触診を上達させるためのポイント①

『まずは触診だね』
新人療法士は臨床での技術を学ぶ際にこのように声をかけられることが多いのではないでしょうか?

触診・・・
すごく大切な技術の一つです。
では、その触診に必要な要素はなんでしょうか?

本日は触診が上達するためのポイントについて整理していきましょう。

1 触診には2種類ある

臨床で療法士が実施している”触診”は2種類に分けられます。

① 状態を把握する触診
② 部位の判別をする触診

臨床上、新人療法士がまず思いつくのが②の触診ではないでしょうか?
『自分が触っている筋は何筋なのか?何関節なのか?』などの判別をするために触診を学ぶことが多いでしょう。
しかし、この判別するための触診を学ぶためには①の”状態を把握する触診”ができることがとてもたい大切なのです。

2 状態を把握する触診力はどう活きるのか?

なぜ状態を把握する触診力が重要なのか?
状態を把握する、つまり相手の状態を感じとる触診です。

この筋はどうなっているのか?どこかに硬直させている箇所はあるのか?
などを把握していきます。
しかし、この時に相手に体重をかけたり、必要以上に圧を強くしてしまったり、など相手にとって不快に感じる触れ方をしたらどう反応するでしょう?

相手は『少し痛いな・・・』『大丈夫なのかな?』と不安を抱えることがあります。

その不安を感じると、触れられている部位を固めます。
つまり防御性収縮です。
この防御性収縮をさせている状態では相手の状態を感じることが困難です。
さらに、部位ごとの触り分けもできなくなります。

つまり”状態を把握する触診”は
・相手にとって適切な触り方
がポイントとなり、それができることで臨床でより相手に配慮した触診、部位ごとの触り分け、が可能となってきます。

3 相手の状態を感じるためには?

相手の状態を把握するためには、相手が触ることを許してくれることがポイントとなります。

そのために、触診する前に、相手の姿勢に気をつけてみましょう。
・背臥位に時にプラットフォームと身体の間に隙間はないか?
・体幹などにねじれがないか?
・呼吸は苦しそうにしていないか?
など、相手がリラックスできない要素を排除していきましょう。
このリラックスした状態を作り出すことで触診時に相手の正しい状態を感じられやすくなります。

4 まとめ

いかがだったでしょう?
触診の上達するためには、まずは相手の状態を感じられるようになりましょう。

そのための要素として
・相手の姿勢
に注意していくことがポイントとなります。

ぜひ臨床で意識していただき、触診の上達へつなげていきましょう。

最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

作業療法士 加藤淳

◇◆◇◆◇◆お知らせ◆◇◆◇◆◇

IAIRのオンライン講義が始まりました!
セミナーの予習、復習としても使えますので
まだ見られていない方は、是非!

関連記事

  1. 心不全に対するリハビリテーション⑧〜交感神経優位をどこでみつける?〜

  2. 関節可動域制限を甘くみない。〜40肩を経験して〜

  3. 【臨床経験年数別】何をテーマに学んだらいいのか?

  4. 何故大胸筋は毎回硬くなるのか?

  5. 動作分析の前に姿勢分析?〜姿勢分析の基本④背臥位の筋緊張の分布から、寝返りの問題を探す〜

  6. 糖尿病の食事療法〜極端な糖質制限は必要?〜