前回、前々回とアルツハイマー型認知症、血管性認知症について整理してみました。
病態を知ることで、その人がどのような心理状態になりやすいのか?を理解するヒントに繋がります。
認知症をお持ちの方に寄り添うためも知っておいて損はないですね。
今回は認知症の中でも3番目に多いレビー小体型認知症について整理していきましょう。
1 症状
症状として、考慮しておきたいのが、『幻視』『パーキンソン症状』『認知障害』です。症状の進行は緩やかですが、比較的早期に視覚認知の障を認めることがある様子です。
・認知機能や運動機能について
特徴は激しい変動を繰り返すことです。
良い時と悪い時を繰り返すため、その日の様子をしっかりと観察することがポイントとなります。
・パーキンソン症状
運動機能は固縮があり、動作が緩慢になります。また前傾姿勢での小刻み歩行も特徴です。
・幻視
レビュー小体型認知症の特徴として、幻視がはっきりと見えることです。これにより患者さん、利用者さんは混乱をきたします。
しっかりと相手の話に耳を傾け、その時に落ち着いてもらう介入をすることが非常に重要となります。
2 病態
脳内にレビュー小体が出現し、脳の神経細胞や全身の交感神経が障害されている状態です。
パーキンソン病はレビュー小体が脳幹部を中心に、レビュー小体型認知症は主に大脳皮質に広範囲出現している状態をいいます。
ここでのポイントはレビュー小体型認知症は交感神経が障害されている状態ということです。
そのため、起立性低血圧や尿失禁などの自律神経症状も伴うことがあります。
3 注意する点
臨床状の介入として
・身体機能への介入
・ご家族様への病態説明
・落ち着ける環境への提案
を私はよく実施していました。
・身体機能への介入
こちらはパーキンソン症状も伴うため、転倒リスクが常に高い状態です。そのため、しっかりと可動域と筋力の維持を目標に実施していました。
・ご家族様への病態説明
幻視、自律神経障害が疾患による影響であることをしっかりとご家族様にご説明しましょう。その上で、しっかりとご家族様の不安や介護負担を把握し、社会資源を利用していくことが重要です。
・落ち着ける環境への提案
幻視があるとどうしても混乱します。そのような場合は違う部屋や屋外などを提案し、相手が落ち着ける環境を用意していくことにより、心理状態の安定かを図っていきましょう。
4 まとめ
いかがだったでしょう?
レビュー小体型認知症の場合、周辺症状が強くあわられ、ご本人様もご家族様も辛い思いをしていることが多くあります。
しっかりと病態を理解し、それに寄り添っていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
作業療法士 加藤淳
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