トイレ動作に介入していく上で、
介助量の軽減も重要であり、
そのために、前回は主介護者が負担と感じている工程を確認してみました。
その動作として
・立位保持
・下衣操作
となっていましたね。
まだ確認されていない方はこちらから
トイレ動作の評価ポイント②
前回は、トイレ動作に必要な立位バランスを見る上で、姿勢をヒントにみていきました。
今回は、下衣操作に必要な要素を整理していきましょう。
Table of Contents
1 下衣操作を見る上でのポイント
安定した動作のために、
まずみてもらいたいポイントが体幹です。
その体幹の中でも特にみてもらいたいのが腹筋群です。
よく、『立位保持のためには抗重力筋では?』と質問を受けますが、
静的バランスの場合は抗重力筋なのですが、
動的バランスになると腹筋群が優位に働いてきます。
実際に筋の活動をみていくと
(引用:下衣着脱における身体機能についてより)
となっており、体重移動が生じた時には、腹筋群が優位に働きます。
2 どの様に動いているのか?
では、下衣の操作に時には、腹筋群はどの様な動きをしているのでしょうか?
下衣操作には右をおろしてから左をおろして、
というような左右への体幹の回旋が必要となります。
この回旋に必要なのが腹斜筋です。
(引用:ヒューマン・アナトミー・アトラス2020より)
体幹を回旋する際には、
内腹斜筋が回旋する方の胸郭を骨盤に引きつけ、外腹斜筋にて体幹の回旋が起こります。
下衣操作も降ろす側の体幹は安定させ、反対側の体幹にて回旋し、
下衣操作をします。
そのため、
・回旋の可動域
・腹斜筋のMMT
を測定しておくことがポイントとなります。
3 臨床ではどの様に動作につなげていけば良いのか?
臨床においては、
下の写真の様に両手を組んでリーチングをしていただくことで、
片側の体幹の安定と、反対側の体幹の動きを促すことができます。
このリーチングを
前方から徐々に下方へ誘導することにより、恐怖感が少ない状態で動作が可能となってきます。
このリーチングを実施した上で、
実際の動作訓練をしていくのがスムーズな体幹の動きを学習できます。
4 まとめ
トイレ動作の中でも下衣操作は難しい操作です。
その下衣操作のポイントとして今回は体幹に注目して整理していきました。
ぜひ、臨床でトイレ動作の要素として体幹も評価、介入していきましょう。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
作業療法士 加藤淳
◇◆◇◆◇◆お知らせ◆◇◆◇◆◇
< トイレ動作の評価と介入 〜立位保持・下衣操作に必要な機能と運動学習〜 > ・第1回 10月11日(火)20:00〜21:00
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