変形性膝関節症(OA)O脚X脚へのアプローチ

O脚に悩んでいる女性、多いと思います。

リハビリの現場でも、変形性膝関節症(膝に過度なストレスが掛かり続けることで炎症が起こり、徐々に変形していく疾患)多いのではないでしょうか?

 

変形性膝関節症

しかし、膝の変形はO脚の場合もあればX脚の場合もあります。

もちろん屈伸(曲げ伸ばし)の制限も同時に起こっています。

 

どちらも同じようなアプローチやトレーニングで良いのでしょうか?

今回のコラムではO脚(内反膝)とX脚(外反膝)の違いとアプローチについて。

 

O脚(内反膝)について

膝の変形を呈する人の多くが、こちらのO脚変形です。

膝の内側へのストレスによって引き起こされるこの変形が何故起こるのか?

 

歩行の際、体重によって体には床反力が返ってきます。

通常足底から身体重心(へその辺り)へ向かいますが、細かく言うと、踵の外側から上がっていき膝関節では上内側を通ると言われています。

この時に膝関節には内反の力が働きます。

普通に歩いていても内側へのストレスは掛かるのです。

 

この衝撃を吸収しているのが膝の外側側副靭帯や、腸脛靭帯などの外側にある組織。

O脚変形を呈している患者の多くは、この外側の筋や靭帯がかなり緊張しているのではないでしょうか?

内側へのストレスを吸収するために過度に緊張した状態です。

これらの靭帯、筋の働きを整えることが、内側へのストレスを軽減する方法ですが、その前にもう一つ知っておくべき点があります。

 

大腿と下腿の内外旋について

内側へのストレスが掛かるとき、大腿は外旋し、下腿は内旋しています。

運動連鎖の視点ですが、この動きはイメージ出来るでしょうか?

そのストレスを減弱させていくためには、大腿は内旋、下腿は外旋させなければなりません。

 

  • 大腿を内旋させる筋:股関節内転筋群、大腿筋膜張筋、中殿筋前部線維

  • 下腿を外旋させる筋:内側広筋、大腿二頭筋

 

但し、これらの筋を単純にトレーニングするだけでは効果は上がりません。

 

具体的な方法は下肢セミナーでお伝えしていますが、ポイントはそれぞれの筋が適切に機能しているかどうかです。

 

X脚(外反膝)について

過度の外反膝の原因は、多くが過去の受傷、遺伝的要因、高いBMIなどが影響するといわれている。

(Donald A.Neumann著:筋骨格系のキネシオロジーより)

 

内反膝との違いについて考える時、距骨下関節の過度の回内に着目しなければなりません。

外反膝を呈する人は、距骨下関節の過度の回内と、その原因となる股関節外転筋の弱化が多く見受けられます。

そして、体幹の側屈も観察されます。

 

つまり、、、

 

股関節外転筋弱化

   ↓

代償として体幹側屈

   ↓

距骨下関節の回内

   ↓

膝への外反ストレス

 

このような機序をたどっている場合が多いようです。

 

リハビリテーションアプローチ

アプローチすべきは、、、

  • 原因となっている外転筋の弱化

  • 体幹の代償戦略に対する動作指導

 

この2点は優先すべきポイントでしょう。

もちろん不定性がある場合には、補装具などで代償する必要があります。

距骨下関節の動きも改善させる必要があるでしょう。

 

膝に痛みを有する多くの人が、何らかのストレスを膝に与えています。

それを解消するためには、隣接する関節(股関節・足関節)の状態を見なければいけません。

 

 

 

O脚とX脚の違いと代表的なアプローチの考え方、いかがだったでしょうか?

 

実際のアプローチを学びたいという方には、オンライン教材をお勧めします。

それでは最後まで読んでいただけて感謝致します。

 

関連記事

  1. パーキンソン病のリハビリテーション②〜薬物療法とセラピストの目〜

  2. 肩関節リハビリテーション 肩甲上腕リズムの運動学

  3. 肥満と糖尿病〜運動が必要な理由②NEATをみてみよう!〜

  4. #おうちでリハビリ

    おうちでできるリハビリが求められている?

  5. 白血球の数値は自律神経バランスに関係する?【リハビリに役立つ血液検査データの見方5】

  6. パーキンソン病のリハビリテーション④大脳皮質-基底核ループ②〜運動ループ〜