前回までは、食事動作の際に、
リーチングに必要な股関節・体幹の機能に注目して整理してみました。
まだ読んでいない方はこちらから
食事動作の見るポイント①
食事動作の見るポイント②
では、臨床で上肢機能に注目する時に必ず評価される、肩甲骨にはどのような役割があるのでしょうか?
本日は肩甲骨に注目して整理していきましょう。
1 肩甲骨の役割は?
肩甲骨は
・上肢を空中で安定させる
・姿勢を維持する
という、大きく分けて2つの役割があります。
つまり、体幹と上肢機能をつなげる役割を担っています。
逆をいうと、肩甲骨の機能が阻害されると、
・上肢機能
・体幹機能
の2つともに支障をきたします。
2 安定していないとどうなるの?
肩甲骨のアライメントは脊柱棘突起よりおおよそ4横指と言われています。
このアライメントが崩れるとどうなるのでしょう?
試しに肩甲骨だけ外転させてみてください。
おそらく円背姿勢となります。
肩甲骨が変位してしまうと、肋骨が牽引されてしまい、
胸郭の可動性を低下させてしまいます。
これにより姿勢保持が困難となってしまいます。
また、肩甲骨外転・円背によりリーチングの際に
肩甲骨の可動性が失われ、上肢のリーチ調整や方向の調整にも支障が生じてきます。
3 安定に必要な機能は?
では、肩甲骨が安定するための機能はなんでしょうか?
肩甲骨、つまり肩甲胸郭関節は機能的関節であり、関節包や靭帯などはありません。
安定性を担当しているのは筋肉になります。
肩甲骨につく筋は多くありますが、その中でも、
・前鋸筋
・僧帽筋中部繊維
この2つの筋が前後方向から肩甲骨を胸郭に引きつけ安定させます。
4 まとめ
肩甲骨が安定しなことで、
・姿勢
・上肢機能
に支障が生じます。
そのためにも前鋸筋・僧帽筋中部繊維のMMTをしっかりと測定し、
仮説→検証
の流れで適切にアプローチをしていきましょう。
ぜひ臨床で意識していただき、動作分析から評価へつなげていきましょう。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
作業療法士 加藤淳
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