9月から開始した新シリーズ「グラフィック・メディスン」についてのまとめ記事です。
これまで4回にわたって紹介してきた「グラフィック・メディスン」が、医療や患者、その家族にどんな影響を与えるものなのかを振り返ってみましょう。
Table of Contents
■グラフィック・メディスン概要
日本の医療マンガ50年史(一般社団法人日本グラフィック・メディスン協会:編)ではこのように書かれています。
「グラフィック・メディスン」とは、医学、病、障がい、ケア(提供する側および提供される側)をめぐる包括的な概念であり、数量化による捉え方(一般化)が進む中でこぼれ落ちてしまいかねない「個」のあり方に目を向け、臨床の現場からグラフィック・アートまでをつなぐ交流の場を作り上げようとする取り組みです。その一環として、マンガをコミュニケーションのツールとして積極的に取り上げたり、漫画の制作を通して気持ちや問題を共有する活動がさまざまに展開されています。
- 医療は個人ごとにカスタマイズ、オーダーメイドされたものが必要!
- 患者さんの声に耳を傾け、そのひとの事をみなければならない!
と頭では分かっていても、サイエンスや統計的なエビデンスに偏りがちです。
もちろん、サイエンスやエビデンスは重要です。
それ無しには、医療はたちゆきません。
でも、それでも、対極にあるかのように見えるそれらのどちらかではなく、うまくすり合わせられないものか……と思っている方も多いのではないでしょうか?
そんな時に役立つのがいわゆる「医療マンガ」です。
- 医療従事者とご本人、ご家族。
- エビデンスとナラティブ。
- 言葉と映像。
- 専門家と芸術家。
- 事実と誇張。
これら一見対極にありそうなものを繋ぎ、それぞれの「個」を大切にした医療のあり方を考えるツールになるのではないか、と考えています。
「私たちのことを、私たち抜きに決めないで!」
という当事者の声があるように、そのひとにとって最適な医療の提供を目指そうとすると、そのひとの心の内や本心を知る、伺う機械になるのではないでしょうか?
■第1回「医療マンガはひとを救うのか?」
「グラフィック・メディスン」という言葉があることを初めて知った方もいるのではないでしょうか?
第1回では、グラフィック・メディスンがどんなものなのかを紹介しています。
特に気にしてほしいキーワードは「一般的な患者などいない」という考え方です。
■第2回「医療マンガで医療教育は変わるのか?」
「医療マンガ」を読んだことはありますか? 僕はど定番の「ブラックジャック」を小学生の頃から読んでました。
せっかく医療従事者として医療マンガに触れるなら、学びや教育に活かしたいところ。
海外の医療教育では、既に医療マンガを用いて、患者とのコミュニケーションや、観察力、洞察力を高める学習ツールとして用いられています。
最近の理学療法卒後教育でも患者の物語性に注目することで、リハビリテーションの効果に影響があると示唆されています。
■第3回「マンガを使うワークを紹介!」
第3回では、具体的にどのように教育で活用しているのかを紹介します。
・文章完成エクササイズ
・マンガ完成エクササイズ
・マンガプレゼン
の3つです。それぞれの詳細は記事をチェックしてください!
■第4回「マンガは読みやすいのか問題?!」
実は「マンガは読みづらい」と言ったら、あなたは信じますか?
ここまで今回の記事を読んでくれているあなたは、きっとマンガが好きな方でしょう。
だから「マンガは読みづらい」とだけ言われてもピンと来ないかもしれませんね。
マンガはたくさんの「お作法」があるんです。
それは誰かに教えられるものでもなく、何となく身につけてしまうもの。
だからこそ、一部の方には、非常に読みづらいものになっています。
それが与える影響が気になる方は是非コラムをチェックしてください。
■まとめ
今回は「グラフィック・メディスン」の記事をまとめてみました。
医療マンガが療法士だけではなく、患者さんやそのご家族にまで影響を及ぼすツールだと気づいてくれたら嬉しいです。
リハカレは学びたい全ての療法士の為のオンライン教育サイトです。
今後も様々な学びにつながる情報を提供していきますので、お楽しみに!
具体的な質問やご相談、こんな記事をお願い!
という声がございましたらいただければ、リハビリカレッジの公式LINEとお友達になって、トークでコメントをくださいね^^
本日は、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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