食事動作の見るポイント③

前回までは、食事動作の際に、
リーチングに必要な股関節・体幹の機能に注目して整理してみました。
まだ読んでいない方はこちらから
食事動作の見るポイント①
食事動作の見るポイント②

では、臨床で上肢機能に注目する時に必ず評価される、肩甲骨にはどのような役割があるのでしょうか?
本日は肩甲骨に注目して整理していきましょう。

1 肩甲骨の役割は?

肩甲骨は
・上肢を空中で安定させる
・姿勢を維持する
という、大きく分けて2つの役割があります。

つまり、体幹と上肢機能をつなげる役割を担っています。
逆をいうと、肩甲骨の機能が阻害されると、
・上肢機能
・体幹機能
の2つともに支障をきたします。

2 安定していないとどうなるの?

肩甲骨のアライメントは脊柱棘突起よりおおよそ4横指と言われています。

このアライメントが崩れるとどうなるのでしょう?
試しに肩甲骨だけ外転させてみてください。
おそらく円背姿勢となります。

肩甲骨が変位してしまうと、肋骨が牽引されてしまい、
胸郭の可動性を低下させてしまいます。
これにより姿勢保持が困難となってしまいます。

また、肩甲骨外転・円背によりリーチングの際に
肩甲骨の可動性が失われ、上肢のリーチ調整や方向の調整にも支障が生じてきます。

3 安定に必要な機能は?

では、肩甲骨が安定するための機能はなんでしょうか?

肩甲骨、つまり肩甲胸郭関節は機能的関節であり、関節包や靭帯などはありません。
安定性を担当しているのは筋肉になります。
肩甲骨につく筋は多くありますが、その中でも、
・前鋸筋
・僧帽筋中部繊維
この2つの筋が前後方向から肩甲骨を胸郭に引きつけ安定させます。

4 まとめ

肩甲骨が安定しなことで、
・姿勢
・上肢機能
に支障が生じます。
そのためにも前鋸筋・僧帽筋中部繊維のMMTをしっかりと測定し、
仮説→検証
の流れで適切にアプローチをしていきましょう。

ぜひ臨床で意識していただき、動作分析から評価へつなげていきましょう。

最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

作業療法士 加藤淳

◇◆◇◆◇◆お知らせ◆◇◆◇◆◇

IAIRのオンライン講義が始まりました!
セミナーの予習、復習としても使えますので
まだ見られていない方は、是非!

組織滑走法®オンライントレーニング

クリック↑

*******************************
一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
E-MAIL:info■iairjapan.jp(←■を@に変換してご利用ください)
HP:http://iairjapan.jp
Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/
加藤個人note:https://note.com/jaka

*******************************

関連記事

  1. 動作分析の前に姿勢分析?〜姿勢分析の基本⑦坐位バランスの評価

  2. 結合組織ネットワークの視点を加えた姿勢評価

  3. 肩関節周囲炎の評価ポイント③

  4. ガイドライン推奨の運動ってキツ過ぎない?〜日常生活の活動量が肝〜

  5. 麻痺側へ荷重できない3つの原因

  6. メール届いてますか?

    【重要】メール別、受信設定の方法「メールが届かない!」を解消!