【ワッサーマンの歯車っていつ使う?〜生理学が苦手なあなたへ〜】  

呼吸器の勉強をしようと思うと、切っても切れないのが
生理学。国試の時は沢山勉強しましたよね?

 

でも、国試終了と共に記憶から薄れていくことの
多さでいえば、解剖学と1・2を争うことは、
皆さん実感されているはずです…。

 

 

特に、生理学は1年生の時に学ぶことが多く、
当時は関連する疾患などを並行して学んで
いないので、「何に必要なのか?」がわからない
まま受講します。

 

 

なので最初から生理学(解剖学)=苦手のイメージ
で過ごしてきていると思います。

 

しかし、生理学(解剖学)が苦手なのは100歩
譲ったとしても、知らないと困る知識です。

 

 

そこで今回は呼吸器リハビリで多い症状の
労作時の呼吸困難感を題材に、

【ワッサーマンの歯車】

を用いて考えていきたいと思います。

 

 

まずは「労作時の呼吸困難感」をシンプルに表すと、
運動すると、エネルギー源であるATPを産出するため
に必要な
組織内の O2が足りなくなるので、呼吸数や
心拍数を増やして
O2不足を解消するのが正常。

 

 

このO2が足りない、エネルギーの産出不足になった
状態の時に
呼吸困難感を生じます。

 

 

 

これをワッサーマンの歯車でみるとイメージが
ハッキリします。下図はその模式図です。

順に流れを説明していきます。赤がO2の流れ、
青がCO2の流れを示しています。

 

 

1.O2は大気から肺に取り込まれます。(換気)

2.肺胞に入ったO2はガス交換(外呼吸)により
  血液に渡され、動脈血として心臓のポンプ作用
全身を巡ります。

3.組織に到達した動脈血ガス交換(内呼吸)により
  組織(ミトコンドリア)にO2を渡し、ATPを産出
  した際にでた代謝物としてのCO2を受け取り、
  静脈血として循環します。

4.肺胞に達した静脈血はガス交換(外呼吸)により
  CO2を血液から肺胞に渡します。

5.肺胞から呼気としてCO2を体外に排出します(換気)

 

 

ワッサーマンの歯車で見えることは、O2とCO2が
どこで取り込まれ、運搬されて、組織に届き、
回収され、
排出しているか?の流れです。

 

 

呼吸困難感を「組織のO2不足によるエネルギー産生不良
の結果起こる症状」
と大まかに考えると、この歯車の
どこが機能していないと、呼吸困難感が出るかが
みえてきます。

 

 

歯車は【肺・心臓(血液)・組織(筋など)】の3つ。

 

 

まず、O2不足で考えるなら、肺を疑いますよね?
O2を大気から取り込むCO2を大気に排出する
「換気」に問題があるのかどうか?
これらは閉塞性・拘束性換気障害となる疾患が
絡んできます。(吐けない、吸えない)

 

 

また、肺胞そのものに病変がある場合、
ガス交換(外呼吸)の問題が生じ、血液に
十分なO2を渡せないため(肺胞にCO2を渡せない)
どんなに血液が全身を巡っても、組織にO2は
届かず不足します。

 

 

 

次は心臓(血液)です。
換気障害がなく、動脈血に十分なO2がある場合でも、
血液を巡らせる循環器に問題があると組織にO2が届
きません。
なので、心不全、不整脈など、心拍出量の
低下につがなる既往があれば、組織のO2不足の一因
になります。

 

 

血液に問題がある場合もあります。
O2は血液に渡る際、Hb(ヘモグロビン)と結合します。
しかし、Hbそのものの量が少ないと、O2が結合できる
量も減ってしまうので、組織はO2不足に陥ります。

 

 

血液データ(RBC、Hb、Ht)をみたり、貧血を引き起こ
すような既往、治療歴がないか?便の色はどうか?
などは1つの判断材料になります。

 

 

最後に組織そのものの問題です。
組織に炎症がある場合は、組織修復のためにエネルギー
が大量に消費されるので、同様にO2も大量消費される
ためO2不足となります。

 

 

運動そのものも組織のエネルギーを消費するので、
運動量が組織のエネルギー産生を越えれば、
O2不足となり呼吸数や心拍数を増やして、代償します。

 

 

また、筋量不足によるミトコンドリア数自体の不足
でもエネルギー代謝が追いつかず呼吸数や心拍数を
増やす原因となり、呼吸困難感を引き起こします。
(運動不足の人がすぐ息切れする一因)

 

 

 

肺(換気)に問題があるなら、心拍数や組織の状態で
代償できるのか?

循環(心機能・血液)に問題があるなら、呼吸数や
組織の状態で代償できるのか?

組織に問題があるなら、呼吸数、心拍数(拍出量)で
代償できるのか?

これらを代償しうる範囲で、呼吸困難感が少ない状態で
運動するにはどのぐらいの運動強度が適切か?
(ボルグスケールなど)などなど…。

 

 

ワッサーマンの歯車がみれるだけでも、
呼吸器に限らず、循環、筋骨格系の問題まで
予測がつくようになります。

 

 

「生理学は苦手」と思っている方は、疾患別から
入るといいかもしれません。

 

 

その疾患、症状はどんな機序で起こるのか?
を知ろうとすると、必然的に生理学が出てきます。

 

 

生理学の教科書を一から読んで覚えるのではなく、
疾患や症状について知る必要があり、その項目に
生理学があるので、その分野を勉強する。

 

 

そうすると、必要なことを学習するので、
身につきますし、苦手の払拭にもなります。

 

 

そんな私も生理学や呼吸器が得意分野というわけ
ではありません。

 

 

しかし必要に駆られて学ぶことで
「苦手ではない」ぐらいまでにはなれる
と思います。

 

 

セラピストである以上、数多くの疾患をみれる
必要性がどうしても出てきます。

 

 

自分の専門外の分野でも、最低限対応できる
知識と技術は身につけておきたいですね。

 

 

最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

理学療法士 中嶋 光秀

 

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