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自主トレ続かない問題
リハビリテーションを進めていく中で、必ず出くわすのが「自主トレ続かない問題」。
自宅に帰った後でも自分でできるリハビリを提供するという目的で、丁寧に写真付きで作った資料。しかしその資料を片手に、自主トレに励んでいる人ってどれぐらいいるでしょうか?
多くは、退院後自主トレやってますか?の質問に対して、「資料もらったけどやってないんだよね」という回答だと思います。
資料の問題?
私が若い時から比べれば、今のセラピストはとても丁寧に自主トレ資料を作ってくれます。量、質ともに、ある程度の身体活動の担保ができる内容です。もちろん、量が多すぎるとやらなくなるので、必要十分な種目数です。
でも、やってくれないんです・・・。
自主トレが必要であることに対する説明が足りない、対象者自身のモチベーションが…とか言われることが多いと思いますが、本当にそうでしょうか?
効果を体感できないと続かない
実際問題、自主トレを提供する場面を想像してみてください。退院真近に資料を渡して、やり方のレクチャーをして終わっていませんか?もう少し丁寧に関わっていても、自主トレの効果について説明が追加される程度だと思います。
視点を変えて、自分が自主トレをする立場ならどうでしょう。パンフレットを渡されて、正しい情報をレクチャーされて、「明日から自主トレがんばります!!」となるでしょうか?
自主トレが続かない問題の多くは「効果が実感できない」ことにあります。「渡された資料の運動をすると身体に良いのはわかってる」、でもやったからといって何かが変わっているかというと…。効果が体感できないなら、「何のために自主トレをしているのか?」という目的がわからなくなり、次第に面倒くさくなってやめてしまいます。
入院中に自主トレでの介入を多くして、自主トレの効果を体感してもらう
もう職業病と言っていいほど、セラピストは徒手介入を好みます。何も特別な徒手療法などではなくROMex、ストレッチもその1つです。なぜか、セルフでできるようなストレッチでさえリハ時間にセラピストが他動的に行っていたり。
私たちが徒手的に介入する目的は、「問題点に対してアプローチした結果、どんな変化がみられたか?」「その変化から何を考察するか?」ということを探ることです。試験治療なんていい方もします。
重要なのはセラピストの他動的な介入で成果が出たことを、自主トレでも再現できる方法があるか?その方法を見つけたら、今度は自主トレだけでセラピストの介入での成果と近しい結果が出るか、対象者と一緒に効果判定をすることです。
自主トレでセラピスト介入と同様な、もしくはそれに近しい成果が得られたなら、その運動は完全に自主トレに移行させます。「この運動を〇〇さん自身で行っておけば、リハビリの時間にまた違う問題点に対して介入できるので、そこの管理をお願いします」というようなことを伝えることが私は多いです。
普段からリハビリ介入のメインを「対象者自身による運動」にシフトするようにプログラムを組んでいくことで、「自分でできる運動で、自分の弱点を補える」ことを日常的に体感してもらえます。
正しいフォーム、正しい知識よりも、成功体験・体感が続ける意欲につながります。
自主トレ後の効果判定としての成功体験、させていますか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
リハカレ認定講師 理学療法士 中嶋 光秀