*この記事は2019年6月の記事を加筆修正しています。
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公表されてる人口動態をおさらい
厚生労働省より「平成 30 年(2018) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」という資料が公表されています。
少子高齢社会という言葉を頻繁に見聞きするようになって久しいです。
人口における高齢者の割合が増え、子供の割合が減る。
一言で言えば、そういうことなのですが、子供の割合が減るということは「将来の人口が増えにくくなる」ことにつながります。
何年も前から「少子化傾向」と言われていたにもかかわらず、具体的な対策はされず、いよいよ数字となってダイレクトに現れて来たからなのか、この数年で政治家の失言につながっています。
モラルが低いのか、焦りがあるのか、よくはわかりません。。。
人口が減る国
先ほどの資料から、人口にフォーカスしてみてみましょう。
・出生数は減少(91 万 8397 人)
・死亡数は増加(136 万 2482 人)
つまり人口は44万人ほど減っています。
前年は39万人ほどの減少だったので、減少のペースが加速しています。
人口が減るということは、ダイレクトに国の力が弱まるということです。
大きく問題視されているのは人口が減るだけでなく、高齢者が増え社会保障費が増えていくことかと思われます。
そのため、毎回診療報酬、介護報酬の改訂時に大騒ぎになります。
44万人というのは東京都の葛飾区や町田市の人口に近い数字です。
1年でそのくらいの数の人がいなくなるというイメージですね。
人口減社会に対してリハビリテーションはどのように貢献していけるでしょう?
人口が減る理由の1つ「老衰」
死因にフォーカスしてみます。
1位は圧倒的にガンです。
2位が心疾患。
ここまでは、過去のデータと特に変わりません。
3位が「老衰」。
すごい世の中になりました。
見方を変えると、天寿を全うされる方が増えているとも言えますかね。。。
「死」の迎え方が多様化して来たことが言えるかもしれません。
積極的な治療を望まない、ということと関係があるのでしょうか。
あるいは、単純に老衰状態になるまで生きる可能性が高まっているとも捉えられます。
嫌が応にも、自分が高齢者になって動けなくなる人生設計を準備しないといけないでしょう。
リハビリの一部分として「死までの人生デザイン」も含めたゴール設定が必要になってくるかもしれません。
命について、もっともっと考えていかないとですね。
(答えの出ない問いだからこそ。)
(引用:平成 30 年(2018) 人口動態統計月報年計(概数)の概況)
これは死因別の死亡率の推移ですが、ガン、心疾患、老衰の上昇角度が似ていますね。。。
脳血管疾患による死亡率が下がって来ているのは医療技術が貢献しているのでしょうか?
平成29年のデータになりますが、疾病分類別の推計患者数をみると
悪性新生物:約14万2千人
脳血管疾患:約14万6千人
となっています。
(参考:平成29年(2017)患者調査の概況)
患者数と死亡率をみると「リハビリ」のニーズは高そうです。
リハビリの範囲が広がると良いのでは?
少し別の見方をしてみましょう。
年齢別にみた死因にフォーカスしてみます。
(引用:平成 30 年(2018) 人口動態統計月報年計(概数)の概況)
10代、20代、30代の、死因における「自殺」の割合が男女ともに高い実情となっています。
一般的には疾病後の機能制限、ADL制限に対してリハビリが行われています。
いわゆる医学的なリハビリテーションです。
疾病による制限に「老い」が加わって、「回復」という考え方の再定義が求められる「生活期、維持期」と呼ばれるリハビリテーションの整備も進んでいます。
そういった状態をできるだけ回避して健康寿命を延ばそうと、リハビリは「予防」の分野への介入も進められています。(ReというかPreの考え)
それらとは別に、10代、20代、30代の自殺を減らしていくべく、社会との関わりを「再構築」するという意味でのリハビリテーションも、今後取り組んでいく領域なのかもしれません。
肉体
運動
認知
という事象に対して、どうにかして可視化して科学的な考察を重ねて来ました。
「社会との関係」や「心」のように可視化または単純化することが難しいと思われる課題に対しても、知性を集合させたリハビリテーションがと求められると思っています。
そして気付いた人はもう動き出しています。
保険下でできないことは、自費でやる?
やり方は様々な手段があるみたいですが、リハビリの考え方というか解釈の幅を広げていけると良いですね。
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