【呼吸器疾患のリハビリテーション〜CO2ナルコーシスに気づくために〜】  

高濃度酸素療法(在宅酸素含む)をされている方で
気をつけなければならないCO2ナルコーシス

 

高CO2による血管の作用で頭痛、血圧上昇、
発汗、意識障害→昏睡にいたる病態です。

 

 

改めて、機序を確認するととともに、
回避方法としての評価を考えていきましょう。
(高濃度酸素療法をしているという前提です)

 

 

【CO2ナルコーシスの機序】

まず換気を促進する因子としてCO2の増加
が挙げられます。延髄が感知しており、
最大の刺激要因です。(自力で息を止めても、
苦しくなると強制的に息を吸うのはこのせい)

 

 

もう1つは換気を抑制する因子
それが高O2です。(下図参照)

 

通常は換気を促進する刺激として①高CO2
1番の促進刺激ですが、長期に閉塞性障害を
持っている方は、延髄のCO2感受性が低下しており、
低O2刺激で換気を維持していることが多いです

 

その状態で、高濃度のO2を急激に投与すると、
肺胞内がO2となるため、低O2刺激がなくなり
高O2によって換気を抑制させる要素が先行するため
CO2が呼出ができなり、体内に溜まり昏睡に至ります。

 

【評価】

高酸素で換気が抑制されるというのが
大きなポイントで、SpO2の値だけではリスクの
評価ができないということになります。

 

 

換気が抑制されると当然「呼吸数」が減るので、
CO2ナルコーシスが発見される際はSpO2が高値
なのに、呼吸数がかなり低下している(9回/分以下)
ということがよくあります。

 

 

つまり追加する評価は「呼吸数」です。
(成人の正常値は16~20回/分)
換気が抑制されれば自然に呼吸数は減って
いきますので日常的に呼吸数を評価
しておく必要があります。

 

 

処方でO2量に増量があった場合や、
高農度酸素療法の導入当初は特に
注意が必要ですので他職種での情報共有
が必要です。

 

 

次に、SpO2の値をどうみるか?です。

 

 

SpO2は動脈血のHbの何%にO2が結合しているか?
をみているだけ(酸素飽和度)なので、
O2の量もCO2の量もみていません。

 

 

そこで「ヘモグロビン酸素解離曲線」をみます。

呼吸不全の定義がSpO2 90%、PaO2(動脈血酸素分圧)
60Torrです。高齢者のPaO2の正常値は104–年齢÷2
計算されるので60歳で74Torr以上あれば正常といえます。
(Hb量が正常であることが前提)

 

 

なので、大体SpO2が95%程度なら高齢者では
問題はありません。

 

 

問題になるのはSpO2が98%と高値の時。
上記のグラフの縦軸は%、横軸は酸素分圧です。
縦軸は%なので100が上限ですが、横軸は
上限がありません。

 

 

何を指しているかというと、O2投与でSpO2が
98%以上の値を示す時、酸素分圧は100Torrを
超えている
可能性もあるということです。

 

 

特に、在宅で酸素療法を導入されている方で、
SpO2が高めに管理されている場合は注意が
必要です。

 

 

先ほども述べたように、60歳での正常PaO2が74Torr以上
であるなら、在宅酸素での管理もSpO2が95%程度を
基準としても問題ないかもしれません。

 

 

高齢になればPaO2の正常値も低くなりますので、
その値も考慮しながら、現在のSpO2だと患者さんに
とって高O2状態ではないか?疑ってみてください。

 

 

CO2ナルコーシスは予防と早期発見が必要です。
特にO2投与後に頭痛が起きたら要注意です。
高CO2の症状ですので、見逃さずに観察しましょう。

 

 

最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

理学療法士 中嶋 光秀

 

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