手を機能的に使う為のアーチの役割と調整法

上肢は下肢と比較し、自由度が高く精緻な動作を求められる部位であり、ペンフィールドのホムンクルスにおいても下肢のおよそ2倍ほどを占めています。

そして日常生活動作においても、幅広い動きを利用し、様々なことを行うのに役立っています。

ここで皆さんが朝から行っている行動で上肢を必要とする動作を思い浮かべてみてください。

どうでしょうか?
概ねの動作において上肢の運動が求められるはずです。
つまり、上肢に障害を認めるとそれだけ日常生活に影響が生じるということが容易に想像できます。

そのため我々はそれを改善するためのリハビリテーションを行う必要があります。

今回は手指について述べてみたいと思います。

手指の解剖

手指は8つの手根骨、5つの中手骨、5つの基節骨、4つの中節骨、5つの末節骨で構成されており、これらが連動して動くことで、物を把持したりすることが出来ます。

特に重要なのは手のアーチです。

 

手のアーチとは?

皆さんご存じのとおり手には3種類のアーチがあり、これらがあることによって手は丸みを帯びることができ、機能的かつ複雑な動作が可能となっています。

この3つのアーチとは

  • 近位横アーチ
  • 遠位横アーチ
  • 縦アーチ

の3つです。

近位横アーチ

  • まず近位横アーチですが、遠位の手根骨の並びで構成されており、可動性は乏しいものの強固な作りとなっております。

遠位横アーチ

  • つづいて遠位横アーチですが、第1〜5中手指節関節の並びで構成され、近位アーチと比較すると可動性があります。
    近位で土台をつくり、遠位で可動性を出すといったところですね。
    つまり土台であるところの近位横アーチがくずれても可動性は乏しくなりますし、遠位横アーチが崩れても機能的な動作は難しくなります。

縦アーチ

  • 最後に縦アーチですが、第2,3の手根中手関節から中手指節関節を通り、指先までの並びで構成されます。
    この縦アーチは屈筋群と伸筋群のバランスによって構成されるためどちらかの筋力が低下するだけでアーチは崩れやすくなります。

アーチの崩れは機能低下の大きな要因となりますので、アーチを整えることは手のリハビリにおいても重要だとわかりますね。

アプローチ

これらのアーチを作りやすくなるのが手根中手関節と中手骨間の調整アプローチです。

やり方は簡単!

手根骨中手関節の関節間、中手骨間をそれぞれ単独に分離して動くようにねじります。

慣れれば10秒程度で終わるのでいつでも使用できます。

詳しい方法は以下をチェックしてみてください!

リハビリの臨床で結果が出せる上肢アプローチ(e-learning)

実際にセミナーへ参加するとその他の上肢の各部位へのアプローチも学ぶことが出来、明日の臨床の幅がぐんと広がりますよ!

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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