MART的!『皮膚』を知る!

MART的!『皮膚』を知る!

 

 

皆さん、こんにちは!今更ながらスムージー作りにハマっています!MARTインストラクター、理学療法士の小長谷佳世です!

普段あまり買わないのですが、業務スーパーで冷凍ミックスベリーを買いまして、それをスムージーにしたら見事にハマってしまいました(笑)

バナナを入れてみたり、プロテインを入れてみたり…少しずつ味を変えて楽しんでいます。

ベリー系には美容に良いとされる栄養が多いのだとか…体の中からしっかり栄養を摂るのは重要ですよね!

 

 

さて、MART的には体(胃)の中に直接摂り込むというよりかは、嗅覚や皮膚からの吸収が多いです!
精油の成分などをある意味で栄養と捉えるならば、口以外からどうやって栄養を摂るのか…

本日のコラムでは、初級セミナーを振り返りつつ、復習をしていきましょう!

 

  

 

本日の

お品書き

1:4つのルート

2:低分子、高分子って何?

3:皮膚の透過率

4:皮膚状態によって気を付けたいこと

 

  

1:4つのルート

 

さて、初級を受講された皆さん!

アロマを取り入れる4つのルート…覚えていますか?

 

 

  • ◯◯反応:鼻粘膜から
  • ◯◯反応:◯へダイレクトに反応
  • ◯◯吸収:消化器から(*MART、日本アロマ協会では禁止)
  • ◯◯吸収:希釈したものを◯◯に塗布

 

 

この○に入るもの、皆さん分かりましたか?

これは、メディカルアロマのみならず、アロマテラピーの基礎としてもしっかり押さえておいていただきたい部分になります!

 

 

分からない…

忘れてしまった…

これは、勉強するチャンス!

ぜひ資料を見直してみて下さいね!

 

 

 

 

2:低分子、高分子って何?

 

 

初級セミナーでは、精油の分子量の話をしたことを覚えていますか?

 

 

精油の分子量は500以下である

 

 

この辺りを皆さんに質問すると、殆どの方の頭の上にはハテナが見えます(笑)

私も、この辺りはメディカルアロマを勉強し始めてから漸く頭の中に入ってきました。

なので、皆さんも大丈夫!

それでは、少し振り返ってみましょう!

 

 

理科的にいうと、この世の物質の最も小さい単位は原子。そして、その原子が2個以上組み合わさったものを分子といいます。

 

例えば、水素原子H、酸素原子O、炭素原子C、などです。

これらがHOとなり原子が3つ組み合わさることで、1つの水分子が構成されます。

 

 

そして、低分子と高分子と言うのは、成分を構成する分子量の大きさの違いがあります。

分子量というのは、分子式(例えばHOなど)に含まれている元素の原子量の合計のことです。

なので、HOの分子量がいくつかというと…

 

H原子量=1

O原子量=16

になるので、

 

Hが2個=1×2

Oが1個=16×1

これらを合計すると18になります。

なので、HOの分子量は18になります。

 

 

 

高分子は分子量が10000以上であると言われています。

例えば、天然のものならば綿や麻などの繊維、天然ゴムなど…。生物では酵素やDNA、構成物ではプラスチックや合成繊維などが高分子と言われています。

 

低分子は分子量が10000以下(この辺りの境目は曖昧であると言われています)であるものになります。

10000以下であれば、先に出た【精油の分子量は500以下】は当てはまりますね。

なので、精油の成分は低分子である、と言えます。

 

 

具体的なものを示すと…

スイートオレンジに含まれるd-リモネンと呼ばれる成分の分子式はC10H16になります。

なので、これの分子量は…

 

H原子量=1

C原子量=12

になるので、

Cが12個=12×10=120

Hが16個=1×16=16

なので、d-リモネンの分子量は136になります。

500より小さいですね!

 

 

では、この500以下の分子量…

表皮や毛細血管、皮下組織の血管まで吸収されるのでしょうか?

 

 

 

 

3:皮膚の透過率

 

 

先の質問の答え、それは…

 

精油の分子量500以下というのは、容易に表皮や神秘の毛細血管、皮下組織の血管まで吸収されます。

 

 

https://www.maruho.co.jp/medical/academic/infostore/vol02/03.html?fbclid=IwAR3X3aQGffP5wH5eOygrPXJNgvjWvnWbErwh9tXT2h4lWNN7EloVC5oATTU

 

上記のマルホ株式会社様の皮膚透過率と分子量の関係(図3)をお借りしてみても、それは一目瞭然かと思います。非常に分かりやすい図なので、ぜひ頭に入れておいてくださいね!

 

そして、精油は親油性であり、油に溶けやすいという性質があります。

 

 

皮膚は表皮(約0.1~0.3mm)・真皮(2~3mm)と皮下組織から成る複合組織で、実質的にバリア機能を担うのは皮膚の最外部に位置する、わずか10~30μの厚さの角層です。

 

 

 

皮膚の透過性バリアは主に脂質によって形成されていて、表皮脂質の質的・量的バランスの維持は非常に重要です。

↓のコラムに皮膚バリア機能について書かれていますので、一読くださいね(^^♪

( https://iairjapan.jp/archives/27664 )

 

 

更に細かくみていくと、ラメラ構造や細胞の配列や間隔、はたまた細胞って何からできている?細胞膜って何で作られている?など…この辺りがハッキリと分かってくると、親油性で低分子の精油成分が吸収されていく理由が分かると思います。

コラムで書くにはとーーーーーーーーーっても長くなってしまうので割愛します。

下記に参考資料として非常に興味深い文献や参考書を記載していますので、是非そちらも見てみて下さいね!

 

 

 

 

4:皮膚状態によって気を付けたいこと

 

 

さて、皮膚の透過率について少しお話ししましたが、これは皮膚状態、健康状態、季節などによって変わってきます

 

 

この季節、乾燥しますよね…

特に現場で働いていると、患者様ごとに手を洗い、追い打ちをかけるようにエタノール消毒…

 

私は何年か前にこの一連の行いによってステロイド軟膏を処方されるほどの手荒れに悩まされました…

 

 

この時の皮膚ってどうなっていますか?

…カッサカサ+真っ赤です。炎症しちゃってます。

めちゃくちゃ痛かった…(ノД`)・゜・。

しかも、繰り返し手洗いに消毒…元通りの皮膚になるにはかなり困難な状態です。

 

 

簡単なイメージをしてみると、皮膚の凸凹が大きくなってしまっているような状態…

正常な皮膚であれば分子量500以上のものは入らないようになっていましたが、凸凹の穴が大きくなってしまえば、分子量500以上のものが簡単に入ってきてしまいます。

完全に皮膚のバリア機能が破綻しています。

 

これは、手洗いなどだけで起こるわけではありません。

アトピー性皮膚炎の方やその他皮膚疾患をもつ方、高齢者では正常の皮膚状態と異なってきます

特に、我々が関わることの多いであろう高齢者は表皮でのコレステロール合成量が減少や、角層で水分補給に関わるアミノ酸やグリセリンの減少、カルシウム分布の異常などがみられ、バリア機能が壊れやすいようです。

 

 

MARTではハンドトリートメント、フットとリーメントを手技の1つとして学びますが、皮膚の観察ができる事もメリットの1つです。

 

 

もちろん、日常的にリハビリ介入で皮膚の観察を目で見て手で確かめて、と行っていれば問題ないです。

しかし、そういった場合が必ずしもできるとは限らないかと思います。

 

トリートメントをするときに対象者の皮膚状態を確認し、

そもそもトリートメントして大丈夫か?

キャリアオイルは何が良いか?(キャリアオイルにも多くの種類があります)

精油を使用しても良いか?(使わない、という選択肢もあります)

皮膚刺激の強い精油の使用可否は?

濃度は何%が良いか?

吸収率が高ければ多めに用意しておく

などなどなど…

 

 

対象者の皮膚状態を観察し、その人の身体の中はどうなっているのかをイメージし、どういったことをしていくのか…

常にベストな選択ができると良いですよね!

 

 

その為にも、しっかりと皮膚のことまでも知っておくのがベター!

ぜひこれを機に調べてみて下さいね!

 

 

そして、【表皮から骨組織まで、連続性のある繊維がある】ということも頭に入れておきたい部分!

トリートメントをすることで、組織間の繊維の滑走性を出し、運動制限の解消や各細胞への栄養運搬、代謝活動の円滑化が行えるという事を念頭におくと、トリートメントのメリットは更に広がっていきます。

詳しくは↓のコラムを参照ください(^^♪

( http://iairjapan.jp/mart/2019/04/04/post-1755/ )

 

 

本日も最後までお読みいただき有難うございました。

 

 

MARTインストラクター

小長谷佳世

 

 

【参考】

・Jean-Claude GUIMBERTEAU,Colin ARMSTRONG『人の生きた筋膜の構造-内視鏡検査を通して示される細胞外マトリックスと細胞-』(2018)医道の日本社

・八田一郎『皮膚のバイオサイエンス-皮膚角層の構造と機能-』(2016)日本接着学会誌Vol.52 No.5

・河合敬一『イオントフォレシスとエレクトロポレーションを併用した薬物の経皮デリバリー法(メソポレーション法)とその皮膚科的応用』(2012)日本DDS学会No27-3

・杉林堅次『薬物の皮膚透過促進とコントロールドリリース』(2016)日本DDS学会No.31-3

・中納美智保 他『年齢の違いによる女性の皮膚生理機能の比較』(2018)関西医療大学紀要,Vol.12

・大野祐介『皮膚バリア機能に必須な脂質アシルセラミドの生合成機構の解明』(2017)日本薬学会,YAKUGAKU ZASSHI 137(10)

・吉田和恵『アトピー性皮膚炎の皮膚バリアと表皮樹状細胞』(2017)日本アレルギー学会,66(8)

・坂本一民『角層細胞間脂質のバリア機能』(2017)日本油化学会,オレオサイエンス第17巻第11号

・加藤知 他『ヒト皮膚角層の構造と物質透過性』(2015)日本油化学会,オレオサイエンス第15巻第11号

 

 

P.S.
中級を受けたいけど初級を受けそびれた、、、という方に朗報です!
現在、MART初級のオンライン教材を収録中だそうです!!
リリースが少し遅れていますが、
どうぞお楽しみに、、♬

 

 

追伸:

良ければMARTの事務局、aroma@iairjapan.jpにコラム内容の希望をご連絡ください^^
皆さんの知りたいことを、ここで伝えられる範囲でお話ししていこうと思います。

 


  

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