慢性腰痛に悩まれている患者さん利用者さんから
次のような発言を聞いたことはありませんか?
「え!腰痛があるとき、その運動していいんですか?」
「ずっと、〇〇はいけないと思っていました!」
「〇〇は、しないほうがいいって言われています」
等の発言。
いかがでしょうか?
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何かの運動や姿勢を禁止されているような発言ですね。
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では、次にもう一つ質問です!
「え!腰痛があるとき、その運動していいんですか?」
「ずっと、〇〇はいけないと思っていました」
「〇〇は、しないほうがいいっていわれています」
の、〇〇に何が入ると思いますか?
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・
そのヒントになるかわかりませんが、
私がある療法士から聞いたこを
お伝えします。
先日ある療法士から、
「腰痛のあるケースには、〇〇しないように
学生に指導していました」
ということもお聞きしました。
◇30年間の慢性腰痛を生んだたった一つの理由とは?
では、〇〇に何が入るかお答えしましょう。
答えは、
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「伸展」
あるいは、
「腰を反ること」
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です。
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実はこれが、
30年間その患者さんをずっと
苦しめていた理由です。
その患者さんは、初診時に医師から
「腰が痛い時は、曲げていたほうがいい」
「あまり腰を反らないように」
とアドバイスを受け、そのまま30年間
信じ続けていたとのことでした!
30年間です!!!
ところで、あなたはいかがですか?
「腰痛を訴える人が、腰は伸展しない方がよい」
というような解釈をしている方にお会いしたことは
ありませんか?
その方の、経過はいかがですか?
順調ですか?
私の経験では、
不必要な「伸展の制限」により
不調がでている方は多いです。
特に、ぎっく腰を繰り返す方では、
伸展が足りていないケースが
かなりあります。
◇すべての人に「伸展」が適応にはならない
ここで、一つ補足です。
言うまでもないと思いますが、
伸展はしない方がよいケースもあります。
きちんと
・仮説を立て、
・アプロ―チし、
・仮説を検証する過程をとれば、
適切な運動方向は決まってくるでしょう。
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腰痛を訴えるだけで、ある方向の運動を
制限してほしくないということです。
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患者さん、利用さんは、
医療従事者の発言の一言一言をしっかり聞き
その発言内容を信じることでしょう。
そして、
今回紹介しいてる30年間の慢性腰痛に
苦しまれた方は、初診のアドバイス
を信じつづけたわけです。
あるアドバイスを信じ続けていた方にとって、
別のアドバイスが得られたとしても
すぐにそれを信じることはできないでしょう。
・腰を反ってはいけない
と何年も思っていた方にとって、
・腰を反ることは
【痛みが出る原因で恐いから行いたくない】
と感じるのは、当然だと思います。7
これが有名な【恐怖回避モデル】ですね。
◇恐怖回避モデルからの脱却に必要なこと
まずは、セラピストが
その不安に寄り添いながら
痛みの出現パターンを観察、解釈し
その運動を止めた方がいいのか
その運動を続けた方がいいのか、という
正しいアドバイスを伝えます。
そして、
励ます態度で
その運動の前と後の変化を
ご本人に実感していただくと
考え方が変わることが良くあります。
腰椎の機能解剖学や
運動学の知識と同時に、
【認知行動療法の知識・スキル】があると
より効果的な対応ができるようになります。
認知行動療法の詳細については、
また別の機会にお話ししていきます。
◇本日のまとめ
30年間の慢性腰痛を生んだたった一つの理由は、
腰椎の伸展を制限していたことでした。
腰痛があるというだけで
ある運動や姿勢を制限してしまうと、
それが原因で腰痛が
長期化することがあります。
そのような時は、
腰椎の機能解剖学や運動学の知識と同時に、
運動療法、認知行動療法等の
知識・スキルが
効果的なことがよくあります。
認知行動療法は現在とても注目を浴びています。
明日からの臨床のヒントとして、
ぜひ使ってみてくださいね。
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対話的腰痛アプローチ
Interactive Low back Pain Technology(ILPT)主宰
赤羽秀徳
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