物体が動く理由
いきなり問題です。
皆さんならこの四角の物体、どの方向に動くと思いますか?
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答えを言うと、「どの方向にも動かない」です。
なんの条件付けもないただ空間に置かれた物体には、動くための外力や方向性が示されていません。
なので「どの方向にも動きません」。
しかし、ここで条件をつけてみましょう。
重力という条件の重要性
その条件とは「この物体があるのは地球上です」という条件です。
するとどうでしょう?地球上にあるということは「重力」があるということです。
つまり、特別外力を加えなくても重力方向に移動することが可能です。
あとは地面を規定すればいいわけです。
「重力下」という条件と、地面が規定されることで、この四角の物体は
地面の方向に向かって移動(落下)していきます。
ここで重要なのは、地球上では全ての物体が重力によって地面の方向に勝手に運動
しようとする(そのエネルギーを持っている)ということ。
この運動を止めるには、反対方向への抵抗する作用が必要です。
地面の上に物体が止まっているなら、物体が重力によって地面方向に移動するエネルギーと
地面から物体を押す力(床反力)がつり合っている状態です。
これが人体であれば、前に回転する力(回転モーメント)に対して、
その場に留まろうとする力(関節モーメント)を筋・靭帯・骨構造などで発揮し
コントロールしています。
地球上で生活している以上、全ての物体、生物は重力の影響を受けています。
常に一定の運動方向に外力が加えられている状態なので、それを利用しない手はありません。
それが人が効率よく歩行ができることに繋がっています。
力学がわかると人の動きもシンプルに表現できることが多くあります。
苦手意識を払拭して、力学の基礎を学んでみましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
リハカレ認定講師 理学療法士 中嶋 光秀