動作分析の前に姿勢分析?〜姿勢分析の基本⑦坐位バランスの評価

坐位は頭頸部・体幹が空間に置かれる肢位

前回は座位編のスタートということで座位の見方についてでした。

坐位は抗重力姿勢ともいわれ、重力の影響と頭頸部・体幹の可動性の問題が
アライメントとして表に出る姿勢です。

そのため、坐位姿勢のアライメント不良が、可動性の問題なのか?筋出力の問題なのか?
を分けて考える必要があります。

とはいっても、やることは簡単。頭頸部・体幹のROM-Tをするだけ。
可動性に問題がなければ、筋出力の問題ですし、可動性に問題があれば即ROMexの対象になります。

坐位バランスでは何をみている?

坐位バランスでは前後左右に動いた際の頭頸部・体幹(骨盤含む)+股関節の動きを見ています。

前後では骨盤の前後傾と脊柱の前後弯の連動がスムーズか?
左右では立ち直りの有無とその際に頭頸部・脊柱・股関節の回旋の動きが出ているか?
という、「坐位バランス動作でどこが動いてどこが動いていないのか?」をみています。

とりあえず、骨盤からの誘導で構いません。骨盤を前後傾・左右に誘導した際に、
どんな動きをするのか?を観察してみてください。バランスがうまく取れない方向には
どこかしら「動いていないところ」があるはずです。

坐位バランスのスムーズさを妨げるところはどこ?

付け加えると、誘導した際の抵抗感も一つの指標になります。特に左右で目立ちますが、
右にはぐらっとするけど、左には全然いかない・・・。なんてことよくありますよね?

色々考察はできますが、まずは「動いていない」ところの目星をいくつかつけておきます。
そしてその一つ一つの関節をまたROM-Tで評価をして、可動性に問題があれば介入します。
あとはビフォーアフターの確認でまた坐位バランスをみてください。

ここで注意が一点。いつも言いますが、必ず1介入、1再評価です。
2つも3つも介入した後に再評価で坐位バランスをみると、一体どの介入が坐位バランスの向上に
貢献したのかがわからなくなってしまいます。

坐位バランスでは空間における頭頸部・脊柱・骨盤+股関節が前後左右の動きによってどのように
振る舞うか?がみえます。その振る舞いをする原因が可動性なのか、筋出力なのか?を「動いていないところ」
を目安に介入・検証してみましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。
リハカレ認定講師 理学療法士 中嶋 光秀

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