膝関節の変形

人間は直立2足歩行する生き物です。

上肢を有効に使うにも、効率よく移動するにも下肢の機能は重要ですね。

 

とりわけ、膝関節の症状はリハビリの臨床で遭遇する機会が多いのではないかと考えます。

今日は膝関節について考えてみましょう。

 

 

◆解剖学のおさらい

膝関節は大腿骨と脛骨(おまけに膝蓋骨)で形成される関節です。

屈曲・伸展の動きがメインですがそこに内旋・外旋、さらに内転・外転の動きが加わります。

 

回旋や内外転の動きは靭帯や関節包など支持組織のテンション、骨構造などで主に制御されています。

筋収縮も補助的に制動に関与しますが、関節運動のスピードによって関わりが変わります。

速い運動(例えばスポーツ中の着地やコンタクトプレー)の時は、筋収縮が追いつかない場面があり、支持組織中心の制動に委ねられます。

 

 

大腿骨と脛骨の関節面は、股関節のように適合性の良い構造をしていません。

大腿骨頭は臼蓋に「カポッ」とはまる形をしています。

大腿骨顆部関節面は脛骨関節面(プラトー)の上で立っていられません。

倒れてしまいます。

そのくらい関節面は不適合な関係にあります。

隙間があったらガタガタしますよね?

 

 

◆隙間を埋める存在「半月板」

その隙間を埋めているのが半月板です。

 

隙間を埋めて、緩衝材の役割も担ってくれることで脛骨の上で大腿骨は立ちやすくなります。

 

その半月板が小さくなってきたりすると、関節面の不適合が顕著になってくるので、大腿骨は脛骨上で安定しているのが難しくなります。

 

 

半月板損傷後や、退行変性、半月板切除術後などで「膝がグラグラする」という訴えが聞かれるのはそのためだと思われます。

徒手的に靭帯のストレステストを行なっても明らかな陽性になるわけではないのですが、隙間を埋める役割をしていた緩衝材のサイズが小さくなるので

いい位置を保てなくなるのでしょう。

 

 

◆関節の変形が進行・・・

そうなると骨は(脳は?)安定して支えられるポジションを求め始めます。

 

支持組織のテンションをきっちり受けられる形を求めてアライメントを変更されていきます。

関節の変形はそういう風に進んでいきます。

 

◆固くなる関節

靭帯や関節包は、伸ばされる張力に対してその長さを保とうとする性質は持ち合わせています。

しかし、筋組織のように「自ら進んで縮む」性質は持ち合わせていません。

 

 

繰り返し伸張される力を受け続けると、その張力に退行すべく支持組織は厚く固くなっていきます。

不良姿勢の持続や歳をとったために関節が固まるってそういうことですね。

 

マルアライメントの状態で、支持組織が引き伸ばされ、そこで支持するための張力を生み出そうとした「体からの反応」と考えます。

 

◆固くしないために

できることなら、力学的に不利な(いわゆる変な)姿勢で関節が固まってしまう前に手を打ちたい。

やっておきたいことは「支持組織に依存しない荷重方法」を学習することです。

 

っていうと、ほとんどの場合「ゆるい関節を筋収縮で固定する」みたいな発想に向かってしまうのですが、私が提案するのはそうではありません。

 

 

筋収縮で固定したところで動かなくしちゃう点で、支持組織がか固くなることと大差ないですから。

 

◆揺れないために揺れる場所を増やす?

支持組織に依存しないためには「グラグラしない」ことが大切です。

思い出してください。

支持組織は不意の外力に対して関節を制動する役割を担っていました。

 

日常生活において不意の外力をゼロにするのは困難なので、不意の外力への対処法を新たに獲得できれば良いのです。

 

 

それが「グラグラしない」ことです。

 

つまり、「外力をキャンセルできるだけの動ける部分を増やす」のが解決策になります。

 

◆揺れる体において膝関節は容疑者か被害者か

膝関節に動揺が見られるからといって膝関節周囲の筋力トレーニングに勤しむのではなく、膝関節が揺れる状況にならざるを得ない原因を生み出している部分を見つけることが重要です。

(ややこしいですね)

 

 

膝関節以外で動く場所が少ないがために、膝関節が動揺せざるを得ない状況に追い込まれているのだとしたら、膝関節周囲の筋力トレーニングは「無意味」です。

 

動く部位

動かない部位

を荷重関節全般にチェックしていくことが解決への糸口になります。

動かない部位は動く部位に対して「もっと動いてね」と要求してしまうのです。グラグラの元ですね。

動かない部位が減っていくことで「支持組織への依存が減る」ことも期待できます。

動かない部位を減らすことは、理にかなった考え方だと思いませんか?

 

もしも変形が始まってしまって、痛みや運動制限が出ている人でも上記の考え方で、動ける関節の数を増やしていくことはポジティブな結果につながりやすいです。

 

 

膝関節だけでなく、荷重時に不安定性が出現している患者さんへのプログラム形成にお役立ていただけたら幸いです。

 

 

 

膝関節だけでなく「下肢荷重関節」全般に対して「動きを作っていく方法」をこちらで身に付けることができます。

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