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年度末は焦りの季節
3月中旬となり年度末も押し迫ってくると、あるプレッシャーを感じる方もいると思います。それは「4月になったら後輩が増える」問題。自分が先輩として、後輩より知識と技術がある状態で常にいたいというある種のプライドもあるでしょう。
そこは置いておいても、やっぱり年度末になると、「今年度何を達成したんだっけ?」と自らの進捗状況を振り返ることが多いと思います。そして帳尻を合わせるように、再度勉強スイッチがはいる時期でもあります。
勉強したいはずなのに腰が重い
現在、各種疾病や疾患別リハビリテーションについて勉強しようと思えば、「診療ガイドライン」や「リハビリテーションガイドライン」を中心に、各種参考書、文献等多くの「今わかっている正しい知識」を誰でも簡単に手に入れることができます。
ここで問題が一つ。
誰でも手に入れることが出来る状態なのに、「読む」行為自体が始められないということ。そこにあるのはわかってる。でも「読む」という行動を起こすこと自体にハードルの高さを感じていることです。では、なぜ「読むことを始められない」のでしょうか?
読み始められない2つの要因
一つは「目的が不明確である」ということ。
具体的に何を知りたくてガイドライン等を参考にするのかを決めないまま、「○○病について勉強する」というようなざっくりとした目的で、とりあえず一番詳しくのってるガイドライン、参考書を持ってきます。しかし、具体的に知りたい箇所が絞られていないので、本を最初から順に読み始めてしまい、何かにたどり着く前に途中で読むのをあきらめた経験ってありせんか?その失敗経験が、「ガイドラインや参考書を読んで勉強しよう!」と思っても腰が重くなる要因でもあります。
もう一つに、「多量の文字情報から解釈するのに労力がいる」ということ。
多くの疾患に対して、疾患になる仕組や色々なデータがあり、その値をどう読み取ればいいのか?みるべきデータとその正常値を覚えて、異常値から何を予測し判断すればいいのか?など、判断材料が多いためにそこに溺れてしまいます。ガイドラインや参考書の文字量とページ数を見ただけで、やる気を失ってしまうのも想像がつきます(私がそうでした)。
勉強がしやすくなるポイント(私見)
ここでガイドラインや分厚い参考書を目の前にすると勉強をする気がなくなるというあなたに一つ提案です。ポイントは最初からガイドラインや分厚い参考書をみないこと、概論的な内容をごく簡単に解説している書籍やインターネット検索を利用する。この2つです。
ネット検索では情報があいまいな場合もありますが、基本的に医療関係者が実名で発信している場合、不確かな情報は自身の信用にかかわることなのであまり変な事は発信しません。逆に、多くの人に見てもらうために、「初学者向け」に分かりやすく簡単にまとめてくれているものが多いです。図や動画を多用して、「文字では理解しにくい」部分を視覚的に理解しやすく工夫している点も良いところです。
もう1つは図の多い初学者向けの書籍。こちらは情報のソースが文献等で裏付けられていることが多いので、若干古さを感じる内容もありますが情報信用度としては高いです。書籍を選ぶポイントも、図やイラストを駆使して、極力簡素にわかりやすく、パッとみてわかる程度のもの。人によって理解しやすいイラストは異なるので、数冊似たようなものを比べると良いと思います。
アウトプットを前提にする
これらを参考に学習して、「簡単な内容を他人に説明できる」ところまで落とし込みます。アウトプットすることでネットや初学者向け書籍を使うにせよ「とりあえずこういうことだよね?」という大まかな理解を自身の府に落とすことができます。
このおおざっぱな理解ができると、自然と「正確にはどうなんだろう?」という好奇心が生まれます。そうなった時に初めてガイドラインや分厚い参考書を開きます。すると、今まで見たくなかった多量の文字が何を意味していて、なぜその数値が必要なのか?というようなことがすんなり頭に入ってくるようになります。
今回は勉強の仕方というところででの1提案でした。焦ってはいるけど学びに対して腰が重い!と感じているあなた。まずは初学者向けの書籍やネット上の情報を利用して、「基本的な概念をおおざっぱに理解する」ことからはじめてみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました
リハカレ認定講師 理学療法士 中嶋 光秀