*2018年11月の記事を加筆修正しています。
診療報酬や介護報酬の改定が起こる度に、業務が増えたり減ったりして
「もう、振り回されるのイヤだ〜」
というふうに感じたことありませんか?
保健制度の改定は定期的に行われます。
日本としても、その場の思いつきで行き当たりばったり的に決めているわけではなく、大きなプランを実行していく過程の中で「軌道修正目的」として細部を整える意味で制度改定を行っているように見えます。
2年や3年に1回だけ、決定された通知をみる程度だと「振り回されている感」を感じてしまうものです。
でも、日本という国は、細かい会議をずっと続けていて、大きな方向性を実行するためのアレコレをやっています。
そういう大きな方向性を確認すると、報酬改定が通過点にしか見えなくなってきます。
大きな方向性を見定めて準備していれば振り回されると感じることは減っていくでしょう。。。
◇社会保障制度の未来
厚生労働省は22年先の計画を立て始めました。その内容をチェックしましょう。【リハビリの未来】
という記事を書きましたが、読んでいただけましたでしょうか?
大きな方向性を確認する意味で、知っておいても損はしないと思います。
(もう一度読まれる方はこちらからどうぞ)
https://iairjapan.jp/archives/26962
先々の計画という意味では、公的な資料をあたっておいて損はないです。
例えば、これ「ムーンショット目標」。。。
オカルト系の話ではありません。
内閣府の資料です。
国として進んでいる方向をぼんやりとでも認識しておきましょう。。。
さて、タイトルに【リハビリの未来】とつけたわけですが、そんなことを気にしているのは少数派だろうか?と思い、「リハビリの未来」というキーワードでググってみました。(Google検索)
◇リハビリの未来は?
そうしたら、、、
公益社団法人 日本理学療法士協会の半田会長の投稿(PDFファイル)が上位表示されます。(2018年11月5日現在)
2020年8月現在では、順位に変動ありますが1ページ目ですね。
早速読んでみました。
「未来へ発信! 新たな理学療法戦略を探る」のリンクはこちら。
◇日本理学療法士協会が描く未来
日本理学療法士協会 会長の投稿ですので、理学療法士ベースで話が進みます。
理学療法士協会として、「理学療法」というもの、「理学療法士」という職業、役割について、この先どのように考えているのかが書かれています。
理学療法士の資格を持っている自分が、この先どうなっていくのか全くわからない、想像もできない、というケースにとっては一つの道しるべにはなるのではないでしょうか?
理学療法士として社会貢献する形についても触れています。
平成 25 年 11 月に厚生労働省から都道府県へ重要な通知が発 出されました。「理学療法士が,介護予防事業等において,身 体に障害のない者に対して,転倒防止の指導等の診療の補助に 該当しない範囲の業務を行うことがあるが,このように理学療 法以外の業務を行うときであっても,理学療法士という名称を 使用することはなんら問題ないこと。また,このような診療の 補助に該当しない範囲の業務を行うときは,医師の指示は不要 であること」という内容で,理学療法士に様々な予防理学療法を推し進めることを期待しています。(一部引用)
この部分は、よく言われるところで、予防事業に対する期待や貢献の可能性は確実にあるわけですね。
それにしてもけっこう前から言われているんですね。
そして、以下のことも付け加えられています。
なかにはこの通知を以っ て「開業権」等々の解釈をされ,具体的に行動されている方が いますが,あくまでも「診療の補助に該当しない場合」につい ての通知であることを理解しなければなりません。勝手な行動 が全体としての不利益につながることを自覚していただかなけ ればなりません。(一部引用)
いろいろと噂は見聞きしますが、
・予防理学療法
・勝手な行動
の定義を明らかにすると、理学療法士の社会進出もスムーズになるような気がします。(この半田会長の投稿だけではイメージしにくかったです)
予防事業の部分で期待されていることは間違いないわけなので。
IAIR、株式会社emphealと協力し、従業員向け腰痛改善プログラムを提供
起業や開業については、いろいろな形態があることと思います。
関連職種の動きも見ながら冷静に考えていきたいところです。
「リハビリ」という名称を使うのであれば特に慎重に。
<参考>
訪問看護ステーションに「看護職割合」要件など設け、事実上の訪問リハビリステーションを是正してはどうか
◇予防事業の分野で期待
「高齢者の介護予防」事業というものも当然必要で、社会からのニーズは高いように思いますが、個人的には「高齢者になる前からの予防」事業が長いスパンで見たときに、とても効果的な気がします。
実際にリハビリテーションを担当していても「もっと若いうちから注意されていたら違う結果だっただろうな」と推測できるケースは多くあります。
小児期、成長期、青年期、壮年期、更年期、それぞれのタイミングのリハビリを担当して感じたのは、「人生を長い目で見たときに、今、どうすることが今後につながるか」という考え方がぽっかり抜けている場合が多いことです。
厚生労働省は22年先の計画を立て始めました。その内容をチェックしましょう。【リハビリの未来】でも触れたような「無関心層」のことですね。
疾病状態になってから、高齢者になってから、悪化しないように予防するんじゃなくて、「疾病状態にならないように歳をとる」という意味での予防であれば、対象年齢は「生まれた直後」からになります。
もちろんかなり拡大解釈でしょうけど。
おそらく、現在の医学的な理学療法、介護としての理学療法のみでどっぷり浸かっていても、「疾病状態にならないように歳をとるという意味の予防」には携われません。
「運動療法が〜〜〜」
「歩行分析が〜〜〜」
「徒手技術が〜〜〜」
というのだけでは強みにならないと思います。
どんどん理学療法分野外の知見を吸収していかないと、、、。
未来に向けて、「理学療法」は変化しないわけにはいかない時期に来ていますね。。。
◇終わりに
ここの部分、理学療法士は肝に命じることが重要かと思うんです。
事実かどうかは別にして「理学療法士はもう余ってるんでしょ?」と認識されていること。
新しく事業展開するとしたら「理学療法士であれば誰でもいい」わけではない、とされていること。
私程度に言われなくてもわかっていることだとは思いますが、半田会長からのメッセージに便乗して、この場でご紹介しました。
「リハビリの未来」を理学療法士だけで語るな!とお叱りを受けそうですので、今後も調査していきます。
半田会長の投稿でも、ハンズオンスキルとハンズオフスキルの両立について語られています。
未来のリハビリは、そのどちらかだけで完結するものではないと思います。
両立のために必要なこととは?
それは、まず「どちらもできる」ことですよね。
https://iairjapan.jp/mailmagazine