身体領域で勤めていると一度は悩んだことがある
”肩関節周囲炎”のリハビリ。
肩関節周囲炎とはどのような病態なのでしょうか?
また、それに対してどのようなプログラムを組み立てていけば良いのでしょうか?
今回は肩について整理していきましょう。
Table of Contents
1 肩関節周囲炎とは?
臨床上では、よく『肩周』や『五十肩』として訳されており、
よく聞くことが多いと思います。
実際にはどの様な病態なのでしょうか?
肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドラインによると
五十歳前後に起こる原因がよく分からない肩周辺の痛みと可動域制限を主症状とする状態を肩関節周囲炎,五十肩,疼痛性肩関節制動症,凍結肩などとよんでいる。
となっています。
ここでのポイントとしては
『原因不明の痛み』ということです。
なぜ炎症するのか?
は現在でも解明されておりません。
つまり、炎症する特定の部位があるわけではありません。
2 どのような経過を辿るのか?
回復経過は主に3つの期間に分類されます。
1 炎症期 (痛みがとても強い時期)
明らかなきっかけなく、急速に強い痛み。多くの場合、安静時痛・夜間痛を伴う
2 拘縮期 (肩まわりの動きが硬くなる時期)
強い痛みがやわらいだのち、肩の動き悪くなる「拘縮」へと移行する時期。
肩を動かした時に痛みを感じたり、動きの悪さから日常生活動作に不自由を感じることが多くみられる。
3 回復期 (症状が回復してくる時期)
運動時の痛みや運動制限が次第に改善する時期。
積極的なリハビリを行うことで、肩の動きの回復が早くなります。
この3つの期間で療法士が主に
拘縮期〜回復期
において、可動域や筋力の改善に関わります。
3 どこがポイントなのか?
療法士としての関わりでメインになっている
可動域の改善。
どこが制限になりやすいのでしょうか?
病態から考えると、どこが炎症するのか?がわかっていないため、
傾向を掴むことは困難です。
そのため、肩関節を構成する
・胸鎖関節
・肩鎖関節
・肩甲胸郭関節
・肩甲上腕関節
の1つ1つをしっかりと評価していくことが重要となります。
4 まとめ
肩関節周囲炎は肩周囲のどこかに炎症が生じます。
その痛みから不動期間が続き、可動域制限・筋力低下が生じます。
そのため、肩関節周囲炎だからここに注目!というポイントはありません。
肩関節の1つ1つを評価し、仮説をたて、検証していきましょう。
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
作業療法士 加藤淳
◇◆◇◆◇◆お知らせ◆◇◆◇◆◇
<肩関節周囲炎のリハビリテーション 〜病態・機能解剖の理解から評価とアプローチまで〜>・第1回 9月29日(木)20:00〜21:00
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