最近、疾患別リハの現場で精神疾患を伴う方が増えたと思いませんか?
知り合いなどはOTだからと言う理由で全ての方を担当されているそうです。
それに今年の4月から精神療養病棟で疾患別リハが可能となりましたね。
この変更に伴い、PTさんやSTさんも担当を任されたり、
急に精神科病棟に配属になったOTさんもいるとか。
きっと大変ですよね……
説明をしても違う解釈をされたり、
同じ失敗を繰り返してしまう方がいて、
どう言えば伝わるのか悩むことも多いかもしれません。
そして伝わらないとリハも進まないという悪循環。
ある人は、これまでの身障系の現場と同じ関わり方をしたら
患者さんを混乱させたり、不安にさせてしまったそうです。
頑張って色々提案したり、
押し付けないように選択肢を提示したのに、
結局「リハビリ拒否」されてしまいました。
一体、何が悪かったのか……
見当がつかないという悩みがLINEでも多く寄せられます。
言い方や定義されている言葉は様々ですが、
リハビリテーションには、その人が自分の人生をより良いものにする
パワーがあります。
しかし、
精神科の現場でそれをどう伝えるのか?
誤解なく、リハビリに取り組んでいただけるようになるにはどうしたらいいのか?
それが問題ですよね。
ここからが重要なのですが、
実は、精神科リハビリテーションでは身障系のリハビリとは
【180度違う対応をしなければならない事がある】ってご存知でしたか?
おそらく今回の「悩み」や「困った」の原因は、
「対応」の前提が、身障系リハのままだった事かもしれません。
精神科作業療法に従事するOTさんは、
普段からある事を念頭に置いてリハビリをしています。
それは
「本人のペースを乱さない」
こと。
- なんだそんな事か
- それなら既にやってる
- なのに「リハビリ拒否」されたんだ
そんな声が聞こえてきそうです。
それもそのはず。
「本人のペースを乱さない」
の意味合いが、違っているからです。
例えば、
統合失調症の方は
「情報処理に弱みを持つ脳の病気」
です。
- 話の内容が複雑すぎた。
- 判断を必要とする問いかけをした。
- 説明に曖昧な表現があった。
などがあると、
- 話している内容の意味がわからないからやらない。
- どう判断していいのかわからないから辛い。
- 言っている通りにやりたいけど、説明が不十分だからできない。
という選択をしてしまいます。
本人はとにかく辛いから、
「リハビリをやらない」ことで
「自分のペースを守ろう」としたのです。
と言うように、
病気やその特性、関連する脳機能を知っているかいないかで
「本人のペースを乱さない」
の意味が変わってきます。
確かに、皆さんは国家試験を通過した
プロフェッショナルです。
ですが、これまで精神科の現場に
関わってこなかった方には、
精神科のちょっとしたこと……
常識や暗黙の了解になっている事を
知る機会が少なかったのかもしれません。
今回お話ししたように、
ちょっとした認識の違いは必ず存在します。
でも、それはお互いに話してみないと
分からないことなのかもしれません。
そんなちょっとしたこと、暗黙のルールなどを
臨床に活きるようこれからも紹介していきますね。
認定講師 作業療法士 齋藤信
追伸
今回紹介した統合失調症の方の行動特性などを
一緒に学べる機会を作りました。
身障系でも知っておくと、
相手を理解し対応しやすくなるでしょう。
セミナーの早割期間は11月10日13時までです。
詳細はこちら
https://bit.ly/2ILYTE6