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骨盤後傾の原因になる筋肉は腸腰筋?ハムストリングス?

◆骨盤後傾は症状の原因? 姿勢や動作の観察や分析を少し勉強すると、問題点の一つとして「骨盤後傾位」という評価結果があがってくることが多いですね。 骨盤後傾位(姿勢)が症状、機能制限の「原因」なのか「結果」なのか、見極めていかないことには方向性が立ちません。       例えば、成長期によくみられる膝の痛みは「オスグッド病」という診断がつくことが多いです。   軟骨が剥離していき、その炎症で痛みが出ているとされています。   運動を活発に行っているジュニア世代に多いですが、運動を激しく行っていなくても「成長痛」なんていう風に呼ばれる膝の痛みもこれです。       安静(休息)を取ると痛みが引くことが多く、運動を再開するとまた痛みが出る、というの繰り返すのがよくあるパターンだとか。。。   そんなオスグッド病のケースの多くは骨盤後傾位で運動しがちだそうです。 (小学生サッカー選手におけるOsgood-Schlatter病発症の身体的要因に関する研究)     子供だけでなく、 立ち上がり動作で膝の痛みが出る人 立位保持が安定しない人 変形性膝関節症(膝OA)などで歩行時に痛みが出る人 の立位姿勢や動作を観察すると骨盤後傾位だったりします。     さて骨盤後傾位は膝の痛み、機能制限の原因でしょうか?     ◆骨盤後傾とは? 一応定義上は、 矢状面上(横から見たとき)でASISよりもPSISの位置が2横指程度上にあれば、中間位(ニュートラル)であると言われます。 ASISに対してPSISが2横指以上高い位置にあれば前傾位、1横指よりも低い位置にあれば骨盤後傾位となります。   以上が骨盤の傾きを見る大体の目安になります。     ◆骨盤後傾位になる理由はハムストリング? 骨盤後傾の理由の筆頭に上がってくるのが「ハムストリングスの短縮」かと思います。 関連記事:「ハムストリングスが硬い人は、何故足腰が痛くなるのか?」     確かに、オスグッド病の子供達はSLRで40〜45°くらいだったりします。     ハムストリングスが短縮していれば、起始と停止が近づくことになります。   坐骨結節が膝窩の方に引っ張られるわけなので、空間的に骨盤後傾になります。     骨盤後傾位となると、相対的にASISの位置が高くなります。   大腿直筋の起始と停止の距離が離れていきます。 (脛骨粗面(膝蓋腱付着部)と下前腸骨棘の距離)     そうなれば、脛骨粗面部に伸張応力が加わり、軟骨が剥離していくのは想像できます。 ◆と、いうことは骨盤後傾は結果・・・? 骨盤後傾を生み出したハムストリングス短縮が膝の痛みの原因なのですね・・・?   ここで思考停止してしまうとハムストリングスのストレッチ以外の作戦が出てきません。     他に原因はありませんか???   ◆腸腰筋 ハムストリングスの短縮と同様、骨盤後傾の理由として考えられるのは腸腰筋筋力低下。     大腰筋と腸骨筋からなる腸腰筋は股関節の前方を通ります。   腸腰筋の働きによって骨盤は前傾方向に保たれます。       筋組織が機能的に働くためには「収縮・弛緩(つまり伸び縮み)して筋長が変化」できることが必要です。   習慣的な姿勢や運動は、筋組織をある「一定の状態」に向かわせてしまいます。 膜組織を繋ぐ結合組織で動きが乏しくなり、膜組織間の滑走が失われていきます。       骨盤後傾位は誰もがとりがちな姿勢です。   その姿勢だと、抗重力位で筋活動が少なくても靭帯や関節包のテンションで姿勢保持が可能なので、休息を取る姿勢として選択されたりします。   その姿勢が続いてしまうと、筋機能の低下が起きてきます。       ◆痛みとその姿勢の関係は? 私の臨床経験上、骨盤前傾位でも骨盤後傾位でも関係なく、腸腰筋とハムストリングスの機能不全が起きている時に膝の(下肢の)痛みにつながっている印象があります。     ある姿勢、あるポジションで動いていないことが問題としてあがります。 動かなくなってしまった原因は何なのでしょう?     骨盤前傾、骨盤後傾という姿勢だけに惑わされずに「筋が機能しているか」という視点で評価を進めてみると症状の原因にたどり着けることが多いです。     姿勢の観察自体はさほど難しくありません。 「その姿勢は結果か原因か?」 と考えていくところにちょっとした難しさがあります。     原因か結果かを検証するためには、体に変化を生み出せばいいですね。 つまり動かしてみる(自動でも他動でも)ことです。     体が動くことを意識してもらう取り組み(アプローチ)は、多くの場合「それ」が原因なのか結果なのかを示すので、リハビリの方向性を明らかにしてくれます。     ◆腸腰筋のチェックをするには 端座位で骨盤前傾を保ったまま片方ずつ股関節屈曲運動を試してみてください。腸腰筋機能低下があると股関節屈曲が起こりにくいです。   このとき、MMTのように抵抗を加える必要はありません。     運動を評価していき、「原因」として起きているのか、「結果」として起きているのかを見定めていかないと、「ただ行なっているだけ」のリハビリになってしまいますので、気をつけましょう。     運動は筋収縮によっておきます。 筋収縮によって、周辺組織がどのように動くのか? それを知ることがROM制限や痛みなどの解決にたどり着く近道です。 生きている人間の体で結合組織がどのように動いているのかを研究しているDr. Jean-Claude GUIMBERTEAU先生の講演が日本で初開催されます。 https://iairjapan.jp/dr-jean-claude-guimberteau 自分の行なったリハビリによって、人間の体内で何が起きているか知らないまま、アプローチはできませんよね? 詳細、お申し込みはこちらから →https://iairjapan.jp/dr-jean-claude-guimberteau     https://iairjapan.jp/pelvis     【福田陽介無料メールマガジン】 毎週月曜日11:30にこっそりとお届けしています。登録はこちらから。...

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膝冠絶術後

膝関節術後の拘縮予防と内側膝蓋支帯との関係など 〜膝関節前面の静的安定作用の組織〜 【理学療法 実践の手引き Vol.86】

皆さんこんにちは。 IAIR関東の藤田智史です。   関節には筋による関与以外にも、静的安定作用として靭帯などの 組織も関与してきますね。 膝関節ではMCLやLCL,ACL,PCL以外にどのようなものがあるのでしょうか?   【内外側膝外支帯】 この膝蓋支帯は、内側広筋や外側広筋の延長上となる組織が呼ばれます。 ●内側膝蓋支帯は、もちろん内側広筋の線維の延長上にある組織です。 (外側膝蓋支帯は腸脛靭帯に隠れて見えませんね) お手持ちの解剖図もご覧ください 解剖図では白色で描かれておりコラーゲン性の強い組織でそれ自体に収縮力はほぼないです。 内転筋結節にも付着し、膝蓋靱帯と内側側副靭帯の間に停止し、内側側副靭帯とも一部の線維が交差しているとされています。 ●外側膝蓋支帯は外側広筋以外に大腿直筋、腸脛靭帯から起始を持ちます。 また脛腓関節包の一部の線維を接しているようです。 これらの線維に収縮力はなく、膝関節伸展機構の補助的な張力伝達装置として 働きます。 【内側膝蓋支帯の術後の問題】 どちらも人体にとっては必要な組織であるため存在しているわけですが、 膝の手術後にとりわけ着目すべき側があります。 それは内側膝蓋支帯の方で、 ”一般的な膝関節外科の進入路のなかの前方進入路や 内側進入路では内側膝蓋支帯を経由するため,その後の炎症から修復過程に至る際に,容易に癒着しやすい環境にあると考えられる” と2)ではされています。 TKAの術創部はまさにこの部分にありますね。 癒着を防ぐためには、膝蓋支帯の機能を考えるのが1つの糸口となります。 それは、内側広筋から続く線維であるという事です。 よくパテラセッティングを行う事はあるかと思いますが、それは筋を鍛える目的だけでなく 内側広筋が収縮することによって内側膝蓋支帯周囲の癒着防止にもつながるわけですね。 こういった文献もご参考ください 内側広筋の選択的収縮に関する筋電図学的検討 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/1995.22.2/0/1995.22.2_462/_article/-char/ja/ 健常成人に対する内側広筋斜走線維の トレーニング肢位の検討 http://aichi-npopt.jp/dl/info_paper_back/27_02_04.pdf 【膝蓋支帯の深層部にある靭帯】 クアドの線維も合わせるとパテラで五芒星を描くように配列されていますね。 <内側膝蓋大腿靱帯(MPFL) 外側膝蓋大腿靱帯(LPFL)> この靭帯はパテラの内方移動や外方移動を制動したりもします。 (イメージとしてはこのような感じですね。MCLやLCLの深層部に入り込みます) 文献によっては膝蓋支帯の横行線維と書かれることもあります。 パテラを外方移動すると内側膝蓋大腿靭帯が緊張し、 パテラの外側の内面が触れるようになるため外側膝蓋大腿靭帯が触れます。 パテラを内方へ動かすと逆になります。 また、内側膝蓋大腿靭帯は内転筋結節に付着しており内転筋結節周囲は組織が豊富ですね・・・ <内側膝蓋脛骨靭帯(MPTL) 外側膝蓋脛骨靭帯(LPTL)> この靭帯はあまり特に名前を聞くこともないかと思いますが、パテラにつく靭帯として存在しています。 外側膝蓋脛骨靭帯は未発達な方もまれではないようです。 https://www.instagram.com/p/BkVPi2-n08Q/?taken-by=fisio_2.0 リアルな検体ですので閲覧にやや注意が必要ですが こちらのページの画像が実際の解剖のようです。 【その他】 その他の筋性でない組織は、膝蓋靱帯や膝蓋下脂肪体がありますね。 膝蓋下脂肪体はACLや半月板の術後などに炎症を起こしたまま放置してしまうと 伸展制限を作ってしまう事もあるので注意です。 膝蓋靱帯の横から脂肪体を動かすようにセルフマッサージなどをお伝えすることもあります。 (炎症が強いときはもちろん控えます) 膝の解剖触診などの記事のまとめ 内側半月板と○○筋と骨運動 https://iairkanto.jp/knee5-21/ 鵞足部の触り分け https://iairkanto.jp/knee-30-5-28/ 縫工筋を指標に探す神経〜股関節外側部と膝関節内側部の知覚〜 https://iairkanto.jp/knee-n6-4/ 内転筋管での神経絞扼の評価方法の1例など https://iairkanto.jp/knee-6-11/ 3つの線維の内側側副靭帯と外側側副靭帯 https://iairkanto.jp/knee-30-6-18/   参考、引用文献・画像 1)Visible Body Muscle Premium 2)林 典雄著:関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーション 下肢・体幹 メジカルビュー社 2008 3) ジャン=ピエール・バラル / アラン・クロワビエ 共著: 新マニピュレーション・アプローチ<下肢> 科学新聞社 2014年   お読みいただきありがとうございました! IAIR 関東地区 認定インストラクター 藤田 智史 /////////////////////////////////////////////////////// ---●○ IAIR 講習会のご案内 ○●--- /////////////////////////////////////////////////////// 【評価が苦手な療法士の為のシンプル歩行分析とアプローチ法】 新人セラピストでもテクニックの効果を最大限生かせる 歩行の分析法、アプローチの方法をお伝えいたします! このセミナーでは臨床で結果が出せなかったセラピストの為に、 今行っている歩行分析をより簡単に行う方法をシンプルにお伝えします。 【肩関節に対する徒手的アプローチ】 肩関節疾患に対する考え方を構築できるようになります! このセミナーでは、肩関節疾患の患者様との信頼関係を作り上げながら、 難渋しやすい肩疾患へ確実にアプローチする方法をお伝えします。   【膝関節機能解剖に基づく徒手アプローチセミナー】 膝関節疾患の患者様との信頼関係を作り上げながら、確実に治療結果を出す方法をお伝えします。 このセミナーではシンプルで効果の出しやすい筋膜、関節への徒手アプローチと、膝関節に起こりやすい病態の説明と解決方法が学べます。   膝の痛みの原因を3つ挙げられますか?...

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第118回「膝関節リハビリテーション スクリューホームムーブメント 臨床への活用」

From.IAIR 福留良尚     膝関節のリハビリテーションにおいて、完全伸展位が取れるためには、スクリューホームムーブメントが起こらなければいけません。   多くはPT(理学療法士)だと思いますが、この動きが出来るようになるために、徒手的なアプローチや筋力トレーニングを施行するはずです。   しかし、臨床場面において「完全伸展までいかない」「膝の痛みがあってコントロール出来ない」といった上手くいかないケースも経験されていると思います。     本日は、膝関節の運動と、スクリューホームムーブメントにおいて3つのポイントをまとめていきます。       膝関節の伸展     膝関節の伸展には、2つの違うパターンがあります。     1.座位で90°屈曲位から伸展するパターン   これは大腿骨上を脛骨が転がる動きと前方へ滑る動きをする状態です。   脛骨は最終伸展域で大腿骨上にて外旋の動きをします。     2.深屈曲から立ち上がるパターン   これは脛骨上を大腿骨が前方への転がりと後方への滑りが起こっている動きです。   この動きの際もスクリューホームムーブメントは起こります。   脛骨上を大腿骨が内旋(相対的に脛骨は外旋する)する動きが現れます。   (参照 筋骨格系のキネシオロジー,原著者:Donald A.Neumann,監訳者:嶋田智明 ,有馬慶美,医歯薬出版株式会社 以下同)       膝関節のスクリューホームムーブメント     この動きは、膝関節の最終伸展域で観られる約10°の外旋の動きを指します。   伸展でのこの動きは、関節面の適合性を増加させ、安定性を高める働きがあります。   このスクリューホームムーブメントの動きは、3つの要因によって起こると言われています。     大腿骨内側顆の形状 前十字靭帯の緊張 大腿四頭筋の軽度な外側への牽引力     特に重要なのが、大腿骨内側顆の形状で、伸展の際脛骨がその形状に沿って滑ることで外旋の動きが出現します。   骨の構造によってスクリューホームムーブメントは起こるということです。     ですが、多くの膝に問題を抱える患者さん利用者さんは、この動きが不十分になってきます。   ここで問題になってくるのは、膝関節だけの問題ではなく、股関節の影響を受けるという点です。       股関節のアライメント     膝関節を水平面(上から)で観察してみると、スクリューホームムーブメントが起こる際、股関節は相対的に内旋位にならないといけません。     股関節(大腿骨)が外旋位であった場合、脛骨は内旋の動きが出来ないということです。     変形性膝関節症や、日本人に多いO脚姿勢の場合、股関節が外旋偏位しているケースが非常に多いです。   股関節が外旋しているということは、骨盤は後傾し、脊柱も屈曲しているといった、いわゆる円背姿勢をとっている可能性が高くなってきます。     高齢者に非常に多い姿勢です。     そのようなアライメントの状況で、膝のみに可動域訓練や筋力トレーニングを行ったとしても、果たしてスクリューホームムーブメントの動きは出てくるでしょうか?   脊柱は円背し、骨盤は後傾、股関節も外旋偏位しているのに、患者さんの訴えは膝が痛いからと膝のみにアプローチしてはいないでしょうか?       全体を統合する視点     膝関節の最終伸展での脛骨の外旋の動き(スクリューホームムーブメント)は、下肢を安定させ、スムーズな動作を行う上で非常に重要です。   ですが、その動きだけに固執して、全体を見れていないケースが多いようです。     動作分析を行う上で重要な視点は、局所と全体を交互に見ること。   例えば、膝が痛い患者さんであれば、動作時の膝の動きを見つつ、その際全身はどのような動きをしているのか、体幹や上肢の動きまでも観察し、そしてまた局所を見ていく。   この繰り返しによって、問題点の把握が出来るようになってきます。     大切なのでもう一度。     「動作分析の極意は局所と全体を交互に見比べること」     今回はスクリューホームムーブメントに視点を絞って、その際の股関節や骨盤の動きとの連動性を考えてきました。   他にも、例えば肩の運動においても同じようなことが言えます。   肩と体幹の動きを交互に見ることによって、問題点の把握に繋がる可能性が出てきます。       エビデンス重視のリハビリの問題     局所のリハビリや、ある症状に対するアプローチにおいて、平均して効果が現れたものを「エビデンスが高い」と一般的にいいますが、果たしてそれは目の前の患者さんに必ず効果を成すものでしょうか?   100人中80人に効果のあったアプローチが、果たして今目の前にいらっしゃる患者さんに効果があるかと言うと、効果が出なかった20人にあたる可能性(リスク)もあるのが、エビデンスに偏ったリハビリの問題だと私は考えています。     「人を見れないセラピストの必要性は無くなっていく」     何故なら、誰でも出来るアプローチは、AIとかちょっと訓練した一般の人にでも出来るということだからです。   私達が応対しているのは、千差万別の人です。   その一人一人に即したアプローチを考え、試行錯誤し、成果を出していく。     それがIAIRでお伝えしている全人的アプローチであると私は考えています。   https://iairjapan.jp/experience/knee   それでは最後まで読んでいただけて感謝です。   (画像参照 筋骨格系のキネシオロジー,原著者:Donald A.Neumann,監訳者:嶋田智明 ,有馬慶美,医歯薬出版株式会社)   ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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膝関節の変形

膝関節の変形と異常動揺の対処法を解剖学から考えると・・・

人間は直立2足歩行する生き物です。 上肢を有効に使うにも、効率よく移動するにも下肢の機能は重要ですね。   とりわけ、膝関節の症状はリハビリの臨床で遭遇する機会が多いのではないかと考えます。 今日は膝関節について考えてみましょう。     ◆解剖学のおさらい 膝関節は大腿骨と脛骨(おまけに膝蓋骨)で形成される関節です。 屈曲・伸展の動きがメインですがそこに内旋・外旋、さらに内転・外転の動きが加わります。   回旋や内外転の動きは靭帯や関節包など支持組織のテンション、骨構造などで主に制御されています。 筋収縮も補助的に制動に関与しますが、関節運動のスピードによって関わりが変わります。 速い運動(例えばスポーツ中の着地やコンタクトプレー)の時は、筋収縮が追いつかない場面があり、支持組織中心の制動に委ねられます。     大腿骨と脛骨の関節面は、股関節のように適合性の良い構造をしていません。 大腿骨頭は臼蓋に「カポッ」とはまる形をしています。 大腿骨顆部関節面は脛骨関節面(プラトー)の上で立っていられません。 倒れてしまいます。 そのくらい関節面は不適合な関係にあります。 隙間があったらガタガタしますよね?     ◆隙間を埋める存在「半月板」 その隙間を埋めているのが半月板です。   隙間を埋めて、緩衝材の役割も担ってくれることで脛骨の上で大腿骨は立ちやすくなります。   その半月板が小さくなってきたりすると、関節面の不適合が顕著になってくるので、大腿骨は脛骨上で安定しているのが難しくなります。     半月板損傷後や、退行変性、半月板切除術後などで「膝がグラグラする」という訴えが聞かれるのはそのためだと思われます。 徒手的に靭帯のストレステストを行なっても明らかな陽性になるわけではないのですが、隙間を埋める役割をしていた緩衝材のサイズが小さくなるので いい位置を保てなくなるのでしょう。     ◆関節の変形が進行・・・ そうなると骨は(脳は?)安定して支えられるポジションを求め始めます。   支持組織のテンションをきっちり受けられる形を求めてアライメントを変更されていきます。 関節の変形はそういう風に進んでいきます。   ◆固くなる関節 靭帯や関節包は、伸ばされる張力に対してその長さを保とうとする性質は持ち合わせています。 しかし、筋組織のように「自ら進んで縮む」性質は持ち合わせていません。     繰り返し伸張される力を受け続けると、その張力に退行すべく支持組織は厚く固くなっていきます。 不良姿勢の持続や歳をとったために関節が固まるってそういうことですね。   マルアライメントの状態で、支持組織が引き伸ばされ、そこで支持するための張力を生み出そうとした「体からの反応」と考えます。   ◆固くしないために できることなら、力学的に不利な(いわゆる変な)姿勢で関節が固まってしまう前に手を打ちたい。 やっておきたいことは「支持組織に依存しない荷重方法」を学習することです。   っていうと、ほとんどの場合「ゆるい関節を筋収縮で固定する」みたいな発想に向かってしまうのですが、私が提案するのはそうではありません。     筋収縮で固定したところで動かなくしちゃう点で、支持組織がか固くなることと大差ないですから。   ◆揺れないために揺れる場所を増やす? 支持組織に依存しないためには「グラグラしない」ことが大切です。 思い出してください。 支持組織は不意の外力に対して関節を制動する役割を担っていました。   日常生活において不意の外力をゼロにするのは困難なので、不意の外力への対処法を新たに獲得できれば良いのです。     それが「グラグラしない」ことです。   つまり、「外力をキャンセルできるだけの動ける部分を増やす」のが解決策になります。   ◆揺れる体において膝関節は容疑者か被害者か 膝関節に動揺が見られるからといって膝関節周囲の筋力トレーニングに勤しむのではなく、膝関節が揺れる状況にならざるを得ない原因を生み出している部分を見つけることが重要です。 (ややこしいですね)     膝関節以外で動く場所が少ないがために、膝関節が動揺せざるを得ない状況に追い込まれているのだとしたら、膝関節周囲の筋力トレーニングは「無意味」です。   動く部位 動かない部位 を荷重関節全般にチェックしていくことが解決への糸口になります。 動かない部位は動く部位に対して「もっと動いてね」と要求してしまうのです。グラグラの元ですね。 動かない部位が減っていくことで「支持組織への依存が減る」ことも期待できます。 動かない部位を減らすことは、理にかなった考え方だと思いませんか?   もしも変形が始まってしまって、痛みや運動制限が出ている人でも上記の考え方で、動ける関節の数を増やしていくことはポジティブな結果につながりやすいです。     膝関節だけでなく、荷重時に不安定性が出現している患者さんへのプログラム形成にお役立ていただけたら幸いです。       膝関節だけでなく「下肢荷重関節」全般に対して「動きを作っていく方法」をこちらで身に付けることができます。 https://iairjapan.jp/lowerlimbs 他の認定講習会詳細は ↓↓↓ https://iairjapan.jp/calendar     【福田陽介無料メールマガジン】 毎週月曜日11:30にこっそりとお届けしています。登録はこちらから。 リクエストがあったので栄養や食事に関するシリーズを配信する予定です。...

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