【呼吸器疾患のリハビリテーション〜運動処方の基準を考える〜】  

呼吸器疾患のリハビリで重要な運動療法。

 

 

運動耐容能の向上がADL・QOLの向上に繋がる
ため、皆さんも日々取り組んでいると思います。

 

 

しかし、実際に運動処方をする際に、何か
基準となるもの、もしくは評価を持ちわせて
いますでしょうか?

 

 

なんとなくSpO2を計測して、下がってないからOK?
なんてことはないですよね?

 

 

今回は、運動処方の基準となる評価を
紹介し、どのように運動処方をすればいいか
考えていきましょう。

 

 

まず最初に、運動処方をするにあたり、
知っていなければならないのが、中止基準。

 

 

運動療法の中止基準は「アンダーソン・土肥の中止
基準」が最も有名ですよね?
https://www.jarm.or.jp/nii/iinkai/sinryo-guide/risk-manage_GL_draft.pdf

 

 

心リハでもこの基準が使われており、リスク管理
という面において、私達と患者さんを守ってくれる、
1つの基準となります。

 

 

呼吸リハビリテーションマニュアルでは以下のように
設定しています。

日本呼吸ケアリハビリテーション学会呼吸リハビリテーション委員会
ワーキンググループ :呼吸リハビリテーションマニュアル─運動療法 第2版.
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会,日本呼吸器学会,
日本リハビリテーション医学会,日本理学療法士協会 編, 照林社, 東京, 2003.
より引用

 

 

 

まずはこの基準に沿って考えていくのが
ベースになります。

 

 

COPDをはじめとする慢性の呼吸器疾患の場合、
労作性呼吸困難が大きな問題になります。

 

 

 

その呼吸困難感も患者さんの状態により様々。
なので、まずはどんな運動で、ADLでどれだけ
呼吸困難感があるかを修正ボルグスケールを用いて
確認します。

 

 

そして、その際のSpO2(安静時よりどれぐらい
低下するか)HR、呼吸数、血圧をみていきます。

 

 

簡便な運動負荷試験としては6分間歩行は実施しやすい
と思いますので、歩行が可能であれば歩行中のボルグ
スケール、
HR、呼吸数、血圧、SpO2の計測を行います。

 

 

ただ、慢性呼吸器疾患の患者さんは低換気状態に慣れて
いるため、
ボルグスケールの反応が悪い場合があるので、
注意が必要です。
(そのために上記HRなどの数値が必要になります)

 

 

また中止基準のなかにSpO290%以下とありますが、
これはPaO260mmHg以下を示しており、低酸素血症
状態
になるので、運動中に90%以下にならないよう
注意しましょう。

 

 

あとは、安静時の数値に回復するにはどれぐらいの休息
必要か?です。こちらもチェックしておくと、
セルフケアの指標になります。

 

 

運動処方で難渋する患者さんで多いのは、
軽い運動でもすぐ呼吸困難感や倦怠感を訴え、
運動に対する恐怖感がついてしまっている人です。

 

 

どんなに運動療法が必要だといっても、
無理に説得したり、運動させたりしても、
リハ拒否に繋がり逆効果になります。

 

 

その場合は思い切って、運動強度を下げます。
歩行が難しいなら、座位での体操や臥位での
筋トレ。

 

 

それすら難しいなら、自動介助運動から。
もしくは基本動作に介助を入れてもOK。

 

 

まずは苦しくなくできる運動を探して、
そこからスタートです。

 

 

回数と頻度もその日の疲労度と、
翌日への持ち越しがないか?なども
聴取して、運動量の調整をしていきます。

 

 

こうやって考えていくと、個別性が強く、
かつ、特別なことはあまりないのが実際です。

 

 

特殊な検査やテクニックではなく、
私達が日常的に使える評価項目だけでも、
十分に運動処方は可能です。

 

 

あとは、どれだけ患者さんとコミュニケーションが
取れているか?そこにセラピストが寄り添えているか?
にかかってきます。

 

 

「医学的にこれが正しいから、これをやってください」
では人は動きません。

 

 

患者さんを病ではなく人としてみて、
人として接する。

 

 

患者さんの主観を情報源とする以上、
関係性が良好なのに越したことはありません。

 

 

無理強いせず、寄り添いながら関係性を作っていきましょう。

 

 

最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

理学療法士 中嶋 光秀

 

◇◆◇◆◇◆お知らせ◆◇◆◇◆◇

IAIRのオンライン講座が始まりました!
セミナーの予習、復習としても使えますので
まだ見られていない方は、是非!

クリック↑

 

 

*******************************
一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
E-MAIL:info■iairjapan.jp(←■を@に変換してご利用ください)
HP:https://iairjapan.jp
Facebook:https://www.facebook.com/iairjapan/
中嶋個人Facebook:https://www.facebook.com/mituhide.nakajima

*******************************


Scroll to top