【作業療法士の苦手克服講座】身近で知らないココロのハナシ(7)躁病エピソードって何?

躁病エピソード

うつ病とあわせておさえておきたい「双極性障害のリハ介入と対応」シリーズ。
今回は「躁病エピソード」をおさらいしましょう。

これまで紹介してきた内容以外にリクエストや質問がございましたら、気兼ねなくフォームからご投稿くださいね^^

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■躁病エピソードって何?

躁病エピソード……躁病相とも言います。

うつ病の際にも話題にしましたが、診断し、その患者さんに最適な治療を行ううえで、他の精神障害や身体疾患の合併の有無を明確にする必要があります。

その際に躁うつ病と診断する特徴的な状況が躁病エピソードです。

 

■躁病エピソードの特徴は?

基本的な特徴として挙げられているのは、

    • 気分が高揚する。
    • 開放的になる。
    • 怒りっぽくなる。
    • 気力・活動性の増加。

これらです。

DSM-5からは診断基準として「気力・活動性の増加」が必須となり、気力・活動性の変化が1日の大半を占める状態がほぼ毎日、少なくとも一週間以上続くことが求められています。

 

■患者さんはどんな状態なの?

列挙しただけでは、ちょっとピンときませんよね。
この時、患者さんの様子がどんなものかといえば……

本人はウキウキした様子で、周囲からも「陽気な人だな~」という印象を持たれます。
本人も「気分がいい」「ウキウキする」などの表現をすることもあります。(高揚した気分)

見ず知らずの人にも恐れず話しかけていき、「人見知りしない」または「圧が強い」という印象を持たれます。
外見的にも、服装や化粧が派手になっていく様子が見られます。(開放的になる)

高揚したり開放的な気分による言動を邪魔されると怒り出す様子も見られるようになります。(怒りっぽくなる)

 

■躁病エピソード、他にはどんな?

DSM-5では、診断の際に以下の7つの項目のうち、3項目が顕著にかつ持続していることが必要だそうです。
(気分の高揚や解放感が乏しく、怒りっぽさだけがある場合は4項目必要)

      1. 過度の自尊心あるいは誇大的思考。
      2. 睡眠に対する欲求が減る。
      3. 普段より多弁で、話したい気持ちが強い。
      4. 考えがつぎつぎ浮かぶ。
      5. 注意散漫になる。
      6. 目的指向性のある行動が高まる、または精神運動焦燥がある。
      7. 困った結果につながる可能性が高い活動に熱中する。

などです。
6、7は特徴的な行動が見られますのでご自身でも是非調べてみることをお勧めします。

 

■軽躁病エピソードって何?

軽躁病エピソード(軽躁病相)という分類もあります。
基本症状と病状項目は同じですが、期間が違います。

躁病エピソードは「少なくとも一週間以上」でしたね。
軽躁病エピソードは、「4日以内」で重篤さが「社会的・職業的機能障害を起こすほどではないか、入院を要しない程度」とされています。

言い換えれば、病気の程度が軽く、社会的な能力が残っており、入院せずとも社会生活が営めている状態です。

 

■社会的・職業的機能障害って?

ここが、先の6、7で見られるエピソードがわかりやすいかもしれません。

      • 「宗教やビジネスにのめりこみしつこく勧誘をする」
      • 「自身が正しいと信じた政治的信念に基づく過激な行動」
      • 「職場の同僚にしつこくお節介を焼く」
      • 「性的に開放的になり、相手を取っ替え引っ替え」
      • 「計画性のない無謀な投資や事業を始める」
      • 「生活が破綻するほどの浪費」
      • 「粗暴な運転」

などでしょうか。

「陽気な人」や「活力のある人」を逸脱していますね。

 

■まとめ

今回は躁病エピソードを確認してみました。

脳の病気は、身近な誰の身にも起きうるものばかり。今回紹介した具体的な様子以外にも、気になる行動が見られるかもしれません

僕たち自身がまず、病気を理解した上でリハビリテーションを進めていきましょう!

その他の精神科作業療法に関連する記事が気になる方は 「まとめ記事」 をご参照ください!

 

今回は以上となります。
随時追記や分類を増やしていきますので、皆さんも是非ご意見やご要望をお寄せください!

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本日も、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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リハカレ認定講師 齋藤 信

 

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■ 参考資料

 

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