バランスをみるなら脊柱を外さない!

立位バランスは脳血管疾患に限らず
高齢者の転倒等も含め、評価や治療における
指標の大きな1つになります。

 

ファンクショナルリーチテストやFBS、
片脚立位時間、重心動揺計など、数値で表す
評価バッテリーが多いのも、その重要性を
伺わせています。

 

介入方法でも昔からディジョックボードや
バランスマット、バランスボールなどの
リハビリ用品や、タオルギャザーなんかも
定番です。

 

これらのバランスに対する評価と介入方法。

 

昔ながらずっと定番として行ってはいますが、
すごく効果的だった!という経験もあまりないのが
実情ではないでしょうか?

 

ではなぜ、バランスの評価バッテリーを用い、
介入を行っているのに、効果を実感しにくいの
でしょうか?

 

立位バランスは、

・足関節戦略
・股関節戦略

の2つの戦略機構に分けられ、

 

これらを促通するために、リハビリ用のバランス用品
や介入方法論が作られています。

 

つまり、立位バランスは下肢がメインの問題である
という前提に立っています。

 

私達も例に漏れずそう認識しているはずです。

 

ここに1つの盲点があります。

 

私達は立位バランスは
「下肢筋群が協調的に働くことで制御している」
と勝手に思い込んでしまっているのです。

 

え?と思った方、もう一度、バランスを考えてみましょう。

 

【なぜ脊柱を見る?】

 

【立位バランス】は「体重心と支持基底面の関係性
の変化」を制御しています。

 

結果的に下肢の戦略を活用しますが、行っているのは
重心位置のコントロール。

 

この体重心を考えるとき、私達は【合成された体重心】
を目安にしています。

 

【合成された1つの体重心】と支持基底面との関係のやり取り
を下肢の戦略を用いいて制御しているという、簡素化された
概念でみていることを実は忘れているのです。

 

転倒するかしないか?、筋活動(関節モーメント)はどうか?
などをみるときは【合成された体重心】十分ですが、

 

実際には重心は常に変化しており、特に上半身の
状況に左右されています。

 

通常体重心を合成する場合、上半身重心と下半身重心
を割出し、2つを合成して体重心としています。

 

特に上半身重心は動きの自由度が高いので、
上半身重心がどこにあるのかが、体重心の位置に
関係してきます。

 

当然、バランスを制御しなければなりませんから、
立位動作の際、上半身重心があちこちずれてしまって
は困ります。

 

どんなに動いても上半身重心が大きく動かず、
ある程度の位置に止まるためにはどうしたら
いいでしょうか?

 

そのために必要なのが「脊柱の可動性」です。

 

頭という重りが一番上にあるため、頭部の移動に対して、
脊柱(体幹)が反応して制御しています。(立ち直り反応)

 

脊柱は、頸・胸・腰椎それぞれに可動性の
方向に特徴があり、脊柱全体を通して細かく
自由度の高い運動が可能です。

 

この自由度があるからこそ、立ち直り反応が成立します。

 

つまり、上半身重心をコントロールするには、
立ち直り反応が重要で、そのベースとして脊柱の
可動性が必要だということです。

 

皆さんの臨床場面で立位バランスがなかなか改善
しないという患者さんがいたら、ぜひ脊柱の可動性
に一度着目してみてください。

 

評価は、座位で背中を丸めたり、伸ばしたり、
側屈したり、回旋したりしてもらってください。
(出来ない方は他動で)


かなりの方で可動性が低くなっているはずです。

 

そこを見つけたら、可動性を出すための介入です。

 

介入で脊柱の可動性がでたら、立位バランスのテスト
で再評価です。

 

再評価に変化があれば、バランスの悪さは脊柱の可動性の問題
を含んでいる可能性があるということになり、

 

今後の介入対象になっていくと思います。

 

バランス戦略という用語にとらわれず、
そもそもバランスはどうやってとっているんだろう?

 

という視点を持つことで、また介入のバリエーションが
増えていきます。


方法論の引き出しは多いに越したことはありません。

 

立位バランスをみるなら、脊柱の可動性も外さない。


 

このフレーズ、介入方法の引き出しにしまっておいてくださいね。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

国際統合リハビリテーション協会
理学療法士 中嶋 光秀

 

 

 




 



 

 

 

 


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