こんにちは、IAIR会長の森本です。
前回の続きですね。
前回をまだお読みでない方はコチラ。
https://iairjapan.jp/archives/9625:知ってるようで知らないカルテ情報・生化学データ総論
リハビリテーションを始めるにあたって、重要になるリスク管理。
皆さんも気をつけていることかと思います。
しかし、生化学データを見逃していると、せっかく重要視していたのに結局、、、なんてことも。
今回はあの「沈黙の臓器」と呼ばれる、肝臓を見ていきましょう。
◆肝機能障害による「易疲労性」を考える
肝機能を見る指標となるのがγ-GTP(ガンマと読みます)。これは有名です。
酒飲みの方が気をつけているやつですね。
他にも見てほしいところがいくつか。なぜかというと、γ-GTPだけで肝機能!というのはまだ早合点、だからです。
具体的に挙げていくと、GOT(AST)、GPT(ALT)、ALP、LDH、コリンエステラーゼなど。
内臓の中で働く酵素のことなんですが、これらが上昇します。
*前回同様、基準値などはネットや教科書でお調べください。ここではリハビリテーション職としての考え方をお伝えします。
肝臓機能には解毒作用は言うまでもなく、
- 筋肉に変えるモノを作って血液に出したり
- とっさに動きたい時の栄養プールを持っていたり
します。
ところが、我々がいつも言う、身体が硬いことはよくないですよ、というのと同じように、内臓も柔らかさがなくなると機能が低下します。
わかりやすい名前が肝硬変。
漢字そのまま「肝臓が硬く変化した状態」です。
で、硬くなると機能低下するわけだから、
- 筋肉が作られなくなったり
- とっさに動く元気がなくなったり
します。
これを私たちは
「易疲労性」
と言ったりしますよね。
肝機能障害に気づいてない我々リハビリテーション職が
「この人すぐ疲れるからもっと体力つけさせないとね!」
とエルゴメータートレーニングをクライアントに処方すると、、
とんでもないことになりますよね。
◆肝機能障害に対してのリスク管理はどうしたらいいか
肝臓をそれ以上硬くさせない、または少しでも柔らかくさせることが重要になります。
ここで注意点もあります。
後戻り出来ない臓器でもあるので、どうしようもない場合ももちろんあります。
この場合は、食事回数を増やしていく、などが有効になります。栄養プールが機能していないので、貯蔵できないからですね。
一回の摂取量を少なめにして、食事回数を増やす、という方法です。
が、施術や栄養療法でかなり変化を出すことも可能です。
この辺りを考慮してクライアントに触れているか、これはIAIRならではではないでしょうか。
と、いうわけで、肝臓データも見ていきましょう!そしてそのデータとからだの特徴と照らし合わせていきましょう。
ここが重要ですからね、リハビリテーション職として。
ここで少し出た酵素の話は、心臓にも繋がります。次回以降、心臓の話もしていきますね。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
会長 森本 義朗