膝窩や肘窩などの屈曲する部位は神経や血管が触知しやすい場所になっています。
神経と血管は基本的には知覚を走行していますので動脈の拍動を
指標にして神経を探すこともできます。
【膝窩の靭帯など】
お手持ちの解剖図などを見ていただくと膝窩の部分の組織は白い組織で
描かれているかと思います。
これは筋のような柔らかい組織でなく、硬い組織となっています。
膝窩には
- 斜膝窩靭帯
- 弓状膝窩靭帯
- ファベラ腓骨靭帯
- 後外側関節包
- 膝窩筋(これは筋ですが)
などがあります。
【膝窩部中央の硬い腱のような線維】
膝窩中央もしくはやや中央上部では脛骨神経に触れることができます。
坐骨神経ほどではないですが太い神経であり腱のような感触
と感じる方もいらっしゃるのではないのでしょうか?
神経なので押せば当然痛く、圧痛があるからといって
マッサージなど行えばその後は痛みやだるさを訴えてしまいます。
(神経は強く圧迫しないことは当然大切なことですよね)
膝窩には弓状膝窩靭帯や斜膝窩靭帯などもあるため
これらの組織にアプローチする時は問題ないかと思います。
脛骨神経は中枢部から長軸方向に伸びているため、
股関節屈曲位とすることで伸張され触診しやすくなります。
また、脛骨神経の外側には総腓骨神経が走行しています。
総腓骨神経は外側ハムストリングスに沿うように走行しているため
外側ハムストリングスの腱のすぐ横にある細い線維は総腓骨神経となり
その部分をリリ−スなどする際は若干注意が必要になります。
【ファベラ骨】
あまり聞いたことがない方もいるかもしれませんが
図はおおよそのような形ですが、すべての人にではないですが
ファベラ骨という種子骨が存在するようです。
このファベラ骨がなくでもファベラ骨靭帯は存在しています。
10〜15%の人に発生するようですね)
- ファベラにより膝窩部痛を生 じた1症例
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsjd1982/5/3/5_3_409/_pdf - 膝屈曲時の膝窩部痛の原因について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2006/0/2006_0_C0884/_article/-char/ja/
こういった文献もある様です。
膝の解剖触診などの記事
- 膝関節術後の拘縮予防と内側膝蓋支帯との関係など
〜膝関節前面の静的安定作用の組織〜
https://iairjapan.jp/archives/22543
参考、引用文献・画像
- 1)Visible Body Muscle Premium
- 2)国中 優治ら著:膝屈曲時の膝窩部痛の原因について 第2報 遺体解剖による考察
第42回日本理学療法学術大会 抄録集 - 3) ジャン=ピエール・バラル / アラン・クロワビエ 共著:
新マニピュレーション・アプローチ<下肢> 科学新聞社 2014年
お読みいただきありがとうございました!