精油で新型コロナウイルス対策はできるのか?
こんにちは!最近胃もたれが激しい(笑)MARTインストラクター、理学療法士の山田佳世です!
日本各地で新型コロナウイルス感染症『COVID-19』が猛威を振るっていますね…
一斉休校などもあり、子供たちだけではなく、大人たちもてんやわんや…
デマ情報まで出回り、振り回される人も多く…
なんだか、健康被害以外にも色々な影響をだすCOVID-19です。
病院などの施設では対策に追われる方も多いようですね。
しかし、第一は自分自身を守る事!
さて、今回はそんな新型コロナウイルス感染症『COVID-19』対策に精油がどんな関りを持てそうか、私自身の見解を皆さんにお伝えしようかと思います。
…もちろん、私自身の見解です。これが正解とかではなく【考えられる事を書いてみた】ので、皆さん自身の責任で扱っていただければと思います。
本日の お品書き | 1:そもそもウイルスって何? 2:エンベロープって何? 3:病気にならないための身体づくりとは? 4:精油で環境対策! |
1:そもそもウイルスって何?
皆さん、そもそもウイルスってどんなものか知っていますか?
ウイルスとは、生物と似たような構造(遺伝子)を持っているが、細胞をつくらない物質のことであり、
生物という括りに入るかは研究者によって意見が分かれるようです。
細菌とウイルスを比べると、細菌よりは単純な構造(タンパク質+核酸)で、細菌よりも小さい(ウイルス粒子)です。
そして、ウイルスは自力で動いたり単体で増殖したりしないと言われています。
しかし、ウイルスは動植物の中に入り込み、その細胞機能を使いそのウイルス自身のコピーを増やしていきます。
なかなか怖いですよね…私たちの身体に入り込み、私たちの細胞を使って増殖…
手ごわい奴らです(笑)
そして、実はウイルスには種類があるようです。
ウイルスが持つ核酸には、DNAとRNAの2種類あり、DNA型は変異が起こりにくく安全性が高い構造をしており、RNA型は安定性が低く変異しやすいと言われています。
RNA型の代表としてインフルエンザウイルスがありますが、このウイルスは変異を繰り返すので毎年世界中で大流行します。
記憶に新しいのは、2009年に世界的に大流行した新型インフルエンザですね。この時、確か大阪府では府内小中高校の一斉休校が決行されたかと思います。
そしてもう一つ、ウイルスの核酸を包むタンパク質の外側にエンベロープという膜があるかないか、という部分が感染対策を考えるうえで重要になってきます。
2:エンベロープって何?
先ほど出てきたエンベロープ…皆さんご存知でしたか?
インフルエンザウイルスや、今回の新型コロナウイルスCOVID-19はエンベロープを持つウイルスと言われています。
上記で出てきたように、ウイルスは単体では増殖できません。しかし、このエンベロープという膜は表面に細かい突起のようなものを作り、生命体に吸着・侵入するのを助けると言われています。
このエンベロープは脂質二重層からなると言われています。
脂質からできている…ふむふむ…
MART初級を受講された方は、アロマスプレーを作成したときのことを思い出してほしいです。
アロマスプレーで使用したのは、精油、精製水、無水エタノールでしたね!
まずエタノールを入れて、そこに精油を入れました。
それは何故か?
精油と精製水を混ざりやすくするため、でしたね!
本来親油性の精油は水とは混ざりません。
だから、エタノールで乳化させて水と混ざりやすくなる状態を作ってから、精製水をいれることになります。
この作り方のポイントは、乳化!
これは、エタノールが精油の油を溶かしているから、なるものですよね!
(溶かすという表現があっているかは分かりませんが、エタノールの性質上水にも油にも混ざりやすい特徴があります)
これから考えるに、エンベロープを持つウイルスにアルコールが有効なのは想像できます。
だから、今回のCOVID-19の対策ではアルコール消毒が有効とされています。
現に、今年のインフルエンザの患者さんの数は少ないようです。
COVID-19対策のため、いつも以上に気を使っているのが分かりますね…
本来は、毎回うがいや手洗い、アルコール消毒には気を使っていきたいですけどね…
3:病気にならないための身体づくりとは?
さて、ここまでウイルスの構造について簡単にみてきました。
ウイルスの特徴を知ると、対策が見えてきますね。
次は、私たちの身体についてです。
一番重要なのは、COVID-19に感染しない、もしくは重症化しないような身体づくりですよね。
その為には、ウイルスを身体に入れないことが大切です。
では、ウイルスが身体に入らないためにはどうすれば良いでしょう?
一つ目は、身の回りでできる感染対策ですね。
手洗い、うがい、アルコール消毒、咳エチケット、換気、マスク、などなど…
政府やWHOの報告をみると大体この辺りかな、と。
二つ目は、自己免疫能を向上させること、と仮定します。
よく、免疫が落ちると風邪をひきやすくなる、とか言いますよね。
そして、今回のCOVID-19は若年層より高齢者や糖尿病・心臓の病気など持病がある人の方が重症化しやすいとも言われています。
老若男女問わず、ウイルスに負けない身体づくり=免疫機能の向上、が大事になってきますね。
実は、メディカルアロマの世界でも精油を利用する前の身体づくりは大事になってきます。
精油成分は直接脳に働きかけるルートや、吸入・皮膚吸収から血液を介し最終的に肝臓でも代謝されます。
この時、血液循環や肝臓機能の働きが重要になるのは言わずもがなですよね。
だから、精油を使う前に身体づくりしたいですね!
無い方が良いストレスや、必要な環境整備、生活習慣、食習慣…思い返してみると、ここは改善した方が良さそう!もしくは、ココなら改善できそう!という部分はありませんか?
免疫を上げるために適度な運動をしたり、笑ってみたり!腸内環境との関連もあるみたいですね!
例えば、
・入眠がうまくできず睡眠時間が思ったほど確保できない
・食欲不振気味
・冷え性
・便秘
・仕事など不安が絶えない
・ストレス
などなど…
ウイルスに負けない身体づくりのために精油を利用できることもあります!
この場合は、COVID-19にかからない精油!ではなく、あらゆるものから自分を守るために自分自身を整えてあげる精油!という方が正解な気がします。
もちろん、探せばCOVID-19に有効な精油もあるのかもしれません。
しかし、研究されているわけではなく憶測で抗ウイルス作用があるから!という理由からCOVID-19対策に一矢報いるようなネット上の書き込みも多くみられます。
もちろん悪いとは言いません。
ただ、この場合はしっかりと現実と内容を見極める必要があるな、と思っています。
4:精油で環境対策!
さて、次は精油を身体に使うのではなく、環境に対して利用できそうなことをご紹介していきます。
COVID-19の特徴は前述したように、エンベロープ(脂質二重層)を持っている、アルコールが有効、単体での増殖はしない、などでした。
一般の薬局ではアルコール消毒液は現在も欠品状態が続いているところが少なくないかと思います。
一部では、病院や施設でアルコール消毒液の盗難被害もあるとか…悲しいです。
リハビリ室の清掃はもちろん、人の触る部分の消毒…
アルコールを利用して行っているが、アルコール消費量と供給量が合わない…
アルコール消費量を減らしたいけど、消毒もしたい…
こんな事が現場では起こっているかもしれません。
ここで提案するのが、清掃用として精油を利用する、ということです。
エンベロープは脂質二重層…親油性の精油は作用しやすいのではないかと考えます。
そして、精油には殺菌作用、抗菌作用、抗ウイルス作用という働きをもつものがあります。
少し整理しておきたいのは、この『抗』と『殺』の違いです。
『抗』は増殖を抑える、『殺』はそのままの意味です。
こういった作用が期待される精油成分としては、モノテルペンアルコール類や酸化物類、フェノールメチルエーテル類、フェノール類、芳香族アルデヒド類になります。
MARTではモノテルペンアルコール類と酸化物以外のものは刺激性が強く、多量の使用をお勧めしていません。
しかし、清掃用であれば普段メディカルアロマで使用しない精油たちも日の目をみるかもしれません!
精油の殺菌効果で文献を調べると、上記に書いてある刺激性の強い精油たちが多く紹介されています。
インフルエンザウイルスに対して精油を利用した研究論文なども発表されているので、併せて見てみるのをお勧めします。
使用方法としては、大体アロマスプレーと同じ要領です。
精油を乳化して精製水を加え、オリジナルの清掃用スプレーの完成です!
殺菌などをするための濃度は文献によっても様々ですが、3%くらいにしておくのが良いかもしれないです。一応、人体に触れる箇所の掃除も含むかと思うので…
これを、いつも行う清掃と同じように使っていくのが良いのかと思います。もちろん、手袋はしてくださいね!
今回コラムで書いたことは、私の見解が大部分です。
しかし、TVや報道をみるだけで変に不安を感じるよりかは、自分自身で色々な事を調べ、納得していくことが大事なのではないかと思います。
精油を使わずとも、自分や大切なひとたちの健康を守るため、しっかりとした知識を身に着けていきたいですね!
今回も最後までお読みいただき、有難うございました。
MARTインストラクター
理学療法士 山田 佳世
【参考文献】
宮内浩典(2009)『3.エンベロープウイルスの宿主細胞への侵入過程』,ウイルス第59巻第2号,pp.205-214
鈴木克彦(2004)『総説 運動と免疫 Exercise and Immunity』日本補完代替医療学会誌,第1巻,第1号,pp.31-40
田中愛子,他(2003)『笑いが女子大生の免疫機能等に与える影響』山口県立大学看護学部紀要,第7号,pp.121-125
今西二郎(2004)『総説 メディカル・アロマセラピー Medical Aromatherapy』日本補完代替医療学会誌,第1巻,第1号,pp.53-61
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