福留良尚

第137回「アプローチが上手くなるための3ステップ」

From.IAIR 福留良尚     リハビリテーションに限らず、人体に対するアプローチは本当に数多く存在します。   それだけたくさんのセラピストが、自身の経験と知恵を試行錯誤して技術を開発してきたということを意味しますので、それは大変に素晴らしいことだと思います。   しかし、私たちがそれら全ての技術を「知りたい!」「学びたい!」と思っても、難しいのはご承知の通りでしょう。       時間の都合がつかない 近場で学ぶことが出来ない そもそもどんな技術があるのか分からない       少し脱線しますが…   現代のリハビリテーションは、西洋医学に基づいたアプローチが主となりますが、東洋医学の考え方や、伝統医療、整体、ヨガ、アロマ、按摩マッサージなどなど   人体を整え良くするための技法は、それぞれの分野で成長を遂げてきています。       「エビデンスが無い!」       そう主張するのは、現代の医学は「説明出来る」ことが求められるからでしょう。   それは果たしてクライアントのためでしょうか?   自分の身を守るためであるような気がしますし、「科学的に証明できない=効果がない」とは言い切れません。       本日は、各種の技法についてではなく、それを扱うセラピストに必要な資質について考えていきたいと思います。   今日から出来る「アプローチが上手くなるための3ステップ」行ってみましょう。       ヒトを知る   筋膜リリース、関節モビライゼーション、ストレッチetc   これらのアプローチのほとんどは、対象とする組織に何らかの変化を促す目的で実施されます。   筋膜の滑走を良くするため、関節の柔軟性を高めるため、筋肉の長さを改善するため。       では、その対象となる組織について、どの程度知っているでしょうか?     リハビリテーションにおける問題の多くは、この筋、筋膜、関節などの可動性(柔軟性)の低下に起因し、一般的にImpairmentレベルの問題と言われます。   この問題を解消することが、能力やADLの改善に繋がることは周知の通りです。       しかし、この問題には更に分析すべき原因が残っています。   人体は、各組織が層となり表層の皮膚から始まり、深層の内臓に至るまで何層にも渡って連なっています。   それらの組織の間には「結合組織」が存在し、そこにも滑走性があることが分かっているのです。   参照動画:「Strolling under the Skin 」https://youtu.be/eW0lvOVKDxE   (「この動画はめちゃめちゃお勧めです!」)       どの層にアプローチするにしろ、層の間にアプローチするにしろ、人体について知っておく必要があります。   養成校でも言われたことがあると思いますが、やはり「解剖・運動・生理学」は基本です。   IAIRでは、組織間の滑走を促す技術をお伝えしています。   https://iairjapan.jp/about-tga       自分を知る   「自分を知る」とはどういうことでしょう。   ここに二人のセラピストがいます。   年齢、経験年数、臨床での経験値はほとんど同じ程度だとしましょう。       2人が違う点は、それぞれの身体にあります。       1人目のAさんは、普段ほとんど運動をせず、タバコを吸い、BMIも肥満傾向、睡眠のバランスも良くないのか仕事中はいつも疲れたような顔をしています。   対してBさんは、適度な運動を普段から行っており、食生活にも注意し、仕事中は笑顔で患者さんと接しています。       この2人が同時に同じ技術を学んだとしたら、どちらのセラピストが上手なアプローチを患者さんに提供できるでしょうか?       Aさんだと思う人はきっと0(ゼロ)でしょう。   もし「Aさんの方が…」と思った人がいれば、多分異常です(笑)       誰しもが、健全で自分を律することが出来るBさんの方が、アプローチが上手いに決まっていると想像したはずですし、現実そうでしょう。   適度な運動をし、食生活に注意して、日々誠実に仕事をしているセラピストの方がアプローチは上手いのです。       自分の体を知ることは、ハードを整えるという意味があります。   「ハード」とは、パソコンでいう本体のことを指し、治療技術は中身の「ソフト」になります。   如何に良いソフト(技術)があっても、それを処理できるハード(セラピスト)が無ければ、宝の持ち腐れになるのです。       IAIRでは、セラピストのハードとしての機能を高める方法をお伝えしています。 https://iairjapan.jp/tuneup       人を知る   ここまで技術についてお伝えしていきましたが、最後は対象としているクライアント(患者さん利用者さん)について考えます。   前述の通り、今の医療は西洋医学ベースで進歩してきました。       治療対象が疾患     だったわけです。   では、私たちのリハビリテーションの対象は何でしょうか?   関節可動域、筋力、バランス、痛み、ADL能力…       対象はその人の人生       ではないでしょうか?   関わるべきは、病気や障害によってハンデを追ってしまったその人の人生だと思います。   そのサポートのために技術があることを忘れてはなりません。       これからAIの台頭によって、技術だけでは必要とされなくなる日が来ます。   事実このような記事がネット上には増えてきています↓↓↓ 医師を超える?AIの皮膚がん診断精度     私達に出来てAIに出来ないことは、その人の人生を顧みること、人と人との繋がりの中で技術を提供することです。   アプローチが上手くなるために必要なことは、本心でそのクライアントを助けたいというセラピストの思いです。   そのために、クライアントの内情を計り知れる能力、EQ(Emotional Intelligence Quotient)を高めていかねばなりません。       アプローチが上手くなるための3ステップ   ヒトを知る 自分を知る 人を知る       「何から始めればいいか分からない…」という方は、是非目の前のクライアントに聞いてみてください。   「何でリハビリ受けようと思われたんですか?」   先ずは相手を知ることから始めましょう。         最後までお読みいただきありがとうございます。   ***************************************************************** 国際統合リハビリテーション協会【IAIR】 理事 九州地区代表 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan ***************************************************************** 【YouTubeチャンネル】 IAIR福留良尚の動画チャンネル。 チャンネル登録でいち早く動画チェック!   ↑ クリック ↑ 「チャンネル登録して頂けると、跳ね上がって喜びます(>_<)」 ...

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第136回「療法士のための起業入門講座開催報告inIRF」

From.IAIR 福留良尚     関東地域で開催されたIRF2018にて、「療法士のための起業入門講座」というテーマで講演をさせていただきました。     天候によって来場することが叶わなかった方もいらっしゃいましたが、無事閉会まで迎えられてホッとした次第です。       今回の講演では、何も「みんな起業しようぜ!」ということを言いたかったのではありません。   副題として「理学療法士が起業して経験した天国と地獄」と付けたように、     楽しい面と大変な面があったこと これからの療法士は起業をするにしろしないにしろ多様性が求められていること その上でオンリーワンの療法士が求められていること     今回のコラムでは、オンリーワンの療法士になるための一つの方法について、講演でお話した内容とリンクするようにお伝えしていきます。       多様性とは?   コチラのニュースはご覧になられたでしょうか?   「訪問介護の間にペットの世話も可 厚労省がルール明確化」 リンク>>>https://www.asahi.com/articles/ASL9X6538L9XUTFK025.html       本文には「これまでは保険外サービスの提供について明確なルールがなく、自治体が認めるサービスの範囲に差があった。厚労省の担当者は『ルールが明確になることで、介護事業者が保険外サービスにも乗り出しやすくなり、利用者にとっての選択肢も広がる』と話す。」と書かれています。       現場ではどのような状況か、訪問リハに従事する療法士に聞いてみました。       「私の職場のある市は、人口五万人あたりに10店舗のステーションがある激戦区であり、他ステーションとの差別化を図るためにも、あくまで『サービス』として対応可能な要望には極力応えることを推奨しています。」   「ヘルパー事業所も併設していますが、スタッフをトラブルから守るために、制度に則して『できること、できないこと』は常にスタッフの皆さんで確認されています。『○○さんはしてくれたのに…』となり、サービス担当者が限定されると運営にも支障がでますので、業務内容の統一には会社全体で力を入れているところです」   「現状は『自立支援目的』以外でのサービス利用はできなくなってきています。(調理、掃除を『協力して行う』等あくまで生活動作獲得へ向けた位置付け)そうなると、その中では手の届かないところへの提供になるのでしょうね。もし訪問リハの時間にそういった内容が頻繁にあるのであれば、再度アセスメントからのプラン内の見直しが必要な場合もあるかもしれません。」       このように見るとリハビリの現場でも、サービスとして求められている現状がありそうですが、まだまだ提供できる状況になるには時間が掛かりそうです。   そして、個人的に重視しているのは何も「制度的に提供出来るか出来ないか?」ということではなく、それらのニーズが利用者さんにはあるということを察する能力だと思います。       つまり、利用者さんやそのご家族が潜在的に困っていることを見つけられる能力です。       今保険外リハビリサービスとして注目されている「脳梗塞リハビリセンター」さんのように、保険制度としては180日を超えてリハビリを受ける場合には制限が発生するケースに対して、「自費ではあるけどご本人が納得いくまでリハビリが受けられる」というサービスが、患者さんのニーズとマッチしたからこそ急成長していると言えます。   この、お客さん(あえてそう呼びますが)の声にならない声と、制度内では対応しきらないところに、療法士が提供できるサービスの可能性があるのではないかと感じます。       それを察する能力をEQ(Emotional Intelligence Quotient)と言います。   「EQとは、心の知能 (英: Emotional Intelligence、EI) を測定する指標である。心の知能とは、自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする知能を指す。」 Wikipediaより       この能力を持っている療法士は、これから必要とされていくでしょう。   患者さん利用者さんだけでなく、職場の中でも後輩教育や学生指導、リハビリ科内の調整といった、【 人の心を汲み取る必要がある仕事 】には、必ずこの能力が必須になります。       それを育んでいるでしょうか?その方法をご存知でしょうか?       今後技術だけでなく、人(の心)を見れる療法士が必要だとヒシヒシと感じます。   IAIRでは、疾患ではなく【 人を見れる 】【 多様性を把握できる 】療法士の育成を行っております。   https://iairjapan.jp/educational-policy   最後までお読みいただきありがとうございます。   ***************************************************************** 国際統合リハビリテーション協会【IAIR】 理事 九州地区代表 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan ***************************************************************** 【YouTubeチャンネル】 IAIR福留良尚の動画チャンネル。 チャンネル登録でいち早く動画チェック!   ↑ クリック ↑ 「チャンネル登録して頂けると、跳ね上がって喜びます(>_<)」 ...

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第135回「膝痛で緩めておきたい筋の触診とアプローチ」

From.IAIR 福留良尚     膝の痛みを抱えている患者に対して「大腿四頭筋の筋力増強」では良くならない経験を嫌ほどしてきました。   10年程前のまだセラピストとして駆け出しの頃です。   「教科書には大腿四頭筋を鍛えましょうと書いてあるのに、、」   そんな苦悩を糧に、少しずつ膝の痛みに対応出来るようになってきました。   本日は膝の痛みを抱える患者の緩めておきたい筋について。     腸腰筋   起始:腸骨内面、TH12~L4 停止:大腿骨小転子 作用:股関節屈曲、骨盤前傾     特に緩めておきたい部分は、腸骨筋と大腰筋の間隙(かんげき)です。   腸腰筋は、股関節が柔らかく動くために非常に大事な筋ですが、筋間で癒着を起こして固まっている患者が非常に多いです。股関節を柔らかく使えない分、膝に掛かる負担は倍増します。結果、膝に痛みを抱えてしまうのです。   触診:患者を背臥位、股関節屈曲位とします。ASIS(上前腸骨棘)から1横指内側に指をあて後内側へと指を沈めていきます。腸骨方向(後方)には腸骨筋、身体の中心方向には大腰筋が位置しますが、腹筋群や内臓の更に深層に位置するため、直接は触れません。位置が分かりにくい時は、患者に「足を持ち上げてください」と指示しましょう。筋の収縮が感じられます。当たり前ですが、患者の痛みには注意しましょう。     ハムストリングス   起始:坐骨結節 停止:腓骨頭、脛骨粗面、脛骨内側顆 作用:膝関節屈曲、股関節伸展     膝の痛みある方の多くは、ハムストリングスの緊張が高くなっていますが、それ自体よりもハムストリングスと隣接する筋間との癒着が非常に厄介になります。   それが「外側広筋」「下腿三頭筋」です。   ダイレクトに筋に触れるのではなく、それぞれの筋間を丁寧にリリースすることで、膝のコントロールが改善されます。     触診:膝窩を中心に触れます。腓骨頭に付着しているのは大腿二頭筋ですので、その筋腹の外側は外側広筋と隣接しています。筋と筋の間に指をあて、筋間を広げるように縦にリリースしていきましょう。   大腿二頭筋の内側、及び半腱様筋の内側は下腿三頭筋と隣接しています。それぞれの間に指をあてたまま膝の屈伸を操作しましょう。それによって筋間がリリースされてきます。     後脛骨筋   起始:脛骨、腓骨の上後面 停止:足根骨 作用:足の底屈・内転・打ち返し     何故膝痛患者の足部の筋を緩めるのか?   人が姿勢をコントロールする時、足関節・股関節・ステップの3つが機能すると言われています。そして足関節は最も先行して働く部分ですが、後脛骨筋が固くなっているとその機能が上手く働かなくなり、その代償を他の部分に求められてしまいます。足の内側縦アーチを機能させるためにも後脛骨筋の働きは重要です。   そしてもう一つ、後脛骨筋は深部の筋膜によって大腰筋と繋がっています。ここの固さは時として大腰筋の機能を阻害する因子となる場合もあるのです。     触診:かなり深層にあるので、筋腹の触診は難しいですが、腓骨頭下方後面から下腿中央に向かって圧を加えると触知できます。筋収縮(底屈・内反)させると、内果の後方でも腱を触知出来ます。そのラインに沿ってゆっくり圧を加えるように緩めましょう。     上手く出来ない方へ 筋の触察で大切なのは、解剖学的なイメージと触れた時の感覚を覚えておくことです。 触り方については、触診のセミナーでもお伝えしています。       それでは最後まで読んでいただけて感謝致します。   追伸:他のセミナーは↓↓↓ >>>セミナースケジュール   ***************************************************************** 国際統合リハビリテーション協会【IAIR】 理事 九州支部代表 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan ***************************************************************** 【YouTubeチャンネル】 IAIR福留良尚の動画チャンネル。 チャンネル登録でいち早く動画チェック!   ↑ クリック ↑ 「チャンネル登録して頂けると、跳ね上がって喜びます(>_<)」 ...

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第134回「リハビリ職種のためのお金の話Vol.2【経費と利益】」

From.IAIR 福留良尚     先週に引き続き、リハビリ職種のためのお金の話Vol.2をお送り致します。   先週のコラムについてはコチラです https://iairjapan.jp/archives/25143     …ちなみにこの↑コラム、普段の記事と比べると【 3倍 】近く読まれています。   やはりお金に対する関心度は高いようです。       余談ですが…   日本人のお金に対するある種【 汚らわしさ 】にも似たような感情は何故生まれてくるのでしょうか?   お金=悪   そんな感覚を持っている人は少なくないでしょうし、私自身勤めていた頃は、「お給料を頂けるだけで十分」という認識でいました。       腹の中では「どうやったら給料上がるんだろう…?」と考えながら…(笑)       前回のコラムが読まれた回数を見れば、ぶっちゃけ同じように思っている人は多いはずです。   それを大っぴらに表現することを良しとしない日本の社会は、果たして良い状態なのでしょうか?       お金とは必要なモノ   家を買うにも車を買うにも保険に入ろうにも子供に習い事をさせようにも、全てにおいてお金は【 必要なモノ 】です。   そして私たちのような専門職が自分の技術を磨くにためにも必要です。   今より更に良い技術をお客さん(患者さん)に提供しようと思ったら、学ぶための資金だって必要になります。       これは人に限ったことではない   私が所属する国際統合リハビリテーション協会も実は同じです。   これからの医療に必要な人材育成のために、より良い技術や新しい考え方をドンドン取り入れていかねばなりません。   だからこそ、協会としてそのような【 目に見えない 】部分に必要なお金を得るために、セミナーを開催させて頂き、受講生さんから頂いた受講料で更に良いものを作ろうと一丸となって協会運営を行っているのです。       少し今日のテーマと近くなってきました。   「売り上げと経費」について   【 経費 】というのは、その事業を行う上で必要になったお金のことです。       例えば、コンビニ経営をしている店長Aさんでみていきましょう。   お店のモノが売れれば、お客さんからお金が支払われます。   これが【 売り上げ 】でしたね。 (分からない方は前回のコラムどうぞ!)       それに対して、お店には商品がないとお客さんが来ませんので、Aさんは本部から商品を仕入れる必要があります。   この時に掛かるお金を経費といいます。   経費はもちろんこれだけではありません。       アルバイトをしてくれている人への給料が必要です。 お店の電気代も支払わなければなりません。 24時間ですから、かなりの額でしょう。 土地やお店を建てた際に掛かったお金も、銀行や公庫から借りていれば支払いが必要になります。 店長さんのお給料もその売り上げから捻出されますし、コンビニなどのいわゆるフランチャイズ契約であれば、売り上げの〇〇%を本部に支払わなければなりません。       これら(…まだまだまだあるでしょうけど)全てが経費です。   そして売り上げからこの経費を引いた金額が【 利益 】となるわけです。       利益が出るということ   利益が出るということは、次のためにお金を使うことが出来るということです。   先ほどの、「専門職として技術を磨く」という所でも出てきましたが、会社や企業も会社を大きくしたり、新しい事業を行っていく、つまりは【 会社磨き 】のために利益が必要になるのです。   経営者は、「自分のモノや技術でたくさんの人を幸せにしたい!」という想いのある方が多いです。 (そうあってほしいという願いも込めて…笑)   だからこそ利益を出して、多くの人に届く次の商品を作ったり、新しいサービスを考えるわけです。       「利益を追求している会社は金儲け主義だ」みたいな言葉を聞きますが、真っ当な理念を持った企業が大きくなって、誰か困るのでしょうか?私たち一般の人の生活が脅かされるのでしょうか?   お門違いも甚だしいと個人的には思っています(笑)   コンビニエンスストアを経営しているAさんであっても、利益が出ることで自分の経営方法の勉強や、アルバイトをしてくれる人たちへのマネジメント、地域に必要とされるお店になるようなコマーシャル活動などに時間を使うことが出来るようになるでしょう。       お給料を貰っている内は、「利益があるならもっと給料寄こせ!」となる気持ちも分かりますが、会社や企業は、それ自体を成長させて、より多くの人のためになる会社になるための【 見えないお金 】が必要なんです。   言葉を換えれば【 未来への投資金 】です。       専門職の人間が技術を磨くために給料を使うように、会社や企業は利益を出していく必要があります。   特にこれからの社会は、お金=悪という一昔前の考え方から、【 お金=信用 】というスタンスに変わってくるでしょう。   お金を持っている人の信用が高いというのことではなく、人として会社として社会から信用されている所にお金が集まるという考え方です。   元々株なんてのはそれで資金を調達しているわけですし、クラウドファンディングなんてのは正にこの理論の通りです。       お金に対する意識を変えていかねばいけません。   もしお金について学びたいなら、先ずは自分の勤務先がどのような運用をしているのかを知らないといけません。   いつまでも古い捉え方に囚われていると、激変している社会の中でその勤務先ごと沈んでしまうかもしれませんよ。       もう少し詳しく聞きたい方は↓ ↓ https://iairjapan.jp/irf2018tokyo     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。   ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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第133回「リハビリ職種のためのお金の話」

From.IAIR 福留良尚   ※本日のコラムは起業などに興味のない方でも、お金の仕組みについて学ぶことが出来る内容です。       普段からインターネットをご覧になる方は、こんな記事見たことありませんか?   「今月〇〇万円売り上げました!」   「先月に比べて〇〇%売り上げアップ!」   個人の投稿でなくとも、SNSを利用していれば広告として流れてきたりします。       リハビリテーションの業界でも、医療保険の外で働く人が増えているのは事実です。   脳梗塞リハビリセンターさんのように、リハビリを受けたくても受けられなかった、いわゆるリハビリ難民の患者を救っている事業所が増えています。   個人で起業するのであれば、整体の仕事が時間的にも金銭的にも、また能力的にも実行しやすいのはお分かりになるでしょう。       何を隠そう3年前に整体の仕事で起業した私ですから!笑       自身が起業しているからというのもありますが、インターネット上には先ほどのような文句の記事や広告が増えています。   「1ヵ月で100万円の売り上げを達成しました!」   こんな言葉を見ると、「自分もやってみようかな~」と考えるのが常ですし、収入を増やしたいと考えるのは、どこの業界に属する人であっても考えると思います。   では「個人で独立して整体の仕事で100万円を売り上げるとはどういうことなのか?」考えていきたいと思います。       売り上げ=〇〇×〇〇×〇〇   皆さんも物を買えばお金を払いますし、患者さんであればリハビリテーションを受けることで発生する保険点数分のお金を支払い、病院には保険で賄われる分と併せてお金が入ってきます。   これが【 売り上げ 】です。   では、これを求めるための計算式に当てはめてみるとこうなります。       売り上げ=単価×お客さんの数×稼働日数   【 単価 】とは、一人のお客さんが一回お買い物をしたり、一回整体を受けたりするときにお支払いする平均金額だと思ってください。       例えば、日本で一番店舗数の多いハンバーガーチェーン店のマクドナルドであれば、大体1人当たりの売り上げ単価は【 500円 】と言われています。   マクドナルドは基本的にお休みがありませんので、売り上げの計算式はこうなります。       売り上げ=500円×お客さんの数×30日   (お客さんの数については、それぞれの店舗によって違うので載せていませんが、東京近辺の店舗であれば、日に1000人以上来店するお店もあるようです)       整体の仕事であれば、医療保険は利用できませんので10分1000円というのが一般的な相場だと言われています。   (保険が使える場合でも、脳血管疾患の点数は施設基準Ⅰで245点なので、10分1,200円程です。)   つまり【 1時間6,000円 】が一般的な整体の単価ということになります。       では、整体院をオープンしたAさんが、1日8人のお客さんを診て、日曜日だけ休みの月25日働いた場合の売り上げはどうなるかというと…       売り上げ=6,000円×8人×25日 【 1,200,000円 】       おぉ!   見事100万円達成しました!       「これなら自分にも出来るかも」と思うかもしれませんが…   ここには落とし穴がいくつもあります。       先ず、オープン当初から8人のお客さんが毎日安定的に来るというのは、かなり非現実的です。   正直、長くやっているお店でも、【 お客さんが途切れることがない 】なんてお店はほとんどないでしょう。   私の肌勘ですが、繁盛している整体院であっても1日4-5人程だと思います。   その場合の売り上げは…       売り上げ=6,000円×5人×25日 【 750,000円 】       ありゃ…   100万円を下回ってしまいました。   しかし、「何とか100万円を売り上げたい!」と思ったAさんは、次の手段に出ます。       【 売り上げ=単価×お客さんの数×稼働日数 】でした。   お客さんの数を増やすのは難しい 稼働日数もこれ以上は休みが無くなる じゃあ残っているのは【 単価 】だ!       Aさんは単価を【 6,000円→8,000円 】にしました。   するとどうなるか…       売り上げ=8,000円×5人×25日 【 1,000,000円 】       見事100万円達成です。   いわゆる【 値上げ 】というやり方です。   やっていることは同じなのに値段を高くする方策は、しばしば見受けられる売り上げアップの方法です。   (この辺の話はちょっと難しいので、IRFでお話しますね笑)       また、こんなパターンもあるでしょう。   Bさんは、平日は病院勤務をしつつ、週末自宅で開業することにしました。   「週末開業だけで〇〇万円達成!」   これはどのような手法で行っているのでしょうか?       稼働日数が月に8日程度になるわけなので、100万円を目指すとなれば、それ以外の【単価】と【お客さんの数】を変えなければいけなくなります。   その場合、このように目標を立てなければいけなくなります。       売り上げ=12,000円×10人×8日 【 960,000円 】       つまり【 値上げ 】と【 時短 】を行うわけです。   1日10人のお客さんに施術をしようと考えると、60分では到底追いつけないので、お一人の時間を短くして、いわゆる【 回転数を上げる 】という手法をとらなければいけなくなるわけです。   ですが、この時考えなければならないのは、単価は通常の【 2倍 】になっていることです。       2倍の料金を頂くということは、2倍の成果を提供しなければなりません。   しかも、通常よりも短い時間でそれを行わないといけないということは、それ相応の技術があるものしか出来ない道理になります。   かなりハードルの高い選択ということです。   このように売り上げを上げるということは、単価・お客さんの数・稼働日数のどれかを引き上げないと達成できないのが分かるでしょう。       但し、このような計算式はあくまで【 毎日定期的にお客さんが来る 】ことを前提にしています。   これがどれだけ大変なことかは、実際に起業した人間であれば体感していると思います。   私自身、患者さんがいつも目の前にいた病院勤務の頃では考えられなかったことです。       このへんの手法、つまりお客さんが定期的に来られるには【 マーケティング 】というスキルが必要になります。   これも今度のIRFで少しだけお話出来ればなと思います。   https://iairjapan.jp/irf2018tokyo       2倍の成果とは   最後に、お客さん(患者さん)にとって2倍の成果とは何でしょうか?   それはつまり、その人が欲しいものの2倍の価値を提供したということです。   個人的な考えは、自分の技術の相対的な力量を理解すれば、値上げを出来る人間はほんの一部の限られた人間だけだと思います。   何故なら、身体の痛みや問題を根本的に解消するのは、その人自身だからです。   安易な記事に翻弄されないことを祈ります。     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。 ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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第132回「歩行を変えたいときにアプローチするポイント」

From.IAIR 福留良尚     歩行に限らずADL全般に言えますが、動きながらの人を評価するのはなかなか難しいです。   動き続けるクライアントの問題点を抽出し、アプローチ、検証作業までをたった20分の中でやろうとするならば、ある程度の経験による予測が必要になってきます。   しかし、経験年数が少ない若手やこれまでに担当したことがない症例の場合、手詰まりになることがあると思います。       結果…     【何となく可動域訓練や筋力訓練をしてしまう】   そんなリハビリをしたことがある人は、きっと私だけではないでしょう笑     本日は歩行に焦点を絞り、特に問題となりやすい箇所の分析方法とアプローチについて進めていきます。       歩行の主要な問題点   多くの患者さんが抱えやすい問題   痛み バランス機能 持久力   これらの問題は、多くの患者さんが抱えており、しかも慢性化して対処しにくいところまで進行していることが多いです。   これらの問題点の根本にあるのは、自重をコントロール出来なくなっているということです。       痛みに関しては、腰部や膝に痛みを抱えるクライアントが多いです。   その原因は、身体に掛かる過剰な負荷(メタボリックな体重、不安定なバランス機能に対する代償的な過緊張、筋機能の低下による腰膝の関節への負荷)が、多くの場合原因となっています。     バランスに関しては、股関節や足関節のバランス制御機能(ストラテジー)の低下が主である場合が多いです。   バランス戦略についてはコチラの記事を参照ください。 https://iairjapan.jp/archives/22629   それぞれの関節周囲の筋機能が低下することで、腰や膝関節への負荷が増加することがあります。   (…あれッ?)   そう思われましたか?     痛みの原因にもバランスにも同じような問題が見受けられますよね。   【筋機能の低下による腰膝への負荷増大】   バランスに関して、脳の問題を抜きにして身体機能を考える時、痛みと繋がる部分が多いのはお分かりになると思います。       その根本原因は…   【自重をコントロール出来ていない】という点です。     持久力に関して、高齢だから、臥床機関が長いからというのも理由の一つですが、もっと考えて欲しい視点は、「効率的に体を使えているか?」というところです。   痛みやバランスの問題と同様、身体が過剰な緊張をしている場合、非効率的な歩行になることは想像に難くないでしょう。     つまり…   【歩いている(動いている)のに体は固定されている】   そんな状態です。       歩行を変えたいなら   高齢者で多く見受ける背中が曲がった、いわゆる円背姿勢。   骨盤が後傾し、膝が屈曲している姿勢は、常に体を固定しているのが分かると思います。   しかも、腰痛や膝痛を抱えている場合が多く、身体のバランス機能も使いきれていません。       その原因として挙げられているのが   ハムストリングスの短縮 股関節伸展筋の発揮筋力の減少 足を前方へ運ぶための意図的運動 腰痛 腰椎の伸展制限 (参照:観察による歩行分析、Gehen verstehen著)     これらの問題点があるとして、それぞれにアプローチを行った場合、歩容の改善が見込めるでしょうか?   症状は軽くなるかもしれませんが、歩容や動作のパターンは変わりません。   何故なら、これらの問題点は結果でしかないからです。       根本原因は?   【自重をコントロール出来ていない】   やはりここに繋がってきます。       自重をコントロールするために必要な身体機能は、全身の筋を選択的に使えることです。   緊張を高めたり、体を曲げて固定させていては筋を選択的に使えません。     具体的なアプローチについてコチラの記事にまとめてあります。 https://iairjapan.jp/archives/10100     身体の機能を引き出してあげたい、患者さんを変えてあげたいと思う時、IAIRのアプローチは効果的です。 https://iairjapan.jp/iair-course-info     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。 ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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第131回「腰痛に効果が高いのは体幹屈曲?伸展?」

From.IAIR 福留良尚     腰痛を持つ人は全国で3,000万人近くおり、その割合は全人口の5分の1。   5人に1人が腰痛を抱えている計算になります。   我々リハビリテーションの対象は高齢者が多く、腰痛を抱えている人の比率は更に高いでしょう。     腰部の疾患でなくとも腰痛を持っている患者さん利用者さんは多いです。   効率的に運動療法を進めるため、腰部へのアプローチは必然的になってきます。   「腰を揉んでくれ~」   という方多いですよね?笑     ですので、効率的にリハビリテーションを進めるために、腰痛への対処がセラピストには求められます。   逆を言えば、腰痛やその他「痛み」に対するアプローチが出来ないと、ADL訓練や歩行訓練は十分な成果が得られないとも言えます。     腰痛に対して「筋力低下が原因だ!だから運動すれば良くなるんだ!」と、痛みを抱えている患者さんへ、我慢させながら無理矢理歩行させている話を聞いたことがあります。   確かに運動療法は必要です。   筋力はもちろん、持久力、バランス、その他の身体機能を低下させないためには、活動性を維持しなければなりません。   しかし、痛みの問題も対処せずに「とにかく運動すればいいんだ!」と訓練を強行していては、患者さんからの信頼は得られないでしょう。     脱線してきていますので、本日のテーマ「腰痛に効果があるのは体幹屈曲?伸展?」について進めていきます。       体幹屈曲   この時身体内部ではどんなことが起こっているでしょうか?   (画像参照:筋骨格系のキネシオロジー、医歯薬出版株式会社)   筋肉 ハムストリングスの伸張 腰背部筋筋膜の伸張 股関節屈筋、腹筋群の短縮   関節 腰椎椎間関節の上方滑り 胸椎椎間関節の上方滑り 関節包の伸張   椎間板 後方の繊維輪の伸張 前方の繊維輪の圧縮   脊柱管の拡大   大まかに言及すればこのようになります。     筋レベルで言えば、ハムストリングスや腰背部筋筋膜が伸張されることで、筋緊張の緩和が期待できます。   腰椎椎間板ヘルニアがある患者では、前方の繊維輪が圧縮されて髄核が後方へ移動することで、神経症状が増悪する場合が考えられます。       体幹伸展   筋肉 股関節屈筋の伸張 腹筋群の伸張 腰背部筋の短縮   関節 腰椎椎間関節の下方滑り 胸椎椎間関節の下方滑り 関節包の圧縮   椎間板 前方の繊維輪の伸張 後方の繊維輪の圧縮   脊柱管の狭小化     屈曲の反対をまとめただけですが、身体内部の状況の一部はこのようになります。   脊柱管狭窄症のある患者さんでは、神経が圧迫されて症状が増悪する可能性があります。       腰痛に効果があるのは屈曲?伸展?   先ず腰痛と一括りにしても、先ほどの腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症のように疾患別の特性があります。   ですので、筋筋膜性腰痛症を例に考えてみましょう。     腰背部の過緊張からくる筋筋膜性腰痛症に対して「体幹屈曲」を行えば、筋肉を伸張することで緊張を緩和することが可能です。   ですが、このアプローチの場合次の日には元に戻っていることが予想されますよね?     何故なら原因に対してアプローチ出来ていないからです。       腰背部の過緊張の原因   後面の筋肉は、求心性に働いて体幹を伸展させる、もしくは物を持つ際に遠心性に働いて体を支えるという機能を持っています。   この機能に対して過剰な負担が掛かる場合、筋緊張が高まります。     求心性の体幹伸展   伸展の柔軟性が不十分な場合に、筋肉の緊張が過剰になることが良くあります。   つまり、前面の股関節屈筋や腹筋群の短縮です。   特に良く問題となるのが、大腰筋の短縮がある場合、腰部の筋肉は過剰な収縮を起こすことがあります。       遠心性の場合   遠心性に過剰に働く場合は、他の関節の機能が十分に引き出せていないことが考えられます。   その大きな要因が股関節の機能です。   股関節の上を骨盤が滑らかに動くことで、腰背部の過剰な緊張を伴わない動作が可能となるのです。       多様性   このように見ていくと、体幹の屈曲・伸展だけでは症状の対処にはなっても、原因の解消にはならないことが良く分かります。   人は多様性に富んでいます。   それぞれの生活様式やスタイル、仕事、習慣、癖といった、目には見えない体の独特な機能が千差万別にあるのです。     エビデンスに基づく医療はもちろん重要です。   それとともに、個々人の多様性に対応できることもまたこれから必要な医療者のスキルです。   1人1人に寄り添い、適切なリハビリテーションが提供できるよう目指していきましょう!       9月のIRFでは、そんなこれからの医療の姿を想像することがきっと出来ますよ!   https://iairjapan.jp/irf2018tokyo     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。   ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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第130回「老化とリハビリテーション フレイル サルコペニア 廃用症候群」

From.IAIR 福留良尚   リハビリテーションに携わる多くの療法士が、普段相対するのは高齢者です。   何かしらの疾病や障害を抱えた方が多く、身体機能が低下しています。   ですが、昨今疾病や障害は無いにも関わらず、日常生活に不自由を感じている高齢者が増えています。     「フレイル」という言葉をご存知でしょうか?     フレイルについて   フレイル(Frailty)とは、高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困 窮などの社会的問題を含む概念である。 (参照:フレイルに関する日本老年医学会からのステートメントより)     このフレイルと似たような意味を表す言葉で「サルコペニア」というものがあります。   それぞれ意味が違いますが、これら2つの言葉、そしてリハビリの臨床で良く使われる「廃用症候群」について、明確に使い分けが出来るでしょうか?   本日は先ほど解説したフレイルに加えて、サルコペニア、廃用症候群についてみていきます。       サルコペニアについて   サルコペニアについての定義は以下のように言われています。   サルコペニアは、身体的な障害や生活の質の低下、および死などの有害な転帰のリスクを伴うものであり、進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群である。 (参照:サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&Aより)     サルコペニアが骨格筋量や骨格筋力の低下を主症状とするのに対し、フレイルは認知機能や栄養状態、環境的な問題など広範な要素が含まれているのが大きな違いです。   サルコペニアに関しては若年者でも起こりうるとされており、加齢以外に原因がないサルコペニアを「一次性サルコペニア」というのに対し、栄養状態や疾患によって出現する加齢以外の要素が含まれるものを「二次性サルコペニア」と言われています。       廃用症候群について   廃用症候群については「生活不活発病」ともいわれます。   この時点でフレイルやサルコペニアと似ていますが、定義は以下の通りです。     廃用症候群は、「身体の不活動状態により生ずる二次的障害」として体系化された 概念で、不動(immobilization)や低運動(inactivity)、臥床(bedrest)に起因する全身の 諸症状を総称する。 (参照:廃用症候群より)     フレイルやサルコペニアとの違いは、明らかな原因(疾患や精神症状、ギプス固定や過度な安静の指示)があることでしょう。   サルコペニアやフレイルにも原因はありますが、医学的な診断が出ている点は他とは違います。       今後のリハビリテーション   これまでのリハビリテーションは、廃用症候群に対するものが主でした。   廃用症候群リハビリテーション料の算定が出来るということからも分かる通り、疾病後の対策に力を入れてきたのがこれまでの医療です。     これからはどうでしょうか?     今後人口増加が見込まれる後期高齢者(75 歳以上)の多くは、 フレイルという中間的な段階を経て、徐々に要介護状態に陥ると考えられています。   フレイルの重要性を医療専門職のみならず、広く一般の方にも周知することが必要であり、それにより介護予防に繋げることが出来ます。   (筆者が行っている地域支援講座の様子)     病気になってからの医療から、病気にならないための医療に進化していかなくてはなりません。   IAIRは、国民全体の健康に寄与できる人材育成を以前から進めています。   今後の医療に必要な人材となっていきましょう。 https://iairjapan.jp/iair-course-info       それでは最後まで読んでいただけて感謝です。   ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************    ...

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第129回「モチベーションが上がらない本当の理由」

From.IAIR 福留良尚     このコラムでは起業してからの経験談に時々触れてきました。   10年勤めた病院を退職後、どのように生計を立ててきたのか?   少しずつですが、その時々で得られた知識や経験をお伝えしています。     「リハビリテーションには関係ないんじゃないか?」     実は、それがそうでもないのです。   これまでと違う働き方をしたことで、より良く働く方法が分かるようになってきました。   どんな仕事でも共通している部分が見えてきたと言ってもいいです。     「リハビリテーションという仕事を極める方法」とも言えるかもしれません。     本日のコラムは、   仕事をする上でモチベーションが上がらない 何だか毎日がつまらない 何か楽しいことがしたい   そんなふうに感じている人に読んでほしい内容です。   ※今回の話は、9月30日(日)開催のIRFでお話する「療法士のための起業入門講座」とリンクする内容です。       私達の定年はいつか?   初っ端から重いテーマですが、仕事をする上で未来予想は外すことが出来ません。   もっと言えば人生設計です。     何か保険のCMみたいですが、リアルな内容ですよ(笑)     これから見て頂くのは平均寿命についてのデータです。   今の平均寿命は男女とも80歳を超えていますね。   ある書籍から「2007年生まれの子達が100歳を超える割合」を参照します。     何と2人に1人が107歳まで生きる試算です。     平均寿命ではないのですが、今10歳くらいの子達の2人に1人が100歳以上になる時代が来ます。   参照「LIFE SHIFT」:リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、池村千秋訳       今の平均寿命である80歳代の方々は、1930年代に生まれた人たちです。   私達現役のセラピスト世代はその50年後くらいに生まれていますので、平均寿命は言うまでもなく80歳以上になるでしょう。   そこで次のステップです。     この先仕事をする期間は伸びていきますので、実は60とするのは現実的ではないです。   既に公務員の定年は65歳まで段階的に引き上げを開始していますし、年金の支給年齢も引き上げられています。   60歳で定年退職という時代は終わりを迎えるでしょう。     「え~!」 「40年以上仕事しないといけないの~!?」   って普通は思いますよね。     過去の自分であれば、同じくそう感じていたと思います。   そして定年後の期間が延びることにも不安を感じます。   その不安を打開するためのテーマが次です!       仕事をする上で技術より大切なもの   リハビリテーション職種にしろ公務員にしろ、何の仕事もそうですが技術が必要になります。   技術があるからこそそれぞれの仕事が出来るのは分かります。     では仕事とは何のためにするのでしょうか?   もっと言えば、リハビリテーションとはそもそも何のために行われるものでしょうか?     WHO(世界保健機関)による定義 1981年 リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。リハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障害者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする。そして、障害者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会が、リハビリテーションに関するサービスの計画と実行に関わり合わなければならない。       簡単に言いますよ!     「困っている人を助けましょう!」   ってことです。     …いや、真面目な話です。   この考え方はどんな仕事においても一緒なのです。   誰か困っている人、不満を抱えている人を助けることが仕事なのです。     お腹がすいた→飲食業 住むところがない→建築業 オシャレになりたい→アパレル関係 楽しく過ごしたい→エンターテインメント業 元気になりたい→医療業     全ての仕事は、誰かの不満や不安、願望を解消するために存在しています。   人はその行為に対価として金銭を払うわけです。       全ての仕事に共通する技術より大切なもの   「困っている人の役に立ちたい」という思い(マインド) マインドの上にスキル(技術・知識)があって、それを扱う(treat)ことで誰かの問題を解消する。     ※詳しくはIRFの際にお伝えしようと思います。 https://iairjapan.jp/irf2018tokyo     この順番を間違うと、仕事は苦痛になります。   マインドがない状態で仕事をするということは、「させられている」という感覚にしかならないからです。   だから敢えて問います。     「疾病後の方、障害を持っておられる方を助けたいですか?」     これに「Yes」と答えられるかが、この先長くなっていく仕事をする期間のモチベーションに繋がってきます。       どんな人を助けたいか?   私が独立を志した理由は、ある患者さんの一言でした。   40代で脳出血をされた方がリハビリ中に仰った言葉です。     「もっと早くから気をつけておけば良かった…」     この言葉で私は「予防」の分野で仕事をしようと決めたのです。   病気になる前の方の健康に寄与する仕事がしたい!と心から思いました。   だから、半年で体重が10kg落ちようが、周りから「あいつは病気になった」と言われようが、歯を食いしばってまだ見ぬ私を必要としている人のために、毎朝毎朝広告を配り続けたのです。     このマインドが無ければきっと続いていません。       リハビリテーションという仕事を極める方法   疾病後の方、障害を持っておられる方を本気で助けたい!という思いを自分の中に育てることです。   この思いが強い人がきっと極められるはずです。   そうしないと気が済まないくらい本気で思っていれば、必ず成果は付いてきます。     是非、自分の中の思いを見つめる時間を作って下さい。   モチベーション?やる気が出ない?   それは居るべき場所を間違えているからかもしれません。     ※今回のコラムは私個人の仕事に対する姿勢をお話しており、決して転職を煽るようなものではありません。あくまで仕事にやりがいを見つけるためのアドバイスに過ぎません。不快に感じられた方、個人の見解ということでご容赦ください。     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。   ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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第128回「肩関節周囲炎を肩以外からアプローチする」

From.IAIR 福留良尚     先日「高齢者の筋力トレーニングがADLに繋がらない原因」というテーマで研修会を開催致しました。     実はこのテーマで先週のコラムも執筆していました! https://iairjapan.jp/archives/23529   受講された方で読んで頂いていた方は、繰り返しになったかもしれませんが、その分内容がスッと入って来たのではないでしょうか?     研修会では必ず申し上げるのですが、復習と繰り返しが何より大切です!   ヒトは一度聞いただけでは忘れる生き物です。   是非、もう一度先のコラム読んで頂ければ、内容が頭に入ってくると思います。     そして、本日のテーマ「肩関節周囲炎を肩以外からアプローチする」   症状のある肩関節やその周囲の筋肉に対してだけアプローチするということは、「木を見て森を見ず」という言葉があるように、その患者の全体を把握出来なくなる可能性があります。   本日はそれを体感して頂ければと思います。       患者情報(※架空の人物です。)     40代女性 診断名:肩関節周囲炎 主訴:肩の痛み、腕が上がらない 発症:1ヵ月前から徐々に痛み 可動域:挙上、外旋、水平外転で制限と痛みあり(インピンジメント?) 筋力:外転、外旋のMMTで痛みあり     このような患者さんが外来で来られました。   痛みのせいでしょうか?うつむき加減であまりセラピストに目を合わせてくれません。   整形外科の医師からは「肩関節周囲炎のリハビリを」ということで指示書が出ています。     このような患者さんが外来で来られて、自分が担当することになりました。   評価は上のような感じですが、どのようなリハビリテーションを行うでしょうか?     本日のテーマ「肩以外からアプローチする」ということもありますので、もちろんそういう視点でも検討が必要かもしれません。   いかがでしょう?少し考えて頂けますか?     …     …     …     ここまで読んで頂いている方には、非常に申し上げにくいのですが、「後出し情報」があります。   「現場でそんなことはあり得ない!」と怒られるかもしれませんが、少しだけお付き合いいただきたいのです。     この患者さんは恥ずかしがり屋な一面があり、医師にも伝えていなかった「ある既往歴」がありました。   それがコチラです。     半年前に乳がんの手術 大胸筋を離開してのシリコン製人口乳房再建術後     あり得ないのは分かっていますが、もう少し!   この情報を得てリハビリテーションのプログラムは変わるでしょうか?   先ほど見て頂いた評価項目から考えたプログラムが、「乳がん手術後」という情報が加わったことで変わりますか?     多分!! 多くの方が変わったのではないでしょうか?     これが「ヒトを見てリハビリをする」ということだと私は考えています。     痛みのせいでうつむいていたのではなく、既往歴について話していなかったことに後ろめたさがあったのかもしれません。   もしかしたら、「肩と乳がんの手術は関係ない」と思っていたのかもしれません。   事実、過去に手術を受けたことがあるという情報が後から分かったという患者を担当したことが私はあります。     専門性を高めていくことは非常に大切です。   ですが、肩のリハビリが得意になることと、肩に症状を抱える患者のリハビリをすることはきっと別です。   私たちセラピストは、「疾患ではなくヒトを見て」リハビリを提供しなければいけないからです。     実は、この話も先日の「高齢者の筋力トレーニングがADLに繋がらない原因」研修会の中で話した内容の一つなんです。   参加された方でここまで読んで頂いた方は、多分お気づきだったでしょう(笑)   この「ヒトを見る」という考え方は、マルチファクターという言葉で表現されます。     もし、多面的な視点でヒトを見る眼を養いたいという希望があれば、IAIRは全力でサポート出来ます。 https://iairjapan.jp/iair-course-info     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。   ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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