九州

第126回「随意運動と不随意運動 麻痺側への荷重練習で大切なのはどっち?」

From.IAIR 福留良尚     脳卒中リハの中でも、特に時間を掛けるであろう麻痺側への荷重練習。   立位、歩行といった生活範囲を拡大していくための重要なアプローチです。       随意運動と不随意運動の違い   人間の筋肉は、意識して動かせるものと無意識に動くものがあります。   少しずれますが、無意識に動くものの代表が内臓の平滑筋です。     内臓は意識して動かせませんよね?   ですが24時間365日フル稼働で動いています。   この無意識で行われる運動が不随意運動です。     私たちは、通常の歩行や手を伸ばすリーチ動作であっても、無意識で行われる運動によって姿勢が保障され安定してスムーズに動くことが出来ます。   ですよね?   地球の重力下で動作を遂行するためには、必ず重力に抗する体の働きを駆動させないといけません。     しかも無意識で。     この無意識で行われる姿勢を保証する機能を、Anticipatory Postural Adjustments【APA:先行随伴性姿勢調節】と言います。   「随意運動と不随意運動」というタイトルですが、正確にはオートマチックという意味での自動運動といった方が良いでしょう。       Ex1.荷重練習で意識しているのはどこ?   荷重練習の場面を想定していきましょう。   セラピストであるあなたは、患者さんの麻痺側から介助をしています。   そして、こう言います。     「良い方の足を一歩前に出してみましょう」     この時患者さんが意識しているのは、前に出す足です。   しかし、荷重練習ですから対象は麻痺側下肢。   「意識していない」側になりますので、APAによる自動的な運動が行われていることになります。       Ex2.リーチ動作で意識しているのはどこ?   あなたの右側にあるもの、出来れば手を伸ばしてもギリギリ届かないようなところにあるものを、体を動かしても良いので右手で取ってみましょう。   この時意識しているのは「右側にあるもの」ですよね。     では、無意識で行われた運動は?     まず一つ、あなたの重心は今どちらにあるでしょうか?   十中八九「右」のはずです。   右への重心移動は、無意識で行われています。     もう一つは、今回のコラムと少し離れますが、伸ばした手の運動です。   最短距離で対象物に手が伸びましたよね?   これはCPG(セントラルパターンジェネレータ)といわれる部分が、無意識でも手が対象物に伸ばせるようにコントロールしているのです。       荷重練習で大切なのは無意識の運動   どのような動作を行う時にも、姿勢が保たれていないと安定してスムーズに動作を遂行することは困難です。   そういう意味で、荷重練習の際に必要なのは無意識の運動と言えます。     しかし、私たちは、良くこんなふうに患者さんに指示を出してしまいます。   「背筋をのばしてください」 「こちらの足で踏ん張りましょう」 「力を入れて支えてください」     無意識で行われる姿勢調節のはずなのに、意識させてしまっています。   これでは引き出したい脳の機能と一致しません。       随意運動を担う経路   【皮質脊髄路】大脳皮質の運動野から脊髄を経て骨格筋に至る神経線維の伝導路。錐体路ともいう。     自動運動(姿勢調節)を担う経路   【網様体脊髄路】橋や延髄に存在する網様体が、大脳皮質などからの入力を受け、これらの情報を統合し、情報を伝達する伝導路。錐体外路ともいう。       今引き出したいのは、皮質脊髄路で伝わる随意運動なのか、それとも網様体脊髄路等で伝わる無意識の運動なのか、それを意識して運動療法を提供しなければ、患者さんは常に意識した歩行やリーチ動作を学習してしまいます。     実用性のある動作を獲得していくために、意識してもらう部分とそうでない部分を使い分けてアプローチを提供しなければなりません。   CCRA【脳卒中包括的リハビリテーションアプローチ】では、脳卒中リハビリの基礎的な内容からお伝えしています。     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。   ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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第124回「肩関節周囲炎のリハビリテーション 根拠に基づくアプローチのために」

From.IAIR 福留良尚     肩関節周囲炎という疾患は、医療技術の発達により、その多種多様な病態を分けて診断することが可能となったため、「肩に痛みや可動域制限があれば肩関節周囲炎」という考え方は、無礼な言い方を敢えてするのであれば、時代遅れであると言っても過言ではありません。   腱板断裂 石灰沈着 上腕二頭筋長頭腱炎 腱板疎部損傷 不安定症など   痛みに繋がる原因が突止められるようになりました。       実際インターネットで肩関節周囲炎と検索すれば、誰でも知ることが出来ます↓   「肩に疼痛(痛み)と運動障害がある、患者の年齢が40歳以降である、明らかな原因がないという3条件を満たすものを肩関節周囲炎と呼ぶ」(誰もが見るWikipediaで書かれていることです。)       「肩関節周囲炎」という疾患名は、明らかな原因がない場合につけられる非常に曖昧なものを表す言葉になっているのです。       肩関節周囲炎のリハビリテーション   実際の臨床現場で、これらの鑑別とそのアプローチについて、それぞれの個別性を加味して実施できているかというと、正直なところ自信がないのが現状ではないでしょうか。   可動域訓練 モビライゼーション 筋力トレーニング 自動運動などの体操   項目だけ並べるとこのような感じになるかもしれません。       では、肩関節周囲炎の理学療法には根拠がないのでしょうか?       一般理学療法介入の推奨グレードとエビデンスレベル   推奨グレード2(行うように勧められる科学的根拠がある)   エビデンスレベル2(1 つ以上のランダム化比較試験による)  (肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドラインより)       この結果を見ると、「理学療法は根拠もあるし客観性もある」となっていますが、注釈にはこのように書かれています。   「※エビデンスレベルが 1 または 2 の結果であっても、その RCT の症例数が十分でなかったり、企業主導型の論文のみしか存在せず再検討がいずれ必要と判定した場合は、「理学療法介入」の推奨グレードを一段階下げて「B」とした」       つまり、「肩関節周囲炎に対する理学療法介入による効果は検討していく必要がある」ということ。   これだけ研究され論文が数多く出ていても、理学療法とは完成されたものではないということになります。       根拠に基づく医療   「根拠に基づく医療」という言葉が提唱されていますが、実は勘違いしている医療従事者が多いのも事実です。   こちらも引用になりますが、非常に興味深いです。       医療者の中には「良い臨床研究を見つけて医療をマニュアル化することがEBMである」との誤解が広まった時期があるまた、研修医の教育においても、EBMの考え方を取り入れることが、単にエビデンスをまとめた二次資料を読んでそこに書いてあることをそのまま実行することとして教えられているという憂慮すべき現実もある。しかし、実際には最も重要でありかつ労力を要するのはStep4(批判的吟味した情報の患者への適用)である。手法の優れた臨床研究が見つかっても、そこでの推奨が目の前の患者にとって最善であるかどうかの判断には、個々の患者の特性を見極め、医療環境や医療チームの技術水準を評価し、さらに患者の価値観を適切に把握する必要がある。(Wikipedia「根拠に基づく医療」より)       最後の文章は秀逸ですが、つまり「その人の価値観や特性を見る目がなければ、どんなにエビデンスが高いと言われる治療法を知っていても、それは意味を成さない」ということです。   私たちリハビリテーションに携わるセラピストも一緒のはずです。   その患者さん利用者さんが、どんな生活を望んでいるのか?それを引き出せる人としてのコミュニケーション能力を有しているでしょうか?       肩の痛み・可動域制限へのアプローチ   ここまでお話して、実際のアプローチに関して述べないのはよろしくありませんね(笑)   どんなアプローチも日進月歩していく中で、常に必要な技術とは何でしょう?   理学療法、または作業療法を行う上で、セラピストが最も重要視しないといけないことは何でしょうか?       私は「その特性を感じることが出来る手を育むこと」であると考えています。       如何に技術が素晴らしいものを持っていても、対象とする組織(筋、関節、筋膜、結合組織など)の硬さ、抵抗感を感じることが出来なければ、下手をすると暴力的なアプローチになってしまう可能性があります。   ですよね?   20代の柔軟な組織にアプローチするように70代の体に触れば、内部破壊が起こるのは容易に想像が出来ます。(ミクロレベルの話で言えば破壊は起こっているのですが…)       エビデンスの高いアプローチをいくら知っていても、それを扱うセラピストの感じる力がザルであれば、宝の持ち腐れとしか言えません。   だからこそ、触診の技術と、相手の組織の触れられる感覚をお互いにフィードバック出来る環境、つまり「セラピスト同士での練習」が必要なんです。       職場でお互いに練習してそれを伝え合うことを、是非普段のルーティンにしてください。   毎日の積み重ねが、感じる手を作ります。   技術に関して知りたい方は、コチラ↓で手取り足取りしっかり学ぶことが出来ます。  https://iairjapan.jp/experience/shoulder     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。 ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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第123回「高齢者の転倒予防 バランス戦略を踏まえたトレーニング」

From.IAIR 福留良尚     高齢者の転倒は、骨折や頭部外傷のリスクが非常に高く、病院や施設、もちろん在宅においてもしっかり対応すべき課題の一つです。   内因性の問題、つまり患者個人の身体能力や認知能力の問題と、外因性、生活環境における問題とは分けて考えねばならず、リハビリセラピストには多方面からの患者マネジメントが求められるでしょう。   どちらの課題も患者にとっては重要ですが、我々リハビリセラピストしか解決できない問題は、果たしてどちらでしょうか?       これは、もちろん身体能力の問題です。       身体能力の向上に関しては、リハビリセラピストしか対応できない課題です。   ですが、臨床では良くこんな言葉を耳にします。       「高齢だから歩くのは難しい」   「後遺症があるから在宅は厳しい」       もちろん、真実だと思います。   我々セラピストは神様でもなければ、魔法使いでもありません。   身体の著しい機能低下に対して、抗えない状況の患者を担当することもあるでしょう。       少し考えて頂きたいです。   疾患、後遺症、年齢、既往歴、痛み、全ての問題が「歩くことは難しい」と判断する要素になったとして、もし患者の「意志」が「歩きたい」だった時、どのようにプログラムを進めるでしょうか?   一般的にみて歩くことは難しいだろうという状態の患者に対して、歩けるようになりたいという強い思いがあったとしても、「〇〇だから歩くのは難しい」という言葉を掛けるでしょうか?       患者の「どうにかして歩きたい」という強い思いがあった時、いろんな障壁があって到底不可能だと思ったとしても、「難しい」という言葉は使えないんじゃないでしょうか?   何とかしてあげたいと思うのではないでしょうか?   何とかしようと行動するのではないでしょうか?       セラピストに限らず、人は「情報」を頼りに行動の選択をします。   疾患、後遺症、年齢、既往歴、痛み、これらは全て情報です。   そして患者の希望も情報です。       その情報に左右されて、自分の行動を変えていないでしょうか?       「高齢だから歩くのは難しい」   「後遺症があるから在宅は厳しい」       この言葉は、全ての情報を把握し、考え抜いた上での「歩けない」なのでしょうか?       結局最初に戻るのですが、歩くのが難しいという選択をする時、あらゆる患者情報を拾った上で決定しているでしょうか?   それとも「高齢だから」「後遺症が強いから」といった、一般的にはこうだからという情報に当てはめてはいないでしょうか?       …脱線しています(笑)       今回のテーマは「高齢者の転倒予防に関するトレーニング」です。   既に長くなっているので、観るポイントを簡潔にまとめていきたいと思います。     バランス戦略   高齢者に限らず、人は立位でバランスを取る時、3つの戦略によって制御を行っています。   この戦略のことを「ストラテジー」と表現します。       ①足関節ストラテジー   足関節の底背屈によって前後の重心移動に対応する身体のバランス戦略です。   大きな動きではなく、少しの動揺の際に働くこの機能は、実は高齢者になるほど使われにくくなる傾向にあります。       理由は、足関節の硬さ、前脛骨筋と下腿三頭筋や後脛骨筋のバランスの崩れ(マッスルインバランス)によるものと考えられます。   この機能が低下すると、膝を曲げたり腰を曲げて、身体を固定しようとする代償が働きます。       ②股関節ストラテジー   重心移動の範囲が少し広くなると、足関節では制御しきれなくなるため、この股関節の屈伸や内外転の制御が行われます。   重心が支持基底面を外れない範囲では、この股関節ストラテジーがバランスの主戦略になります。       ③ステッピングストラテジー   重心が支持基底面を外れてしまう時、足が一歩出る反応をステッピングストラテジーと言います。   これによって、不意にバランスを崩した時も、倒れることなく立位を保つことが可能になります。       この3つの中で、前述の通り足関節ストラテジーの機能改善は、大事なプログラムになります。   動作の中で、絶えず足関節ストラテジーが機能しているからこそ、抗重力伸展活動や、ADL場面での上肢の使用が可能になるからです。   足関節が使えなければ、身体は屈曲して、膝は曲がり、余計に歩きにくくなるのは周知の事実です。       しかし、この視点がないセラピストは「体幹の筋力が弱いから」「麻痺があるから」といった症状にばかり目がいってしまい、人体の本質から目を背けている現状があるような気がして成りません。   身体のあらゆる情報を加味し、クライアントの思いを汲み取り、その上で客観的かつ信頼性のある判断をして、プログラムを進める。   気持ちだけでは患者は良くなりませんし、それ以上に患者に寄り添えないのは言語道断だと私は考えています。       技術、コンセプト、そして人間性を育むことが出来るのが、IAIRの研修会の特徴です。 https://iairjapan.jp/iair-course-info     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。 ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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第122回「腰椎骨盤リズム 評価と筋肉へのアプローチ 」

From.IAIR 福留良尚     腰椎骨盤リズムとは、体幹屈曲、もしくは伸展していく際の腰椎と股関節の運動学的関係性のことを指します。   簡単に言えば、それぞれの動く割合。     体幹屈曲:股関節屈曲+腰椎屈曲 体幹伸展:股関節伸展+腰椎伸展     腰椎や股関節に可動域制限があると、この腰椎骨盤リズムは崩れます。     分かりやすい例で言えば、立位前屈(FFD)で指を床につける際、ハムストリングスが短縮していると、股関節の動きが制限され、腰椎や骨盤帯の代償が出てくるというものです。   通常は、腰椎屈曲約40°と股関節屈曲約70°の組み合わせによってこの動作は行われますが、以下の画像を見て頂ければ、それぞれに制限がある場合の動きのパターンが分かります。   (画像参照 筋骨格系のキネシオロジー,原著者:Donald A.Neumann,監訳者:嶋田智明 ,有馬慶美,医歯薬出版株式会社)     前述のハムストリングスが短縮している股関節屈曲制限のパターンは図B。   図Aは通常の腰椎骨盤リズムによる屈曲、図Cは腰椎屈曲制限のパターンとなります。       腰椎骨盤リズムの評価とアプローチ   リハに来られた患者さんで、これらの動きが観察された際、どのようなプログラムを行えばよいでしょうか?   そもそもこのような可動域制限が起こってしまう原因は何でしょう?   本日は、腰椎骨盤リズムの評価からその原因に対するアプローチについて。       股関節屈曲制限   前述のハムストリングス短縮による腰椎骨盤リズムの崩れは、股関節屈曲制限の一つの要因でしかありません。   他の要因は何でしょう?     その一つが関節包による制限。   股関節が屈曲する際、凹凸の法則により、大腿骨頭は後方へ滑ります。   関節包が固くなって制限があると、骨頭は滑ることが出来なくなり、股関節は屈曲出来なくなります。     FFDで指が床に付かない理由は、ハムストリングスの短縮によるものだけではないということになります。     ハムストリングスは短縮しやすい筋肉ではありますが、特に高齢者の場合、関節包の制限と並行して問題となっている場合が多いです。   ハムストリングスだけでなく、股関節の動きを制限している因子、今回で言えば関節包の問題にもアプローチしなければ、動きは変わらないかもしれません。       腰椎屈曲制限   写真の通り、腰椎の屈曲制限が起こると股関節は過度な屈曲の代償を求められます。     高齢の方で多いのは、反対の伸展制限ですが、中高年に多いこの腰椎屈曲制限。     何故起こるか?     一つの要因は、腰椎に過剰な負荷が掛かることで炎症が起き、腰椎を固定せざるを得ない状態。   急性腰痛症(ぎっくり腰)の患者に多いパターンです。   前傾すら出来ない患者が多い急性腰痛症ですが、腰椎の屈伸共に過剰な筋緊張で固定しているというパターンが多いのも特徴です。     そして、もう一つ臨床場面で多いと感じるのが、腸腰筋の機能不全によるもの。   ほとんどの急性腰痛症の患者さんが、この腸腰筋の機能不全を持っていると言っても良いかもしれません。       腸腰筋の機能不全   腸腰筋は、大腰筋と腸骨筋に分かれ、それぞれ大腿骨の小転子から腰椎横突起と腸骨に付着します。     特に大腰筋の硬さは、腰椎を固定してしまい、体幹屈曲での腰椎の動きを制限する因子となります。   大腰筋と腸骨筋間の滑走が無ければ、大腰筋は機能性を失い、結果腰椎が固定されてしまって腰椎骨盤リズムは崩れてしまうことに繋がっていきます。   大腰筋のアプローチについて↓ https://iairjapan.jp/archives/21857       変形性股関節症   腰椎屈曲制限に対して過剰な股関節の動きを続けた場合、股関節に掛かる圧迫力が増大する可能性があると言われています。   特に変形性股関節症のような既往がある場合、痛みや変性を助長するリスクが高くなります。   適切な腰椎へのアプローチが必要になるということです。   https://iairjapan.jp/spinal     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。 ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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第107回 肩関節リハビリテーション 肩甲上腕リズム 屈曲時のメカニズム

From.IAIR九州 福留良尚     肩関節のリハビリテーションにおいて、肩甲上腕リズムを知らないセラピストはいないでしょう。   肩甲上腕リズムとは、肩関節挙上したさいの肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節の共同運動を表したもので、古典的には外転30°から一定のリズムが続くとされ、その比は約 2:1 になるといわれています。(McClure PW, JShoulder Elbow Surg, 2001)   ですが、臨床においてこの肩甲上腕リズムをどのように活かすか、正直良くわからないというセラピストもいるかもしれません。     肩甲上腕リズムのメカニズム   これを読まれている方はいかがでしょう?   今回は、肩関節の動きの概念「肩甲上腕リズム」において、その動きの構成要素を踏まえたアプローチについてまとめていきたいと思います。     上肢屈曲運動の関節運動   上肢を挙上させる際に動く関節は、正直無数にあります。   というのは、例えば立位で右上肢を挙上した際に、左の足関節は微妙に背屈します。   この考え方は、筋膜の繋がりから説明することが出来るのですが、今回は一般的な上肢の動きに関係する関節についてまとめます。     肩甲上腕関節 肩甲胸郭関節 肩鎖関節 胸鎖関節   これにもう少し付け加えるなら   胸肋関節 肋椎関節 椎間関節     といったところでしょう。     上肢の運動には、これらの関節の可動性が欠かせません。   そして、本題の肩甲上腕リズムについて。     肩甲上腕リズム   一般的には肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節の動きの比と言われていますが、次の写真を見てみましょう。   (参照 筋骨格系のキネシオロジー,原著者:Donald A.Neumann,監訳者:嶋田智明 ,有馬慶美,医歯薬出版株式会社 以下同)   どうでしょうか?   実は肩甲胸郭関節の60°上方回旋の動きは、肩鎖関節の上方回旋30°と胸鎖関節の挙上30°の合計された結果なんです。   (最新版では肩鎖関節35°、胸鎖関節25°となっています)     このことからわかる通り、徒手的なアプローチでいくら肩甲上腕関節や肩甲骨の動きを引き出しても、この肩鎖関節と胸鎖関節の可動性が無ければ、上肢の動きは改善しないということです。   もう1回言います。     肩鎖関節と胸鎖関節へアプローチしなければ、上肢の動きは変わらない。     肩鎖関節の運動学   上方回旋と下方回旋(約30°) 水平面および矢状面での回旋調整     胸鎖関節の運動学   挙上(約45°)と下制(約10°) 前方牽引と後退(15~30°) 鎖骨の軸の(長軸)回旋(20~35°)     胸鎖関節へのアプローチ   今回は胸鎖関節へのアプローチを一つお伝えします。   胸鎖関節は鞍関節という形状を取っており、多方への動きを許す形状になっていますが、安定性という面で多くの結合組織によって覆われています。   それゆえ、不動による結合組織の硬化に伴う可動性の低下は、上述の通り上肢全体の動きに制限をもたらします。     アプローチ手順(関節面の圧縮)   鎖骨の近位端から胸骨に向かって圧をかけます。関節面の形状を丁寧に触診し、関節面に沿って垂直に圧をかけます。もちろん痛みの出ない範囲で行います。 圧を維持したまま、バイブレーションを加え、結合組織に対して刺激を加えます。あくまでも刺激を加えることが目的で、無理矢理動かしたり伸ばしたりはしません。 関節内に緩みを感じられてきたら、圧をある程度維持したままアクティブでの運動を行ってもらいます。その際、胸鎖関節の動きに合わせて圧の方向を調整します。     このアプローチは、関節包内の感覚受容器に刺激を加えることで、関節包内運動を促通する効果が期待できます。   上肢を挙上させる際、胸鎖関節の動きが引き出せてなければ、全可動域に渡って肩甲上腕関節への負荷が掛かり、特に降ろしていく際にインピンジメントを起こす可能性があるといわれているんです。     実際の治療場面はコチラ https://youtu.be/Kb7qMg1ESgU     この他にも、肩のリハビリで活用できるアプローチをIAIRではお伝えしています。 https://iairjapan.jp/experience/shoulder     それでは最後まで読んでいただけて感謝です。   画像参照 筋骨格系のキネシオロジー,原著者:Donald A.Neumann,監訳者:嶋田智明 ,有馬慶美,医歯薬出版株式会社   ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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第103回「股関節の支持性低下は中殿筋の筋力低下によるものか?」

From.IAIR 福留良尚     先日から下肢の支持性についてのコラムが続いています。   過去の記事はページ下部に掲載しています。     今回は股関節に注目していきます。   股関節の支持性というと、良く中殿筋の問題が例に上がります。     トレンデレンブルグ徴候、ドゥシャンヌ跛行は、中殿筋の問題によって出現する歩行です。   「よしっ!じゃあ中殿筋の筋力トレーニングだ!」   …正直中殿筋のトレーニングで歩容が改善したことありますか?     私の経験上ですが、中殿筋を単独でトレーニングしてもあまり改善は見られません。   その理由は...     1.支持性を作るのはローカルマッスル   中殿筋は比較的外側にある、いわゆるグローバルマッスルです。   股関節の外転や骨盤の傾斜といった、外から観察できる動きに大きく関係する筋肉ですので、静的な場面での支持性に関与してくるかというと、中殿筋だけではないようです。   それよりも、腸腰筋や小殿筋、深層外旋6筋といった関節の深層にある筋肉の方が、支持性に関与しているといわれています。     余談になりますが、これらローカルマッスルの果たす役割は、骨頭の中心化と言われています。   何のことかというと、   骨頭を関節窩にひきつけることによって、股関節が安定し、運動軸が形成され、動的な安定性が保障されるという機能です。   骨頭の中心化が不十分な場合、体幹の重量がダイレクトに骨頭や膝にも掛かってきますので、炎症や変形の原因になる可能性もあります。       2.固有感覚の問題   先ほどのローカルマッスルの問題と近いですが、股関節周囲の組織が硬くなり柔軟性が低下していると、足底からの感覚情報(荷重感覚)が伝わりにくくなります。   筋肉は適切な柔らかさと長さを兼ね備えていることで感覚を受容し、十分な出力を発揮することが可能になります。   硬いままでは機能を発揮できないのです。     この問題は筋だけでなく、関節周囲の軟部組織の硬さも影響してきます。   つまり、ストレッチやマッサージといった筋肉だけにアプローチする方法だけでは解消しきれないということです。   関節へのマニュピレーションなど、深層にある硬さを解消していく技術を有していなければ、この固有感覚の問題は改善できません。       ダイレクトに中殿筋の筋力トレーニングをしても、患者さんはローカルマッスルに問題を抱えていることが往々にしてあります。     正直、あまり変化なしです。     何故か?     筋力の問題ではなく、出力の問題だからです。     筋出力は、適切な神経伝達が必要であり、良好な関節周囲の状態があって初めて可能になります。   筋力があるから大丈夫なわけではありません。       スポーツ選手がケガをするのは何故だかご存知ですか?   そのパフォーマンスに必要な筋活動が、適切に動員できていないからです。     そこには、可動性の低下による不使用(マッスルインバランス)という問題が、大なり小なりあるのです。   テレビ画面ではダイナミックなパフォーマンスをしているように見えますが、実際はアンバランスな筋の動員による、代償性の活動を常に強いているのです。     だから故障やケガをするわけです。       患者さんでも一緒です。   同じような歩行でも、筋の動員のバランスは千差万別です。   それを見極めて、足りない部分の活動を引き出していくことが、我々セラピストの役割と言ってもいいでしょう。   https://iairjapan.jp/license     盲目的に筋力トレーニングを続けていても、きっと目の前の患者さんは変わらないはずです。       過去のコラムはコチラです>>> https://iairjapan.jp/ccra/2018/01/21/1149/   CVAのリハビリにおいて、麻痺側への荷重を促していく方法。   お時間あるときに読んで頂ければ、今目の前の患者さんに対するアプローチの考え方がきっと変わります。   3回シリーズですので、教科書や文献等と照らし合わせて参考にされて下さい。     それでは、最後まで読んでいただけて感謝です。 ******************************************************* 一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 常任理事 九州地区責任者 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:https://iairjapan.jp/ Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/ 個人ページ:https://www.facebook.com/yoshihisa.fukudome *******************************************************...

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セラピスト必見!治療が上手くなるためのコツ【リハビリテーション】

From.IAIR九州 福留良尚   前回は治療が上手くない人の共通点についてでした。 自身の体が整っていない人は、治療が上手くない。 何故なら、体に痛みや強張りを抱えていると、治療中それをかばったり代償して、100%治療に集中できないからという理由でした。     医者の不養生ではないですが、我々の仕事は手の感覚が頼りです。 感覚に集中するために、身体を整えることは重要なことでしょう。   そして、本日は治療が上手くなるためのコツについて。 「これをすれば絶対に上手くなる!」という訳ではもちろんありませんが、治療の上手いセラピストは共通してあるものを感じながらアプローチをしています。     順を追ってお話ししましょう。   我々セラピストは患者に変わってほしい、良くなってほしいという思いでアプローチをします。 その思いが強いあまり、触れる力や操作する力が強くなったりすることがあります。     例えば、SLRで筋のストレッチをするとしましょう。   柔軟性を高めたい一心で、より強くハムストリングスを伸張してしまうことはないでしょうか? 患者の内部では、その伸張刺激に対して痛みを発し、戻ろうと作用します。 目的と逆行する作用が体の内部で起こってしまうのです。     身体内部の状態を把握せず、アプローチにばかり集中すると、そのようなことが良く起こります。 では、どうすればそれをコントロールして上手く治療が出来るのか? 私が普段から気をつけている方法です。   「相手の呼吸を感じながらアプローチする」   相手の呼吸を手や体のあらゆる部分でいつも感じながら、徒手的アプローチや関節の操作、動作の誘導を行うのです。 いつも常にです。 それだけでこちらの余計な緊張は抜け、相手の内部情報を感じるための余力が生まれます。 100%アプローチに集中するのではなく、相手を感じる余力を残すこと。   これが治療が上手くなるためのコツです。   私たちが変えるのではなく、患者が変わっていく   治療が上手い人の多くは、このようなコンセプトを持っているはずです。 人体を知れば知るほど、私たちが出来ることはたかが知れています。 しかし、患者を導くということは非常に大切な役割です。   目の前の患者、利用者、クライアントをより良い方向へ導き、大切な人生を楽しめるように治療上手くなりましょう!     それでは最後まで読んでいただけて感謝致します。 ***************************************************************** 国際統合リハビリテーション協会【IAIR】 理事 九州支部代表 理学療法士 福留 良尚 E-MAIL:yoshihisa.fukudome■iairjapan.jp(←■を@に変換してください) HP:http://iairkyushu.jp Facebook:https://www.facebook.com/iairkyushu *****************************************************************   【IAIR九州支部Facebookページ】 いいね!を押して連載コラムをいち早くチェック! https://www.facebook.com/iairkyushu/ ...

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