姿勢を結合組織ネットワークから評価する

臨床実習生でも、経験を積んだ療法士でも、「姿勢を評価する」場面はありますよね。

「右の肩甲骨が挙上しています」

とか

「骨盤が左後方回旋しています」

といった評価をすると思います。

そこから臨床所見と繋げていくわけです。

 

なぜ姿勢を評価するのか?

なぜ姿勢を評価するのですか?

「教科書に評価項目であがっているから・・・」

「先輩が「姿勢は評価したのか?」と聞いてくるから・・・」

ですか?

 

姿勢を評価することで得られることはたくさんありますが、姿勢を評価する理由は

「その人の習慣的な運動、くせ、」

を知ることができるからなのです。

 

姿勢には運動の結果が現れます

姿勢評価の方法について確認していきましょう。

 

 

姿勢評価の第一段階

何は無くともランドマークをチェックです。

大まかには、支持基底面に対しての

  • 足部
  • 膝蓋骨
  • 大転子
  • 骨盤
  • 胸郭
  • 頭部

を3平面(前額面、矢状面、水平面)からチェックします。

(福田作)

こんな感じで。

 

ここから回旋や挙上や偏移を書き込みます。

垂直線を1本引いておくとまとまりやすいです。

例えばこんな感じに

 

ネットワークという視点で

ここからは解剖学の情報が大事です。

 

ある骨の向きや位置関係から「どの方向に引っ張られて」、「どの方向に伸ばされているか」を想像します。

例えば

右の股関節が屈曲、内旋位で同側に腰椎が側屈していたら・・・

  • 右の腸腰筋は短縮位かもしれない。
  • 右の腸腰筋は緊張状態かもしれない。

この発想自体はおかしくないです。

しかし、、、

 

 

結合組織ネットワーク

筋は単独で存在するわけでも、単独で活動するわけでもありません。

仮に立位姿勢の評価だとしたら、「立位保持」をするというだけで、あらゆる部分がその作業に関わっていると考えられます。

 

そして解剖学から考えても、筋はそれぞれ筋膜に包まれ、他の筋と仕切られている上に他の筋とくっついています。

結合組織はそのように、筋同士を繋ぐだけでなく、骨、血管、神経も繋ぎ、体内で「連続体」を維持するネットワークとして機能しています。

だから、ある筋の起始と停止を想像し、その起始と停止が近付いたり離れたりすることだけを想像するのは、実はナンセンスです。

 

連続体の一部分として捉えるといいでしょう。

 

パーツとしてでなくラインで

単一の筋(パーツ)の短縮あるいは伸張として捉えるのではなく、ある骨とある骨を繋ぐラインがどういう状況か、という見方をすることで姿勢の解釈が広がります。

 

ある骨とある骨が近づいた時に、その間にはどのような組織があり、どのように形を変えているか(あるいはいないか)を想像してみましょう。

 

結合組織の連続体をイメージするには、こちらの本の写真が見やすいです。

私は、筋膜は短縮位でも伸張位でも「その可動性」が失われると、症状として現れると考えます。

ターゲットとなる組織を絞るには「可動性、硬さ」のチェックが必要です。

筋が短縮しているか、伸張されているか、といった長さの問題だけでみるのではなく、「結びついている他の組織との間で滑走できているか」という見方をしてみましょう。

 

 

筋膜以外・・・

ターゲットのラインが決まったら、そのライン上の

内臓

も解剖学の本で確認しておくといいですね。

  • その姿勢は、筋膜の張り付きや緊張や短縮がスタートではなく、内臓体勢反射によって作り出されているかもしれません。
  • その姿勢は、既往歴の外傷のせいかもしれません。
  • その姿勢は、自律神経バランスの乱れから来ているサインかもしれません。

筋膜以外に目を向けるきっかけにもなります。

 

 

患者さんの主訴の部分と違うところに原因がある場合は、意外と多い印象があります。

結合組織のネットワークで見ることで、原因にリーチしやすくなることでしょう。

もう一度言います。

 

姿勢には運動の結果が現れます。

だから、姿勢を観察し、考察するのです。

 

考察のポイント

忘れてはいけないのが、「なぜ?」と考える習慣です。

「なぜ、そのラインは短くなっているのか?」

「なぜ、そのラインは伸ばされているのか?」

その原因として考えられるものを一つ一つチェックしていくといいです。

 

なぜ?に対しての「それはね〜」を探しにいくということです。

 

 

姿勢を観察したら、ラインで考察する。

ぜひ試してみてください。

 

 

 

 

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