そろそろ春らしい気候になり始め、BBQをやりたい欲が漲り始めました、MARTインストラクター 理学療法士の小長谷佳世です。
3月4日には、大阪で初級セミナーが開催されました。
参加された皆様、お疲れ様でした!
大阪のセミナーないで取らせていただいたアンケートを拝見させていただき、皆さん様々な悩みを抱いてセミナーに参加してくださったんだな、と嬉しく思いました。
セミナー内でも聞いたかと思いますが、メディカルアロマだけが全てではありません。
アロマだけを使っていれば、何とかなる・治る、というものではないですよね。
1つの選択肢として、療法士の皆さんの技術や考え方になってくれればと思います。
さて、今回のコラムでは、アンケートの疑問に答えさせていただきたいと思います。
【香りが分からない人には効果があるの?】
これ、皆さんも思ったことありませんか?
私も、以前そう思ったことがありました。
では、初級セミナーの復習も簡単に行いながら、考えていきましょう。
お品書き | 1,精油(エッセンシャルオイル)とは 2,嗅覚 3,アロマを取り入れるルート 4,嗅覚障害 5,分からない?感じない? |
1,精油(エッセンシャルオイル)とは
精油は、植物の葉、果皮、樹脂、樹皮などから抽出され、天然の化学物質である有機化合物が数十種類も集まって出来ています。
その精油成分の多くは炭素原子(C)と水素原子(H)の化合物である炭化水素からなり、そこから色々な物質に種類分けされていきます。
精油の特性としては、「揮発性」、「可燃性」、「芳香性」、「脂溶性」があります。
この時点でイメージできると思いますが、精油は物質なのです。
ここで、精油の化学が重要な事に気が付きますよね(笑)
(【精油を学ぶ意義】http://iairjapan.jp/mart/2018/03/15/post-1526/)
2,嗅覚
今回のコラムでは、精油の成分(におい分子)が体内に吸収されるのか、を考えましょう。
鼻腔内の嗅粘膜には基底細胞、支持細胞とにおいを感じる嗅細胞(直径40~50ミクロン=40000~50000nm)があり、人では約4000万あるとされています。
嗅細胞の先端からは10-30本の線毛(100~150ミクロン=100000~150000nm)が生えており、におい物質に触れることによって、そのにおいに対する感覚が生じます。
線毛には、においに対する受容器があります。
では、嗅細胞や線毛はどのくらいの大きさのものを受容できるのでしょうか。
気体分子 100pm
におい分子 1nm
ウィルス 10nm~100nm(インフルエンザウイルスは80~120nm)
細菌 数~数十μm
単位名 | 単位 | 値 |
フェムメートル | fm | 1.0E+15 |
ピコメートル | pm | 1000000000000 |
ナノメートル | nm | 1000000000 |
マイクロメートル | μm | 1000000 |
ミリメートル | mm | 1000 |
センチメートル | cm | 100 |
メートル | m | 1 |
(1mを換算)
上記の事を考えると、におい分子は1nmであり、嗅細胞にも線毛にも難なく受容されます。
3,アロマを取り入れるルート
初級セミナーでは、4つ習いますが、ここでは簡単に・・・
・鼻粘膜から全身へ
・脳へダイレクトに反応(ホメオスタシスとの関わり)
・皮膚から全身へ
こんな感じでしたね!
4,嗅覚障害
嗅覚障害は、大きく分けると下記の3つに分類されます。
【呼吸性嗅覚障害】
鼻の病気が原因で、鼻の中の空気の流れが阻害され、においの素が嗅粘膜に届かないために起こるものです。嗅覚障害のなかでは最も多いものですが、症状は比較的軽く、完全ににおいを感じられなくなることはほとんどありません。
原因として最も多いのは慢性副鼻腔炎で、この他にも、アレルギー性鼻炎や鼻中隔彎曲症、鼻腔内にポリープが生じる鼻茸なども、呼吸性嗅覚障害を引き起こす原因といわれています。
【末梢性嗅覚障害】
嗅粘膜が障害される「嗅粘膜性嗅覚障害」と、嗅糸(嗅神経)が障害される「末梢神経性嗅覚障害」の2種類に分けられます。
嗅粘膜性嗅覚障害は、インフルエンザなどのウイルスが嗅粘膜に感染して炎症を起こし、粘膜が変性することで起こります。
末梢神経性嗅覚障害は、後頭部外傷などで起こることがほとんどです。
【中枢性嗅覚障害】
嗅球や大脳が障害を受けたことで起こるものです。
主な原因としては、頭部外傷をはじめ、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症、脳腫瘍、脳梗塞などがあげられます。
リハビリで関わることが多いのは、中枢性嗅覚障害がほとんどかと思われます。
ここの見極めも大事ですよね。
5,分からない?感じない?
さて、話をまとめていきましょう。
今回取り上げた、
【香りが分からない人には効果があるの?】
という疑問ですが、
1~4から重要な部分をピックアップすると、
・精油は揮発性の天然の化学物質である=空気中に成分が飛び散る
・鼻粘膜にはかおりの受容体がある=受動的に分子を受容している
・成分は鼻粘膜や皮膚から吸収される=受動的に全身や脳に運ばれる
・嗅覚障害には種類がある=分からないのか?感じないのか?
こんな感じでしょうか・・・
言ってしまえば、【香りが分からない】=効果がない、ではないということです。
何でこの人は香りが分からないのだろうか?と疑問を持ったら、原因を探してください。
私の職場でも、香りがわからない方がいらっしゃって、普段の生活やその方の様子を見ていたら、耳鼻科受診の必要性を感じ、受診を促したところ蓄膿症だった方がいらっしゃいます。今は、少しずつ改善され、香りを感じられるようになっています。
香りは、自分で選んで体の中に入ってくるわけではありません。勝手にはいってきてしまいます(笑)
なので、注意をしなければならない事もあります。
【現象】ではなく【原因】にアプローチができるよう、視点を増やす事も必要ですね!
私も頑張ります!
最後までお読みいただき、有り難うございました。
MARTインストラクター
理学療法士 小長 谷佳世
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