カルテ情報サルコペニア編

こんにちは、IAIRの森本です。

 

さてこのシリーズもvol.5まできましたね。今回は整形外科患者とサルコペニアについて。

 

前回は心臓についてを書きました。

https://iairjapan.jp/archives/9688知ってるようで知らないカルテ情報vol.4 心臓編

さて、タイトルの整形外科患者編、サルコペニア?

 

いったいどっち?

 

と思った方も多いかもしれません。

 

まずは整形外科患者とサルコペニアの関係についてを紐解いていきましょう。

 

◆サルコペニアとは何か

さて、そもそもサルコペニアってなに?のところから。

 

ロコモティブシンドローム、所謂「ロコモ」については整形大好きな皆さんであれば誰でも知っている言葉ですよね。

 

サルコペニアはようやくリハビリ現場でも浸透したきたかな?というところです。

 

定義は、元々「加齢に伴う筋肉量の低下」です。

 

ですが、近年は

  • 加齢
  • 活動
  • 栄養
  • 疾患

これらの

「複合的な理由で筋肉量や筋力が低下した状態」

を言います。

前者を原発性・一次性のサルコペニア、後者を二次性のサルコペニアと言ったりもします。

 

実は大腿骨頸部骨折などで入院してきた整形外科患者の多くが、サルコペニア状態になっています。

 

しかし、これ!

という決定的なものがないので、どうしても見落としてしまいがちなんです、この整形外科患者のサルコペニア。

 

想像してみてください。

 

骨折で入院してきた患者さんの手や足を。

 

どう見ても筋肉量落ちてませんか?

 

だから当たり前すぎて見落としてきたわけなんですね。

 

でもそこが落とし穴なんです。

 

今回は基準と、そういうことがあるんだ!というところを認識していただきたいのです。

 

では、基準からいきましょう。

 

◆サルコペニアの診断基準

ヨーロッパ、アジアなどの基準があるのですが、最近日本人の高齢者に合ったサルコペニアの簡易基準案を、国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)が作成してくれているので、それを紹介します。

 

日本人に合ったサルコペニアの簡易基準案

図:日本人に合ったサルコペニアの簡易基準案


第53 回日本老年医学会学術集会記録(若手企画シンポジウム2:サルコペニア―研究の現状と未来への展望―)日常生活機能と骨格筋量,筋力との関連下方浩史 安藤富士子 日本老年医学会雑誌2012;49:195-198

 

 

◆リハビリテーション職としてどうみるか

さて、このサルコペニア。

どのように改善させるかは沢山検討されていますし、うまくやれば整形外科患者さんの予後も変えうるほどのパワーさえも持っています。

 

その辺りを少し検討していきましょう。

 

整形につなげると、回復期でも非常に多いのが大腿骨頸部骨折、ですね。

 

この診断名で入院されてきた方の多くは、サルコペニアになってしまっていることがとても多いというのは先ほども述べた通りです。

 

数値化するならば50%以上、女性であればもっと多いと予想されています。

 

基準については先ほど挙げた通りですが、カルテ情報からも多くの情報を得ることができます。

 

まず何と言っても生化学のデータ。

 

ALB(アルブミン)はやはり鉄板です。

 

3.5を割れば、全身状態が悪化している、と言っていいと思います。

知ってるようで知らないカルテ情報・生化学データ総論を参照: https://iairjapan.jp/archives/9625

 

急性期のセラピストは臨床上経験があると思いますが、骨折直後や手術後にはこのALB、グッと下がります。

 

理由は簡単、急性炎症でタンパク異化状態となるからです。

 

タンパク異化とは、炎症で身体の中のタンパク質が壊れていく状態を指します。

 

この状態では、筋肉も当然タンパク質で出来ているので、筋肉がつくはずもなく痩せていきます。

 

ここで必要なのは、タンパク質の補充、そして細胞の修復のための脂肪酸、そしてそれらを助けるビタミンや微量元素。

 

要するに全部必要になります。

 

ここで注意点があります。

 

超急性期の場合は何を摂取してもダメです。

 

患者さん自身食べる元気もないはずです。

 

少し落ち着いた時にどう介入するか、が重要になるでしょう。

 

そして、無駄なエネルギー消費を起こさせないことも、とても重要です。

 

私はここにこそ、リハビリテーション職の手腕が問われると考えています。

 

エネルギー消費とは何か、を考えるとわかることですね。

 

また、毎時間の変化をとらえていく必要があるので、マネジメント力がかなり問われるはずです。

 

本日はサルコペニアについて、そして急性期についてを述べました。

 

次回は急性期~生活期におけるサルコペニアについてをまとめていきます。

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会

会長 森本 義朗

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