前回までは、食事動作の際の、
リーチングに必要な機能に注目して整理してみました。
まだ読んでいない方はこちらから
食事動作の見るポイント①
食事動作の見るポイント②
食事動作の見るポイント③
今回からは、少し視点を変えて、嚥下について整理していきましょう。
嚥下となると、PT・OTは苦手意識を持つ人も多いのではないでしょうか?
でも、PT・OTだからこそできる嚥下への介入があります。
一度確認していきましょう。
1 嚥下とは?
まず、嚥下とはどのような動作でしょうか?
『STさんの分野なので』と敬遠しないで確認してみましょう。
摂食・嚥下は30以上の神経と筋肉が関わる、随意運動と反射運動の集まりであり、①口腔から胃への食塊の送り込みと②食物移送中の咽頭からの食物の起動侵入を防ぐための喉頭と下気道の隔離という2つの重要な生物学的特徴をもつ(引用:摂食・嚥下リハビリテーションより)
ここでポイントとなるのが、”食物の起動侵入を防ぐための喉頭と下気道の隔離という2つの重要な生物学的特徴をもつ”という点です。
臨床上、誤嚥性肺炎を繰り返し、全身状態が徐々に低下していく症例が多いと思います。
誤嚥性肺炎を予防し、全身状態を改善しないと、
PT・OTが実施する運動療法が適応できません。
そのためにも嚥下に目を向けていきましょう。
2 なぜ頭部の前方突出がよくないのか?
誤嚥性肺炎を予防するためにはどのようなことが必要でしょう?
よく臨床では姿勢に注目されます、
下図のように『頭部の前方突出はよくない』と言われています。
では、なぜこの姿勢はよくないのでしょうか?
ここで注目してもらいたのが、喉頭挙上です。
上位頸椎が伸展位
↓
気道の後壁を圧迫
↓
喉頭挙上を阻害
↓
誤嚥
とういう流れになってしまいます。
そのため、頭部の前方突出は注意するべき姿勢をなっているのです。
3 PT・OTができることは?
上記の通り、誤嚥を予防するためには、頭部の前方突出する姿勢を改善する必要があります。
つまり、座位姿勢の改善です。
この分野はPT・OTの専門分野です。
具体的には
・頸部・体幹機能改善
・呼吸リハビリテーション
・食事姿勢設定への援助
が注目するべきポイントでしょう。
ぜひ、誤嚥を予防すると視点からも姿勢をみていきましょう。
4 まとめ
誤嚥を予防するためには姿勢に注目していきましょう。
この姿勢を整えると、STさんの訓練も非常に効率的になります。
チームアプローチとしても重要な視点です。
ぜひ臨床で意識していただき、姿勢分析から嚥下へつなげていきましょう。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
作業療法士 加藤淳
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