を感じられているようです。
各職種の専門性の構築を行うために、データの蓄積、エビデンスの構築を目標としています。
そして方向性として、
理学療法士であれば「介護予防事業」や「アジア進出」であったり、
作業療法士であれば「生活行為向上マネジメント(MTDLP)」を用いたイニシアチブの獲得とデータ構築、
言語聴覚士であれば「コミュニケーションと食べることに特化した専門認定制度」であったり
と、特徴を生かしたものになっています。
「リハビリテーション」を提供する、「社会復帰」を目指す、対象は誰なのかといえば、それは療法士ではないです。
患者、利用者、のように名称はまちまちですが、そういう対象者です。
その対象者が求めていること(ニーズ)は???
この「ニーズ」に応えられなければ、今後、療法士は存在していくことが難しくなります。
ニーズは様々なので、ニーズに応えようとする側は苦労するでしょう。
一つのニーズに対して、それ専門の技術者を配置しようとすれば莫大なコストになります。
そもそも、その人材は十分な数が存在していないと言われています。
専門特化した技術者(スペシャリスト)と、オールマイティーな技術者(ゼネラリスト)の両方の育成が必要になります。
その理由は、相対的な人数不足だからです。
リハビリ3団体の会長は育成制度に着手していることを述べられていました。
養成校に入学したとして、卒業までに4年、プラス1年の研修期間を合わせた5年課程でスペシャリストが育成されるとして、そのスペシャリストたちが必要な場所、国内各施設に配置完了されるのは何年後でしょう?
それまでの間、あるいは配置が叶わない施設ではどうしたら・・・
その意味では各職種の境界線をとっぱらった技術や知識に需要がありそうです。
国が評価している「リハビリテーション」を行える、理学療法も作業療法も言語聴覚療法もまたいだ知識と技能。
その技術者の育成と、スペシャリストの育成のどちらが時間が多くかかるのか、実際にはわかりませんが、例えば
・経験値のある理学療法士が作業療法分野を学ぶ
ことで、一つの境界線を超えた何かは提供できます。
・経験値のある作業療法士が理学療法分野を学ぶ
・経験値のある言語聴覚士が作業療法分野を学ぶ
などなど。
認定制度や専門技能とはちょっと違いますが、「人間を学ぶ」という意味では、自分の専門領域に他職種の技能を加えていけば、質的な意味での人材不足は解消できる可能性がありますね。
今後の労働人口については、各業種の取り合いが続きます。
現場ではハイブリッドな人材が求められていくことでしょう。
専門特化する選択肢も、ハイブリッド化する選択肢もあります。
どちらを選ぶかの自由はありますが、共通して言えるのは「学ばない者の未来は闇」ということですね。
資格があるというだけでは、もうだれも未来を用意してくれません。。。
療法士の能力を購入する対象者のニーズが多様化していくから。
多様化するニーズに応えるための数的不利が生じているから。
目標の「復帰」先である社会が複雑化しているから。
限りある財源を奪い合っている構図が生じているから。
「学ばないといけない理由」はあげればキリがありません。
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