糖尿病と肥満 〜運動が必要な理由①〜

糖尿病はどんな人がなるイメージがありますか?
と質問されるとどう答えるでしょうか。

 

多くの方が「太っている(肥満)人」と
答えると思います。

 

では、なぜ?太っている人=糖尿病という
イメージがついているのでしょうか?

 

糖尿病は「慢性的な高血糖状態が引き起こす
代謝疾患群」であり、この慢性的な高血糖状態
が、「過食」からくるイメージが強いから
ではないでしょうか?(2型糖尿病に限る)

 

実際には種々の遺伝、環境因子も絡まって
発症するので、一概に「過食」だけが問題
になるわけではないのですが、

 

「過食」を契機にした肥満状態から
耐糖能異常を引き起こし糖尿病へ移行する
ことがあるのも事実。

 

そのため、まずは「過食」により取り込みすぎた
ブドウ糖をどう減らすか?というのが最初の治療
方針となります。

 

過食がベースであれば、「食事療法」が主となりますが、
同時にブドウ糖の消費もしていきたいので、「運動療法」
もマストになります。

 

食事として摂取した炭水化物は消化分解され、
ブドウ糖という形に変わり、血液内に含まれます。
(これが血糖です)

 

 

血液内のブドウ糖を細胞内に取り込む際にインスリンが
必要です。インスリンの作用により、細胞内にブドウ糖
が取り込まれることで血糖値が下がります。

 

 

ここまでが血糖の簡単な代謝になりますが、
この先が運動とつながってきます。

 

生理学で学んだ、ATPの産生です。

 

インスリン作用により細胞に取り込まれた
ブドウ糖は解糖系→TCA回路→電子伝達系
を通ってATPを産出します。

 

ATPは身体活動のエネルギーとなりますが、
身体活動が少ないと、APTを多く産生する
必要がないので、材料であるブドウ糖が
余ります。

 

細胞内で余剰となったブドウ糖は、
「脂肪」という形で身体に貯蔵されます。

 

 

「過剰なブドウ糖は脂肪として貯蔵される」

 

つまり、インスリン分泌、作用に問題がない段階では、
過食による高血糖状態が、脂肪(特に内臓脂肪)
の蓄積につながります。

 

その後、インスリン作用低下(抵抗性)、
分泌量低下などが合わさり、高血糖状態が
継続してしまい糖尿病へと移行していきます。

 

これが糖尿病(高血糖)と肥満を結びつける
1つの関係性になります。

 

上記は糖尿病予備軍の状況なので、
耐糖能異常をおこす前に対策しておく
必要があります。

 

まずは日常生活レベルでの身体活動量を増やすこと。
それだけでもATPの産生を促し、ブドウ糖の消費
につながります。

 

座りすぎの弊害は様々なところでいわれています。

 

患者さんをみる前に、自分達も予備軍になる可能性
を秘めています。

 

あなたの日常(仕事を含む)では、何時間座ってますか?
立位&歩行している時間は何分ですか?

 

一度、自身の生活を振り返ってざっと計算して
みてください。

 

私は自分の不活動さ加減ににちょっと怖く
なりました(汗)

 

PS,体型的に痩せているからといって脂肪が少ないわけでは
ありません(内臓脂肪型の可能性)。
体型に油断せず、日常の活動量を気にしてみましょう!

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

国際統合リハビリテーション協会
理学療法士 中嶋 光秀

 

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