心不全に対するリハビリテーション②〜心臓の役割を知る〜

【前回のおさらい】

心不全に対するリハビリテーション①〜心不全を知る〜
https://iairjapan.jp/rehacollege/archives/4904

前回は心不全に関する簡単な説明をしました。
もう一度簡単に説明すると、ポンプ機能が低下することで心臓内の血流に渋滞が起こりうっ血となり、左心不全であれば肺うっ血、右心不全であれば体静脈うっ血の症状を呈します。

血流障害により血液を多くの組織に行き渡らせるのが難しくなるので、肺でのガス交換の不良、筋であれば酸素不足で疲れやすい、血液を多く必要とする臓器(腎臓など)が機能低下を引き起こすなど、「血液が行き渡らない」ことでの弊害が多くの症状を生み出していきます。

【心臓の役割】

心臓は血液を全身に行き渡らせるためのポンプ機能が主な機能ですが、ポンプ機能には「拡張と収縮」の2種類があります。
皆さんが意識しやすのは「収縮」。ポンプというと心臓を収縮させて血液を押し出すイメージだと思います。

しかし押し出すだけでは次に押し出す血液がないので「拡張」によって心臓内に血液を取り込みます。
つまり拡張で血液を心臓に取り込み、収縮で血液を心臓から全身へ送り出します

心臓の中でも右房/右室が拡張機能を担い、左房/左室が収縮機能を担っているため、どちらかに機能障害がある、もしくは両方に機能障害があれば、自ずとどんな症状が出やすいかは想像がつくと思います。

またワッサーマンの歯車を思い出すと、心臓のポンプ機能が呼吸やエネルギー代謝に影響しているということもわかると思いますので、なぜ心臓の機能が衰えると運動機能が落ちるのか?が理解できてくると思います。

改めて心臓と血流、血液の役割を見直すとことで心機能の低下がもたらす全身への影響が見えてきます。
基本的な解剖学や生理学も、暗記ではなく関連した機能として考えていけると、症状の理解につながっていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
リハカレ認定講師 理学療法士 中嶋光秀

 

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