バランスの問題は立位だけ?
脳血管疾患をはじめとして、対象者さんの多くが抱えているバランス機能の問題。
転倒による骨折なども加齢も含めたバランス機能の低下が問題とされており、
私達が関わる中でも重要な一要素であります。
転倒に関しての研究でも、立位バランスや下肢筋力との相関がみられるという文献が多く、
下肢機能に関してのアプローチが多いというのが実感としてあります。
*高齢者の転倒予防の現状と課題
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tentouyobou/1/3/1_11/_article/-char/ja
*高齢者・片麻痺患者の転倒とバランス機能
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1963/43/8/43_8_523/_article/-char/ja/
しかしバランス機能には立位バランスだけではなく、座位バランスもあります。
立位でのバランスが悪い場合、立位バランスだけみていれば良いのでしょうか?
座位バランスはみなくていい?
立位バランスでみている機能は主に下肢の機能です。有名なのはアンクルストラテジーとヒップストラテジー。
他にも片脚立位や、動的バランスとしてのランジ動作やFRTなどがありますが、全て下肢機能の評価です。
重心と支持基底面が変化したときの反応をみています。
では座位バランスはどうでしょう?
座位バランスは、座位姿勢の特性上、骨盤から上つまり体幹と上半身のバランスをみています。
特に重要なのが脊柱と肩甲骨の可動性。ここが失われると上半身は一つの大きな重りになってしまい、
小さな動きで加速度が増し、バランスを崩してしまう要因になっていきます。
バランスの悪さはどこから来る?
一様にバランスが悪いといっても、下肢機能に問題があるのか?体幹・上肢機能に問題があるのか?
を分けて考えなければなりません。
そのためにも、座位バランスで体幹・上肢機能の問題を、立位バランスで下肢機能の問題を
評価しなければなりません。
立位バランスと座位バランス、それぞれみている機能が違うということを再確認して、
患者さんのバランス機能について考え直してみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
リハカレ認定講師 理学療法士 中嶋 光秀