再評価と記録は別物〜行き詰まりを感じていたら見直そう!〜

リハビリを始める時に作成する実施計画書。

 

日々のリハビリはこの実施計画書にある実施計画、
ゴール設定をもとに行われています。

 

詳細な評価としては、リハビリのカルテに別途
評価用紙があり、毎月評価項目について記載して
いるかと思います。

 

しかし、計画書や評価用紙自体、皆さんの臨床の意思
決定の中で、どれほどの位置を占めているでしょうか?

 

特にリハビリの進捗で行き詰まりを感じている時、
計画書や評価用紙を見直して、解決していることが
何かあるでしょうか?

 

私達が評価用紙に毎月記載するとき、患者さんには
「再評価して先月との比較をしてみましょう」
と伝えます。

 

しかし、ここでしてるのは「再評価」ではなく、
前月と同じ評価バッテリーを使い、点数の比較
をしているだけ。

 

数字を比較して、進行状況を確かめているに過ぎません。

 

当院にも疾患別の評価用紙があり、各々一般的に必要で
あろう評価バッテリーの数字が1枚におさまるように
構成されています。

 

ただ、毎月評価バッテリーを使って点数化することが
作業と
なってしまい、「再評価」という側面がなく
なってきて
しまう傾向に陥ります。

 

本当の意味で再評価として、計画書や評価用紙を活用するなら、

 

・回復傾向にあるなら、
 よりよくするためにどう変えていくか?
・悪化傾向にあるなら、
 より良くするためにどう変えていくか?
・変化がないなら、
 より良くするためにどう変えていくか?

 

というように、「今よりよくなるためには何を、
どう変えていくか?」
という視点を持ちながら、
計画書や評価用紙を見直すべきです。

 

客観的な数字は進行度合いを示してくれます。
しかし、数字を残すことが「評価」ではありません。

 

評価は「患者さんが困っていることを解決するための
情報収集」です。

 

特に評価用紙で足りないことは、情報の統合と解釈

 

数字の変化から、何を読み取るか?、数字以外の
情報(臨床推論、仮説検証作業など)をどう組み込んで、
計画書に反映させていくか?

 

今より患者さんが変化するためには、これまでと何を
変えれば良いのか?を見直していく必要があります。

 

毎月の再評価の時間は、記録用紙を埋めるためではなく、
経時的変化を数字でみながら、臨床推論を変化させていく
タイミング。

 

まずは療法士が変わること。療法士が変われば、
患者さんは変わっていきます。

 

せっかくある月に1回のタイミング。
記録に費やすのではなく、思考を変えるタイミング
にしましょう。

 

最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

 

国際統合リハビリテーション協会
理学療法士 中嶋 光秀

 

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